ペイフォワード環境情報教室〉 「2号機温度上昇・MOX燃料の3号機・4号機の展望」1/19小出裕章先生(文字起こし)

ペイフォワード環境情報教室〉 「2号機温度上昇・MOX燃料の3号機・4号機の展望」1/19小出裕章先生(文字起こし) 
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投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 1 月 20 日 14:50:00: igsppGRN/E9PQ

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【ペイフォワード環境情報教室】「2号機温度上昇・MOX燃料の3号機・4号機の展望」1/19小出裕章先生(文字起こし)
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2013-01-20(14:11) みんな楽しくHappy♡がいい♪


【ペイフォワード環境情報教室】2013年1月19日小出裕章先生


Sawada:
新年初めてという事ですけれども、
昨年末、福島第一の2号機の温度の上昇が報道されました、この2号機についての現状と今後の見通し、危険性についてお話しいただけますか?


小出:
はい。2号機の原子炉圧力容器のあちこちの温度が昨年の暮れに上昇データがあるのです。それが何故か?従来と同じように2号機の原子炉圧力容器の中には水が注入され続けていますので、もしその温度の上昇が正しいということであれば、これまでとは別の発熱源が生まれたと考えなければいけないと思います。
これまでの発熱源は炉心の中に溜まっていた放射性物質そのものですけれども、
それが増える事はありませんので、別の発熱源があるという事は、
原子炉が再び臨界状態になったという事以外にはあり得ないと思います。


ただし私自身は、原子炉が再び臨界になるという事は、
限りなく可能性が少ないと思ってきましたし、
今もそう思っています。


そうすると、温度計が上昇するという物理現象を「これだろう」と推定することができませんので、私としては、「多分、温度計の故障だ」と、今は思っています。
ただし、データの推移を注意深く見なければいけないという状態です。


Sawada:
ありがとうございます。
別な話で、3号機というのがもともとMOX燃料を使っているというところで、
1号機2号機と比べて、さらに注意が必要かというようなところはいかがでしょうか?


小出:
、3号機はモーレツな爆発を起こしたので、「核爆発ではないか?」という指摘をしている方もいらっしゃるわけで、3号機は1号機2号機と少し違う事故の経過をたどったという事は、多分そうだと思います。
ただし、MOX燃料というのはどういうものか?というと、
もともとはウランを燃料に使っていた燃料に、プルトニウムという物質を混ぜて燃料にしたというのがMOX燃料ですが、
プルトニウムはウランに比べれば大変危険性が高いものですから、
MOX燃料を使うという事はそれだけで危険性が増えているという事は確実です


しかし私はウランが核分裂して出来る核分裂生成物というものが、途方も無く危険なものだと思っていますので、その途方も無く危険なものの中にプルトニウムの危険が加わったとしても、被ばくという意味で大きな危険の増加にはなっていないというふうに思います。


ですからみなさんMOX燃料を使っていたという事で、たとえば、
プルトニウムが大量に噴き出してきたのではないか」というご心配をされているかもしれませんが、おそらく、「あまり関係ない」と私は思います。


ただ、事故の経過自身が1号機2号機3号機全て、少しずつ違っていますので、
3号機独自の危険あった、大きな爆発が起きたその意味がどういう事なのか?という事は今後検証しなければいけませんし、これからも3号機の事故の進展が1号機、2号機と違うという事はあり得ると思いますので、データをしっかりと見ていくという事が必要だと思います。


Sawada:
それに続きまして、4号機の今後ですね、数年かけてという中で、足場を組んでキャスクに入れてというような中で、取り出すのも難しい、また保管する受けての方も難しいというような話がありますけれども、これについて、今後どういう形をとっていけばいいのか?
先生の知見も含めアドバイスいただけるところはありますか?


小出:
4号機の使用済み燃料プールの中には、既に使用済みとなった燃料。
つまり「ウランが燃え尽きた」、それだけ大量の放射性物質が含まれているという燃料が、1331体沈んでいるのです、プールの底に。
その他に204体「まだ燃やしていない」という燃料がプールの底に沈んでいました。
そして東京電力は、まずは、燃やしていない新燃料というものを2体だけプールの底から引き出してみたという作業をしたのです。
それはもうすでに行われましたし、
「大きな危険を伴わずにとにかく取り出す事が出来た」ということになりました。


しかし、使用済みの燃料というものは、実は「吊りだせない」のです。
それをプールの水から空中に引き出してしまうと、
「周辺の人達がバタバタと死んでしまう」というほどの危険物ですので、
新燃料と同じように釣り出す事が出来ない。


どうするか?というと、
私たちがキャスクと呼ぶ鋼鉄と鉛でできた巨大な容器を先ずプールの底に沈め、その容器の中に使用済みの燃料をいれて、蓋をして、…そうしたことで初めて、水面につりだすことが出来るという、そういうものなのです。
ただ、キャスク自体は重さが100トンもあるという、そういう重量物ですので、簡単に吊り上げたり吊り降ろしたりという事ができない。
巨大なクレーンが必要だったりするわけですが、
すでに原子炉建屋は爆発してしまっていてボロボロになっているし、
クレーン自体も壊れてしまって「ない」んですね。


だからどうするか?と言えば
まずは、キャスクを吊り降ろしたり吊り上げたりできる、クレーンを設置しなければいけない。そのためには、クレーンを支えるためのしっかりとした建物を建てなければならないという、そういう事になっているんですね。
東京電力は今新しい建物を4号機の壊れた建屋の上にもう一度つくりなおして、
そこに巨大なクレーンを設置して、そしてキャスクを吊り上げたり吊り降ろしたり出来るようにして、それから作業を始めようとしている訳です。
でもその作業が始められるようになるまでに、今年の暮れまでかかると言っているわけです。

