派遣法改正、傍聴 「何ひとつ答えていない」政府答弁に非正規労働者の怒り
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派遣法改正、傍聴 「何ひとつ答えていない」政府答弁に非正規労働者の怒り
派遣労働者は一生派遣のまま。正規労働者も安価な派遣に切り換えられる―
厚労委員会の傍聴席は立ち見席も傍聴者で一杯になった。非正規労働者や支援者たちだ。
安保法制同様、無理に無理を重ねているために政府側の答弁は意味がわからない。
野党議員が質問した。井坂信彦議員(維新)だ。井坂議員は維新にあって派遣労働の実態に沿った追及をしている。維新には珍しい常識人だ。
Aさんは「机上の空論」と吐き捨てた。「企業は安い派遣労働者をとっかえひっかえ して使い続けたいだけだ」。
井坂議員が追及を続けると塩崎大臣の答弁はさらに現実離れしてきた。
野党議員のヤジが飛んだ。「当事者は笑ってますよ。現実を知らなさ過ぎるって」。
Aさんは「労働局に相談して済むんだったら、自分は『雇止め裁判』なんて起こしていない。ハローワークということは『次の仕事を探せ』と言うことじゃないか」と顔を真っ赤にした。
「(政府は)結局、何ひとつ答えていなかった」。Aさんは当然のように受け止めていた様子だった。
読者諸氏も衆院のインターネットTVで確認されるといい。かりに塩崎ファンであったとしても、答弁は理屈になっていないことが分かる。
井坂議員が締めくくった―
「大臣の子供や孫が派遣労働者だったらどうするか? 真剣な想像力を持って我々は法改正を行わなければならない」。
「大臣の子供や孫が派遣労働者だったらどうするか? 真剣な想像力を持って我々は法改正を行わなければならない」。
早ければ17日にも採決が強行される可能性が出てきた。
「派遣労働者の声を聴け」。怒気を含んだAさんの声が、委員会室にひと際大きく響いた。
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改正案では人(個人)を変えれば派遣は無期限に使える。
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改正案では人(個人)を変えれば派遣は無期限に使える。
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『田中龍作ジャーナル』は読者が支えるメディアです。取材制作にはコストがかかっています。
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