友人の個展と夫の追悼集

 
中島さんは、大阪外大を出て、英語の教師をしていたのですが、
   その後、小さいときから好きだった.絵を教えたいと・・美術の先生に・・
     そして、いよいよ絵が認められ始め、今度は画家として学ぶために大阪芸大の大学院に・・
 
 彼の温かい人柄と印象派を思わせるような絵は、ファンも多く、なかなかの人気のようです。
          
私は、印象派のコローの絵が好きなのですが・・中島さんは、なんとコローと誕生日が一緒。
もしや・・コローの生まれ変わり?? 
印象派の絵のように光と陰をよく考えて描かれています。
 
私の家にある中島さんの絵です。                  ↓スミマセン蛍光灯が・・・><
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背景に描かれているのは、大津皇子が眠る二上山です。
夫はこの山の麓がふるさと、この山を見ながら育ちました。
東京の病院から、やっと奈良の県立病院に戻ってきて、どんなにふるさとの山を見たいと思ったことでしょう。
 
でも、病院は、死を早めるために、内緒でモルヒネを大量投与したため、夫は二上山を見ることもなく帰らぬ人となりました。
 
夫は穏やかで落ち着いた人でしたが、薬を変えられて、急に廃人のようになってしまいました。
「様子がおかしいので、薬を止めてください」と言っても「部長先生の指示ですから・・。」と聞き入れられず、看護師さんは逃げるように去り、薬の名前も教えてくれませんでした。
指示者の泌尿器科部長の三馬先生も逃げてばかり・・。
やはり後ろめたかったのでしょうね。
こうして夫は強引に薬を点滴され続け、人格も破壊され、8日目に亡くなりました。
 
後日、弁護士さんにお願いして一気にカルテ開示をしたところ、モルヒネだとわかったのですが、
最後まで医師たちは、「レペタンという痛み止めです」と、ウソを言い続けました
腎機能が悪く、モルヒネを使うと副作用で命が危うい状態になるので、先生には「モルヒネを使うときは相談してください」とお願いしていました。
・・にもかかわらず、ウソをついてまで・・死ぬとわかって使ったのです。
しかも、腎臓で解毒ができないモルヒネの毒は脳に達し、脳を冒し、脳炎のため廃人のようになってしまったのでした。
 
人の寿命まで、勝手に薬で早める・・こんな事が許されて良いはずありません。
看護日誌に「こんなことをしていいのだろうか?」という看護師さんの疑問の言葉があったのが
せめてもの救いでした。
 
 
辛い気持ちを慰めるために、夫の幼なじみの方の提案で追悼集を作りました。
夫の職場の方、ふるさとの同級生達がたくさん原稿を寄せてくださいました。
 
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中島さんの絵は、追悼集の表紙にも使わせて戴きました。
この二上山の見える風景は、夫が最後に見たかったふるさとの景色です。
 
寄せられた原稿とこの中島さんの絵を天国の夫の下に贈りました。
 
うつそみの人なるわれや 明日よりは 二上山を兄弟(いろせ)とわが見む
                                   (万葉集巻二 大伯皇女)
 
夫が亡くなってから、この歌も、身近に感じられるようになりました。
 大伯皇女のように、二上山に夫の在りし日の姿を重ねて眺めていたようです。
 
二上山の描かれた美しい風景の中島さんの絵は、こんな事情で・・私の心を慰めてくれたのです。
 
一年で最も爽やかで美しい5月は、夫が亡くなった月でもあります。
明日は・・中島さんに会って、思い出話もちょっとしてきたいと思います。
 
 
― 日本の風景を描く ―
 中島裕司(なかじま ひろし)油彩展
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会期:2014年5月14日(水)~5月20日(火)
     午前10時~午後8時 (最終日は午後5時まで)

会場:阪神梅田本店 9階 美術工芸サロン
     大阪市北区梅田1-13-13 ☎ 06-6345-1201

作家来場:会期中在廊(17日のみ14:00まで)


阪神百貨店では4年ぶりの個展となります。今回の作品もご覧になられた
方々が清々しく爽やかな気分になれるような、日本の風景画を多数出品
いたします。この機会にご高覧下さいますようお願い申し上げます。
中島裕司


プレゼント:作品をお買い上げの方には、月刊「一枚の繪」を一年間贈呈
さらに、画家との「記念写真」「サイン」をプレゼント


      【中島裕司 略歴】
大阪府に生まれる
大阪大学外語学部(旧課程)卒業
大阪芸術大学大学院後期博士課程修了・芸術博士(芸術制作)
1989年 大潮会展特選
1995年 コレ選展グランプリ賞( ’01, ’02, ’03 )
2000年 国際美術大賞展佳作賞
2002年 ル・サロン展入選(’04)
2003年 国際美術大賞展NSギャラリー賞
2007年 独立展入選
現在   日本美術家連盟会員 大阪芸術大学非常勤講師