非武装のコスタリカの弁護士 講演/元法制局長官 安保法は憲法違反と法廷で証言

武装コスタリカの弁護士 講演/元法制局長官 安保法は憲法違反と法廷で証言

 中米のコスタリカは1949年に常備軍を廃止する憲法を成立させ、非武装中立を宣言しました。憲法では非常時徴兵も規定しています。
 以来、米国その他から様々な圧力を受けましたがずっとその姿勢を貫いています(日本も憲法で戦争を放棄しましたが、米国からの強い要求により、残念ながら早い段階で「再軍備」に踏み切りました)。
 2010年に隣国のニカラグアから侵攻されましたが、国際司法裁判所に提訴して阻止したということです。
 高校生1万人署名実行委や市民団体などでつくる実行委が、コスタリカの弁護士ロベルト・サモラ氏を招き、11日に長崎市内で講演会を開きました。講演会には約170人が参加しました。
 
 それとは別に、4年前に成立した集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法は違憲だとして、市民らが国に損害賠償を求めている訴訟の証人尋問が13日、前橋地裁であり、宮崎礼壹元内閣法制局長官が「安保法は長年の政府解釈や国会の議論に明白に反しており、違憲だ」と述べました。
 宮崎氏は、2006年9月26日~2010年1月の間内閣法制局長官に就いていました。
 ちなみに第一次安倍内閣は2006年9月26日に成立し2007年8月27日 まで続きました。
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戦争繰り返さぬために 軍隊を持たない国から学ぶ コスタリカの弁護士が講演
長崎新聞 2019/6/13 09:41

 軍隊を持たない中米コスタリカから学ぼうと、同国の弁護士ロベルト・サモラ氏を招いた講演会が11日、長崎市内であり、参加者が日本の改憲の動きや国民の役割について考えた。
 高校生1万人署名実行委や市民団体などでつくる実行委が主催。約170人が参加した。
 コスタリカ永世中立を宣言し、軍隊保有を禁じる平和憲法を制定している。2010年に隣国のニカラグアが侵攻してきたが、国際司法裁判所に提訴して阻止した。サモラ氏は「1人の死者も出さず、お金も銃も使わず、また自衛の兵も作らなかった」と強調した。
 
 コスタリカの大統領や内閣がイラク戦争を支持したり、核兵器製造を提案したりした際には、サモラ氏が裁判所に提訴。裁判所の命令で戦争支持を撤回させたり、核兵器を製造禁止に追い込んだりしたと説明した。
 サモラ氏は日本の憲法九条改正の動きについて「政府が国民を欺いている」と批判。高校生平和大使らの活動報告を聞き「失敗しても希望を持ち続け、不可能だと思うことに取り組んでほしい」とエールを送った。
 参加した第21代高校生平和大使で諫早高3年の山西咲和(さわ)さん(18)は「戦争を二度と繰り返さないために(戦争の)原因についても貪欲に学び続けていかなければならない」と語った。
 
 
元法制局長官、安保法違憲と証言 前橋地裁で尋問
東京新聞 2019年6月13日 18時02分

 集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法は違憲だとして、市民らが国に損害賠償を求めている訴訟の証人尋問が13日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であり、宮崎礼壹元内閣法制局長官が「安保法は長年の政府解釈や国会の議論に明白に反しており、違憲だ」と述べた。全国各地の同種訴訟で初めての証人尋問。
 
 宮崎氏は第1次安倍政権を含む2006~10年に長官を務めた。証人尋問では、集団的自衛権を認めるため政府が14年に閣議決定した新基準「武力行使の新3要件」について「極めて曖昧で混乱を招く。9条の求めるものに反する」と指摘した。 (共同)
 
 
安保関連法違憲訴訟で証人尋問
NHK 首都圏 NEWS WEB 2019年06月13日 20時14分

4年前に成立した安全保障関連法は憲法に違反するとして、群馬県の県民などが国に対し賠償を求めている裁判で、前橋地方裁判所では13日、原告側の申請による証人尋問が行われ、元内閣法制局長官の弁護士が「明白に憲法9条の文言に違反していると言わざるを得ない」などと証言しました。
 国側は訴えを棄却するよう求めています。
 
この裁判は、群馬県に住む人たちなど合わせて208人が「集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法は憲法9条に違反しており、平和的に生存する権利を侵害された」などとして、国に対し1人当たり10万円の賠償を求めているものです。
 前橋地方裁判所では13日、原告側の申請による証人尋問が行われ、法律の専門家など3人が証言台に立ちました。
 
このうち、元内閣法制局長官で弁護士の宮崎礼壹氏は原告側の弁護士から安全保障関連法への認識について確認され「長年、政府見解でも集団的自衛権の行使を一貫して認めていなかった。それを容認した安全保障関連法は明白に憲法9条の文言に違反していると言わざるを得ない」と述べました。
 一方、国側の代理人は証人に質問しませんでしたが、裁判の中で原告の訴えは抽象的で具体的な権利を認めることはできないとして、訴えを棄却するよう求めています。
 原告の弁護団などによりますと、安全保障関連法をめぐる集団訴訟はこれまでに全国の20余りの裁判所で起こされていますが、原告側の申請による証人尋問が行われたのは今回が初めてだと言うことです。