私はまぁ、そうだろうと思います。
大変な作業ですし、時間がかかるだろうと思います。
そして、実際できる事はそれしかないだろうと思いますので、
東京電力には一刻も早くその作業を早めてでもやって、
使用済み燃料を吊りだしを始めて欲しいと願います。


しかし、吊りだしが仮に始められたとしても、
1331体もある使用済み燃料をキャスクに入れながら、吊りあげて、
そして別の場所に持っていく。
まぁ、今東京電力は隣にある共用燃料プールという所に持っていこうとしている訳ですけれども、持っていく。・・・そしてまた次のキャスクを沈めて、そこにまた使用済みの燃料を入れて、吊りあげて、それをまた共用の燃料プールに移動するという事をやるわけですけれども、
もうすでに4号機の使用済み燃料プールの中にはがれきが崩れ落ちて散乱している訳ですね。

先ずはそのがれきも片付けなきゃいけないし、
崩れ落ちたがれきで使用済み燃料がすでに破損をしているかもしれない。
上手く吊り上げたり、キャスクに入れたりすることが出来ないかもしれない。という、そういう状態になっているという訳です

1331体もある使用済み燃料を、完璧に…外に出さなければいけないという、
大変に困難な作業だと私は思いますし、
そのためにまた、沢山の労働者が被爆をしていくだろうと思います。

「注意をしてやるしかない」ということです。


その上に、また1号機から3号機の使用済み燃料プールの中にもまだ、燃え尽きて使用済みになった燃料が沈んでいて、
「それらはどうやって釣りだせるかすらがまだ分からない」という状態で、
これから何年何十年という苦闘が、被ばく作業とともに続くという事になります。


Sawada:
大変厳しいお言葉で、希望が見いだせるタイミングではないんですけれども、
私たち国民の意識はだんだん遠のいている、やっぱりこれを持ち続けて、監視し続けてどうあるべきか?という事を考えてやっていくしかないと思うんですけど、
先生からリスナーのみなさんへ一言アドバイス、エールを頂けますか?


小出:
皆さんもう、福島の事故は終わったというふうに思っていられる方もいらっしゃるかもしれませんし、国にしても東京電力にしても積極的にそういう宣伝を流しているわけですね。
マスコミはもう取り上げないし、福島の人達がいまだに故郷を奪われて10万人を超える人々たちが流浪化しているという事実も伝えない。みなさんが忘れようとしているんですけれど、でもいまだに福島第一原発の敷地の中でも事故は続いていますし、その周辺にいた人々の苦難も未だに続いているわけで、
私は忘れて欲しくないし、これからも見まもって欲しいと思います。




――チョ~個人的にきーこが書き出しながら感じちゃったこと――


何度も何度もお聞きしている内容です
書くたびに思います
不可能だろうと ・・



原発
事故が無くてもコンクリートが崩れてくる頃
事故が無くてもなかの鉄骨がさびている頃
それがもっと、
事故で無残な姿になっていて、
なおかつ、これから先何十年もたたなければ、使用済み燃料棒も取り出せない。メルトダウンして溶けてしまったものなんか取り出せるはずもなく・・・・



私は、無事に1~4号機すべての燃料を取り出すことは不可能だと思います。
あと何十年もあの建物が無事に残っているとはどうしても思えません。



宙づりにしたらバタバタと人が死んでしまうような使用済み燃料棒が、
福島だけではなく、全国の原発にあるという事も忘れてはいけません。


コメントより・・・

. 2013年1月20日 17:49:21 : qon4Nnuetw

 2号機の温度上昇は 冷却水の 水の流れ道が 変わったということだね!!
 今までは 全体を冷やすように回ってたものが 単に 水を入れた所から
 出口に 直接的に流れるようになったということ

 ===

 その結果 冷やされていない メルトダウンの核燃料があって その部分が
 100度以上になった ということだな~~
 
 
02. 2013年1月20日 20:34:36 : eIYfOp3VMc
> 福島2号機の格納容器、水位わずか60センチ
内視鏡で確認 注入水の大半漏出か
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2602Y_W2A320C1MM8000/
 
03. 2013年1月20日 21:30:41 : mKNWMTNf9g
情けなく思いながらも、一国民にはフクシマがどんな状況でも、また、何が起きてもどうすることもできませんし、たぶん、作業員さんでも急変したら何もできないのではと思っています。

現在、個人や心あるNPOや企業が空間線量や食品や水道水のbqを発表してくれています。
今回の東京に降った雪から放射性ヨー素が検出され、再臨界の可能性を訴える声もありますが、近似核種によるものの可能性もあります。

せめて国家予算で、全核種について正直な数値をリアルタイムで発表し、国民各自がどうするかを判断する情報を提供して欲しいです。

 
04. 2013年1月21日 06:56:36 : ukeUhB3kBs
不用意に危険を煽らないということは必要だろう。小出氏もそういう方針なのだろう
と思う。が、再臨界については状況証拠はいくらもある。3号機のMOX燃料に
よるプルトニウムの飛散についてもそうだ。

政府・東電がきちんとした調査をしないことも状況証拠のひとつだろう。

政府の発表がなくとも推定をしなければ国民は生きていけない。再臨界なら食品・
水の汚染が問題になるし、原子炉の爆発による大汚染も考慮しなくてはならない。
また、プルトニウム239によって肺がんになることもさけなくてはならない。