たねまきジャーナル6/7 小出先生と山田真先生のお話

6/7(木)
 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の二木(ふたぎと読みます、元日刊ゲンダイのふたつきさんと同じ漢字ですが読みが違います)一夫さんの案内で放送されました。二木さん、今日再審となったマイナリさんの一審判決を聞いており、裁判員制度で検察も手持ちの証拠を出せとなり、弁護団の反論にオープンにするべきと言われました。   

 原発のニュース
 
関電は大阪市脱原発提案に反対しています。  

 被団協は大飯再稼動に反対する決議を政府に提出です。国と東電に補償を求める決議も出しています。これ以上の被爆者を作ってはいけないとしています。

 経産省、値上げの公聴会を開き、一般利用者より批判の声が出て、赤字だから値上げは納得できないと言い、東電は社員の年収を削減すると言っているのです。柏崎・刈羽再開にも反対です。    
 
小出先生の一週間ぶりのお話
 
Q:リスナーの質問で、福島県郡山市の方、保険所で内部被爆検査を行うものの、ガンマー線しか分からず、アルファ、ベータ線については?
 
住民の被爆の主犯はセシウム137と134で、他の物質、アルファ線プルトニウムベータ線ストロンチウムですが、量的にはセシウムのガンマー線が大事です
しかし、海の汚染だとベータ線ストロンチウムが問題になり、ホールボディカウンターは不十分、排泄物から推定する方法しかなく、海産物をたくさん食べる人には必要なのです。ストロンチウムセシウムの1/1000、プルトニウムストロンチウムの1/1000で、セシウムが問題です。

Q:兵庫のリスナーより、共用プールに6375体の燃料があること、大丈夫か?
 
ひとつの炉心に540体入り、つまり12個の炉心分の燃料があり、ひとつの炉心で広島原爆2000~3000個分の放射能があり、共用プールも何十年冷やさないといけないが、水は漏れたら冷やせず、水で冷やすのは困難で、放射能が減ったら空冷で冷やせる計画もあり、湿式ではなく、乾式に移るのです。空冷にするには、貯蔵容器(1つ100トン、これを何百、ひとつに10体しか入らない(泣))、雨ざらしに出来ず、これを入れる倉庫が要り、とてつもなく大変な作業なのです。

Q: 日本にいるブラジル人の人に、福島の瓦礫撤去に20人のブラジル人が働いており、1日2時間の作業、日当3万円、医療保障なしなのですが・・・
 
「気が重い」、労働は能力を売るものの、福島では被爆の能力を売り、100ミリシーベルトまで働く、被爆限度を売る、いやなやり方だと小出先生言われました。福島だとこういう人が何十年も要るのです。チェルノブイリで60~80万人の作業者が要り、日本でも作業員は日本人だけでは足りなくなるのです

 小出先生のお話をお届けいたしました。 
 
続いて、原発事故後福島で子供たちの検診をしてきた小児科医の山田真さんの電話でのお話です。
事故から1年3ヶ月、福島の子供たち、保護者について、健康相談をされている山田さんです。
 
山田さん、5月に現地の支援活動の方より、福島の子供を診に来てくれといわれ、その頃子供が不安で保護者が医者に行くものの、地元の医者は放射能に取り合わず、それで東京の山田さんに声がかかったわけです
 
山田さん公害(砒素ミルク支援)に関り、山田さんなら来ると、指名されたわけです。現地の医者が十分相談できず、今も、福島は被害なし、放射能も心配するなと公式見解で言っており、医師会も大丈夫と口裏を合わせている。
 
しかし、山田さんは大丈夫と思わない。低線量被爆、内部被爆は資料が少なく、甲状腺がんくらいといわれているものの、実際には大きな被害が出て、これからいろいろなことが出るのです。  
 現地で多くの人が相談、10回相談会、1000人くらい様子を聞いているのです。
 
6月は線量の高いところで大丈夫かとの相談、避難すべきか?について
 
安心できる状態ではなく、子供は生活できない、避難した方が良い。
9月以降は避難できる人は避難して、夏休みにいろいろなところで子供たちを引き受けて、保養に行く相談、現地でどういう生活をしたら安全かという相談が来るのです。
 福島では安全との雰囲気で、昨年9月に福島で国際会議、安全と言う専門家が集まり、死者は出ていない、健康障害は心配ないという結論が出された。
 
しかし山田さん国際的なレベルで福島の実態が隠されたと思ったのです
 
千葉さん信じられず、そんなところでの子供たち、保護者さんの様子は、空間線量はしょうがない、福島市内でも3~4マイクロシーベルト、相談される人は家の中で20マイクロあると言われて、山田さんビックリで、逃げられないと耐えるしかない、食べ物に注意する、屋外にあまり出ない、除染するものの、限界はあるのです。  

福島から県外に避難した人の相談も、山田さんだけでなく多くの人が対応し、大阪でも山田さんの知り合いの医師が相談を行っています。
 
避難している人は、福島にいたときの影響が心配で、子供は放射線の感受性は高いが、排泄も早く、福島を離れて何ヶ月の子供と、福島に残った子供を測ると、前者は40%減っており、線量の高いところを離れたら大丈夫になるのです。  

低い線量のところへ行けない子供が不安で、リスナーより、子供たちに影響は出ているのか、鼻血のことの質問があり、最初は鼻血、下痢が心配され、山田さん都内で診療して、東京で鼻血を心配する人はいるが、福島では鼻血の相談はあまりなく、精密検査の要る子供はいない、放射能との明らかな関係は見られないが、そもそもデータがなく、因果関係は不明。分からないのです。  

低線量被爆、影響の可能性も考えられ、1950年代のビキニ水爆、86年のチェルノブイリを含めると、多彩な症状が懸念され,チェルノブイリでも甲状腺がんのみは因果関係が認められて、それ以外は不明(白血病とか、腎関係)。ケースが異なり、チェルノブイリと福島で被爆が異なるが、いろいろな可能性を考えないといけないのです。  

放射能の影響が顕著になるのは、がんだと原因物質が体内に入り時間がかかり、普通3年先が問題なのです。
 

子供さん、親御さんのこと、放射能についてフランクに福島で話せるか?
 
戒厳令状態が福島市にあり、福島の中通でも起こっていることは異なり、福島市内は放射能のことを話題にしない、放射能が心配というとバッシングされるのです。  

食べ物は、子供たち、最初に行った時は福島産のものを食べようとしており、風評被害を防ぐというものですが、パフォーマンスを子供たちがさせられて、親御さんは、主食は福島産でないものを使ってというとバッシングされ、この状態は減っても風潮は残っているのです
 
安全の確認されないもので、国も何もしてくれない、あきらめ、自分たちで守らないといけないとなり、市民測定室もあり、自分たちで食品の放射能を測り、低くなっているものの、水・牛乳は大丈夫ですが、野菜、果物は問題なのです。
 
 福島の子供への健康相談、行政は積極的にやらず、18歳以下の甲状腺検査で、これに時間がかかり、福島以外にもホットスポットはあり、国が線量の高いところからやらないと間に合わない。出てきた結果も、異常なし、大丈夫との結果になり、1回の検査でそんなことが言えるのかと山田さんは思うのです。他のケースではあり得ない、大丈夫と言い切られて、そういう健康診断を、県民も信用していないのです。  
 二木さん、見ざる、言わざる,聞かざるという状態で、原発安全神話と同じ
だと言われました。
 
 ここで時間になりました。小児科医の山田さんのお話をお届けいたしました。