小出先生ラジオフォーラムのお話:自民党の原発政策&フクシマ原発の現状

1/12(土) 今日から始まったラジオフォーラムの書き起こしです。

 永岡です、小出先生の出られる、たね蒔きジャーナル後継番組「ラジオフォーラム」、本日より放送開始で、北海道・札幌の三角山放送局より、日本で一番早く放送されました。ラジオアクセスフォーラムの提供です。
http://www.sankakuyama.co.jp/ これを書きお越しします。
 
 「小さくても、ジャーナリズムの現場を作りたい」、がこの番組の精神です。
小さな声に耳を傾け、闇を照らすものです。
1回目はラヂオ岸和田のスタジオで収録されました。市民のカンパを基金に作られ、全国21のコミュニティFMだけでなく、カナダの日本語放送でも放送されると言うのです。第1回目は特別放送、小出先生のお話です。

 小出先生、たね蒔きジャーナルに2011年3月14日より出られて、たね蒔き打ち切りの際に、小出先生の発言が出来なくなるより、良質なジャーナリズムを背負うものがなくなることを残念に思い、小出先生は出なくてもいいからたね蒔きを続けて欲しいと言われたのです。

 前半は総選挙のこと、後半は原発のことを語ります。

 民主党から自民に変わり、民主は2030年代に原発ゼロと言っていたのに、自民はこれを撤回であり、今西さん、日本の原発は自民により増え、自民に戻ると原発推進になると言われて、小出先生、日本の原発は自民が作り、福島に大変な苦難になった。福島の原子炉も安全とお墨付きを与えたのが自民、責任があるのに、未だ事故も収束していないのに原発推進とは「呆れた人たち、呆れた政党」なのです。
安倍総理、形の違う原発ならいいと言い、しかし民主党パブコメも求め、国民の意見は2030年どころか即刻ゼロなのに、民主党は2030年代(=2039年末)ゼロ、10年サバを呼んだのに閣議決定できない、情けないが自民はもっとひどい。
国民に苦難があるのです。今までと違う原発ならいいと安倍氏は言うが、原発は改良するのは当たり前、1号機から改良された2,3号機になり、しかし原発核分裂放射能を生み出す原理は同じで、原発として同じ(=また事故が起こる)なのです。

 自民になり、原発は大飯以外止まっていたのが再稼動されることについて
選挙で自民が圧勝してしまい、自民はどんどん再稼動+建設する、参院選があり、自民が負けたらやりにくくなるので、自民は参院選までおとなしくしていると言われました
使用済み燃料、六ヶ所村も満杯であり、自民のやり方について小出先生、原発をやると使用済み燃料=放射能が残ることはみんな知っている。
しかし、いつか、誰かが何とかしてくれると思い、しかし科学の力で何も出来ず、処理する可能性はなく、処理できない毒物を作るのは止めるべきなのに、自民、財界は金を儲けたくてやり、簡単に止まらないのです。  

使用済み燃料、海外に持っていく話があり、西谷さん、モンゴルに行かれて、埋められそうなのはノモンハン事件(旧満州との境にウラン鉱山がある)の場所、水面下で動き、埋める場所は日本にもアメリカにも、世界にはなく、日本がベトナム、トルコに原発を売り、出た核のごみは日本が引き受けるとしていて(これが売り込みのポイント)、しかし日本で処理できず、ウランは生産地に送り返す=モンゴルは貧しく、核のゴミを引き受ける。原発の売込みで、日本は廃棄物を引き受けるとするのです(韓国、ロシアとの競争で)。モンゴルは世界13位のウラン産出、廃棄物の予算をモンゴル政府が付け(日本円で30億円、モンゴルにとってはビッグビジネス、フランスのアレバ社も関っている)、旧ソ連の掘っていた場所、今は中国が採掘権を持つ露天掘りウラン鉱山に埋める計画で、現地は24マイクロシーベルト/時間の放射能で、線量計が鳴り、小出先生の判断だと、通常は0.05マイクロ/時間、0.6以上は管理区域であり、20マイクロ以上は高線量、立ち入り禁止であり、ここに遊牧民がいるので、特殊な人が立ち入れないところにモンゴルの廃棄物処理場ウランバートルから離れ、少数民族のため反対運動が起こらない)を作ろうとしているのです。
日本も関係していると、毎日のスクープが出ているのです。このモンゴルのお話は、また別の回でやる予定です。 

