知らなかったから「全く問題ない」んだって…

知らなかったから「全く問題ない」んだって…

ザル法で有名な)政治資金規正法では、
国から補助金や給付金などの交付が決まった法人は、交付決定の通知を受けた日から1年以内は政党(支部を含む)などに寄付することが禁じられている。政党側が、国からの補助金の交付決定を受けた法人と知りながら寄付を受けることも禁じている。違反した場合の罰則は、禁錮3年以下または罰金50万円以下。
…ということになってるところ、この規定は寄付を受ける政党側から見ると「故意犯」なので

「寄付金をもらってるとは知らなかった」と言えば、処罰できない…ということですねん

なので…
<望月環境相・上川法相>「補助金交付は知らなかった」(毎日新聞 2月27日)

◇政党支部への献金問題 衆院予算委で

望月義夫環境相上川陽子法相の政党支部が鈴与から献金を受けていた問題で、両氏は27日午前の衆院予算委員会で、「補助金の交付決定を受けていることは知らなかった」と述べ、違法性は無いとの認識を示した。民主党後藤祐一氏に対する答弁。

安倍晋三首相は「(国からの)補助金については(もらう側が)知っていたか知らなかったかが(違法の)要件だ」と述べ、補助金の交付決定を知らなければ問題はないとの認識を示した。
環境大臣法務大臣も口を揃えて「知らなかった」と言うてはりますねん

けど…

知らなかったから、それで一切の問題が生じないわけではなく

なぜ政治資金規正法でこういう規定が設けられているのか…と言えば

それは、「補助金」という税金が政治家に還流することを防ぐため…であるし

さらには、補助金受給に政治家が介入し、その謝礼が寄付の形で偽装されることを防ぐため…でもあるし

要するに、企業と(補助金支給への影響力を行使できる与党)政治家との癒着を防ぐ…という趣旨なので

「故意」でないからといっても、この規定が設けられた趣旨に照らして、

「少なくとも道義的な問題」が生じているのは明らかだと思うんです

(それを認識しているからこそ、この環境大臣補助金受領企業からの献金
速攻で「返金」してますしね)


それなのに…
 菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、望月義夫環境相上川陽子法相が国の補助金を受けた企業から政治献金を受け取っていた問題について、両閣僚から補助金交付企業とは知らなかったとの報告を受けたとした上で、「(政治資金規正法は)知っていて受け取ってはならないということであり、全く問題はない」との見解を示した。(時事通信 2月27日)
官房長官は「全く問題はない」って、言うてるんです

(って、この発言は非常に問題があるんとちゃう?)


ちなみに、この環境大臣の「後援会長」がこの補助金受領企業の相談役をしてますし

この企業の会長兼社長も「(望月氏とは)何十年もお付き合いして応援しており」という間柄なので

もう、なんというか、・・・の話なんですけど、

それでも「知らなかった」で済んでしまうんでしょうかね…?



※ちなみに、政治資金規正法では「国から」補助金や給付金などの交付を受けた企業による

1年以内の献金が禁止されてますねんけど、国から補助金を受けながら環境大臣献金をした企業は

環境省の事業を行っていた「一般社団法人」からも補助金の支給を受けてるんです

これについて環境大臣は、

環境省分については、国ではなく、一般社団法人が交付決定を行っていることから、
政治資金規正法で規定する『国からの交付決定を受けた補助金』には当たらず、
適正なものだと思っている」

と言うてはるんですけど、当該政治資金規正法の規定の趣旨は

「税金が原資となっている補助金交付金」が政治家に還流することを防ぐ…というものなので

補助金交付金の支給主体が国か否か」という「形式的解釈」で

この規制をかわせると考えるのは、誠に問題であると思います

(って、結局、問題アリアリやんけ!)