武田邦彦先生のサイトより
http://takedanet.com/2012/11/post_6715.html
<転載開始>

選挙を控えて各党はやや慎重になっているが、減税ニッポンを除いて、原発を再開すべきであるという声は大きい。その根拠は、
1) 原発は安全で、二度と事故は起こさない、
2) 原発再開に反対している人は感情的で、知識が無い、
3) 原発を再開しないと日本経済は打撃を受ける、
とまとめられるだろう。
原発を停止すべきか、再開すべきかという異なる意見があるのは大変、結構だが、議論をするときには誠意がなければならない。
私は原発再開派の人は、大新聞などを含めて誠意がないと思う
その理由は、
1) 原発が安全であるという証明をしない、
2) 原発停止派が感情的、無知識と断定する理由がない、
3) 原発より化石燃料の方がコストが安い、
と考えられるからである。
原発の再開が経済に大切であるというのは、その前提が「原発が爆発しなければ」という仮定がついている。
それは福島事故前も同じであり、また再開されるときには、日本の原発はまだ福島事故前と同じ設計、同じ技術で再開される。だから、「経済のために原発を再開する」というのは論理が破綻している。
このブログで順次、その理由を示していくので、選挙を控え、もし原発再開派の中で「問答無用」というのではなく、日本のために胸襟を開いてくれる人がいたら、特に「原発が安全であるという証明」について、
1) どこかのテレビで冷静に議論を行う、
2) ネットを通じて冷静な議論を行う、
などをしていただきたい。
私から見ると、原発賛成派も感情的な感じがするし、なにか反対派をバカにしている傾向が見られる。
でも、事実、福島原発は爆発したのだし、「ガンは発生しない」と言って福島の人を避難させないのに、福島医大には最新の甲状腺ガン検査治療設備を膨大な税金を投入して設置しようとしている。
本来なら、もしガンの発生の可能性があるなら、住民を避難させ、それでも発生するガンに対しては治療をするのが妥当であろう。日本人の中でこのような相矛盾した事をやっていては「絆」、「同胞」、「民主主義」はあり得ない。
(平成241122日)

原発再開派に最低の誠意を求める(2) 原発安全の証明(爆発編)

http://takedanet.com/2012/11/post_1cb8.html

選挙で原発再開を公約にしている党は、原発安全の証明については次の手順をもって明らかにしておく必要がある。特に、日本人らしい「誠意」をもとめる。誠意がなくて教育問題など論じてもムダである。
1) 日本の原発は今まで震度6以上の地震100%破壊している、
2) 日本は10年で13回程度の震度6地震が発生する、
3) 従って、福島原発地震津波が来る前)でどのぐらい破壊されたか明らかでない、
4) 福島原発は防潮堤は5.7メートルだったが、原子炉建屋の前に高さ40メートル以上の建物があり、津波自体は原子炉建屋に到達していない、
5) 従って、福島原発は「津波の運動量」で爆発したのではない、
6) 福島原発は(防潮堤の高さに関係なく)海水面が8メートル程度上がったら地下室が海水で埋没して爆発した、
7) 従って防潮堤を高くしても爆発は起こる、
8) 東海第二原発は防潮堤は高かったが、防潮堤に穴が空いていて、そこから海水が浸入して停電した。このことが他の原発で起こらないと証明できない、
9) 3号機の爆発は上空に爆風が上がっており、水素爆発では説明できない。原子炉建屋の下部で爆発が起こった原因が不明のまま、
10) 制御棒が入らずに臨界になる、冷却水が循環できなくて爆発する、という2つの危険以外の危険について整理されていない、
11) テロに対する防御が全くゼロで、特に制御室の破壊に対して無防備である、
12) 使用済み核燃料プールが危険な設計だという指摘が多い、
13) 地震学は進歩途上にあり、活断層などの予測は毎年変わっていく。現在の知見が正しいという証明が必要で、この証明ができたら地震学の研究は止めるべきである。
責任を感じ、誠意のある日本人なら、まず、最低でもこの程度のことについては証明が必要である。選挙の実施の前までに、「原発再開派」の党は必ず誠意を持って、証明してほしい。また爆発したら、日本経済は壊滅するし、大地震が予想される所に原発を作っているのは世界で日本だけだから。
(平成241123日)