差別意識が虐殺生んだ(前川さんの本音のコラム)と、韓国ヘイトの人の思い違い



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2019年08月31日
  ちょうどお昼頃に最寄り駅のホームで電車待ちをしていた時、ベンチの隣の席に70才ほどの男性と年齢不詳の女性が来て座りました。二人は、演歌歌手やカラオケ仲間のことを話していて、話題が韓国がどうの、朝鮮がどうのという方向に流れました。すると隣の男性が、韓国や朝鮮は大っ嫌いや、ムンジェインはとんでもないヤツだ、などと、韓国・朝鮮の悪口を始めました。内容はすぐにエスカレートし、韓国の人間はみんな嘘吐きや、あいつらの言う事は嘘ばっかりや、と言い始めました。それを聞き、私は聞き流すのを止めよう、と思いました。
 私:あのー、そういう話をこういう所でするのは止めてもらえませんか
 男:何でや、ホンマのことやないか、お前、あっちの人間か
 私:私が誰とか関係ないですよ。公共な場所でそういう事言うの止めて下さい
 男:ワシは差別はしてへんで。言論の自由やないか。何でしたらあかんのや
 私:あなた、学ぶ気あるんですか。あるんなら私説明しますけど、ダメですよ、そんなん言論の自由と違います
 男:何でや、みんな思うとるし、どこでも言うとるぞ
 私:それが異常なんです、いいですか?世界中の笑われ者になってますよ
 男:おう、韓国やろ
 私:違います、日本ですよ
 男:何言うとるんや
 私:あんたみたいな人、ここ欧米やったら、私警察に通報して、逮捕されてますよ
 男:何言うとる、俺おかしなこと言うてへん、ホンマのことやないか
 私:もう止めて下さい
 こんなやりとりをしているうちに、列車が近づき、駅員が目の前に立っていたので
 私:ちょっとこの人、もう電車に乗せたらあかんですよ、乗せやんといて下さい
 電車のドアが開き、私も男と女も同じドアから乗り込み、私は空いている席に座り、男が空いている席を女に促したのですが、女は一言「あほが」と吐き捨てるように小声で言い、前の車両に移り、男も女について行きました。
 …とまあ、こんな事がありました。

 正直、その時は結構興奮していましたが、今、思い出しながら文字にしてみると、少々滑稽です。桂ざこばの「天災」だったか「阿弥陀池」だったかのマクラにあった彼の小噺と似ています。

 今の日本、本当にタガが緩んでいます。ごく最近も、「病気しても、医者がもし嫌韓者で差別者だったらと思うと、怖くて医者に行けない」という声をSNSで見ました。どんな国の、どんな民族の、どんな出自の人でも、安心して公共交通機関を利用できる、当然のことです。公空間で特定民族を「みんな嘘吐きで大っ嫌い」と大声で話すことが人としてどれほど恥ずべきことか、それさえわきまえないほどに、この国の人間は落ちぶれたのか、と思います。