 福島原発の現状
新聞、テレビのニュースで報じられなくなり、何となくマシになっていると世間は思っているが、これについて、一番の問題はメルトダウンした燃料、それも優秀なロボットがやると言うが、そんなものはない。ロボットを開発しないといけないのに、今はないのです。
東電のHPにロボットが出ているのに、日本は事故を想定せず、事故処理ロボットはなく、世界から日本は怒られているのです。他の国のロボットは、日本以外は開発してきたが、そんなロボットも今回の事故では役に立たないほど、福島事故は大変な事故なのです。アメリカもフランスもこんな事故を想定していなかったのです。
 
事故から2年になり、今の福島原発の現状、1~3号機運転中、炉心は融け落ちて、4号機は検査で止まっており、火力なら事故現場を見ることが出来るのに、原発ではだめ、事故を想定せず、測定器の配置もなく、通常運転時の測定器も次々壊れて、何がどうなっているか不明、ロボットも壊れて戻ってこない。人間が現場に行けないのが原発なのです。
日本はロボットの技術が高いのに、事故対策ロボットを作ると事故を想定される、さらに安全神話に電力会社もとらわれ、これに根拠なしなのです。
スリーマイル、チェルノブイリと来て、今回は4基の原発がやられ、人類史上最悪の事故なのです。
 水で今冷やしているが、トラブルが多い+汚染水のタンクだらけ(放射能の塊が目一杯)について、「やるしかない」、原発を動かすと核分裂生成物が出来て、発熱するのでとにかく冷やさないとダメ、冷やすしかない(泣)、大量の汚染水がたまり、しかし止められないのです。

 汚染水の処理は出来ず、使用済み燃料の処理も出来ない。汚染の正体は核分裂放射能で、これが融けたところに水をかけたら汚染される、放射能を消す技術はなく、どこかに残る
のです。放射性物質を別のものに変える研究は70年前からあり、出来る可能性はあるものの、実用化は70年経ってもできていない、これを小出先生はしたいが、70年間越えられない壁は大変なのです。

 原子炉はアメリカが原爆を作るために1942年に作り、いつか、誰かが何とかしてくれると思ってこの始末なのです(泣)。

 その後、去年11月27日の心斎橋でのイベントで行われた、沖縄の砂川恵理歌さんのライブ(一粒の種)の模様が放送されました。小出先生もこの歌に感銘を受けたと言われました。一粒の種が芽を出し、それがラジオフォーラムと司会者は願っています。この歌はネットで検索したらGETできます。

 今西さん、小出先生のところに何度も行かれて、足尾銅山事件の田中正造さんの銅像が小出先生のところにあり、それは最近小出先生がもらったもの、以前は写真を置いておられたのです。田中さん、銅山の事件で、2013年は没後100年になります。栃木でイベントが行われ、小出先生は去年の集会に行かれました。
 
小出先生にとって田中正造さん、1968年に大学に入り、公害問題の起きていた時期、それを勉強していたら、公害事件の原点、国家、企業の金儲けのために民衆が危機になり、そのとき孤立しても戦い抜く田中さんのこと、破格の人であり、小出先先生も絶望しかけるが、田中さんのことを思うと、あきらめないのです。
 
真の人間は山を荒らさず、人を殺めずと、戦争にも反対された人なのです。田中さん、国会議員で、日清、日露戦争にも反対されました。 小出先生に質問で、なぜ助教なのかについて、小出先生の個人的な性格、誰から命令するのも、命令されるのも嫌いで、組織を背負うのもイヤで、命令はイヤであり、小出先生は一人の人間、やりたいことをやるのが大切で、教授になりたいと「一度も思ったことはない」、今の地位が一番良いのです。
助教は最下層、教授、助教授も命令できるものの、誰も命令はない38年間であったのです。小出先生の所属した研究部門の特殊性であり、小出先生の請け負った放射線測定の特性で、誰も命令しない、小出先生はその職責を果たす(放射性廃棄物処理、ゴミの処理、土木、水処理の専門家のいるところで、放射能は専門でなく、小出先生が放射能の責任を持つ)ので命令しないのです。  

小出先生は来週以降、毎回お電話で出演されます。番組へのメッセージ、小出先生への質問もラジオアクセスフォーラムで受け付けています。
http://www.rafjp.org/ 来週はメディアが見えてくるをテーマに、東京から石井彰さんの司会で放送されます。