戦争法・9条解体最優先<本澤二郎の「日本の風景」(2025)

戦争法・9条解体最優先<本澤二郎の「日本の風景」(2025)

<9月までの大幅延長国会で強行>
 徹底審議というアリバイ工作が、自公の戦争法強行作戦である。なんと9月までの大幅会期延長である。自民党総裁任期ともからむ。後継者らの「戦争法を安倍退陣の花道に」との思惑も見える。なんとしても戦争法を決着させて、ワシントン公約実現と秘密結社・日本会議の野望を実現しようという、その覚悟も見えてくる。日本国民は、あげて街頭に出る機会が増える。「安倍ぶっ潰せの合唱」が天地を揺るがすことになれば、日本の将来は明るい。
 

<韓国に少しだけ譲歩した自公内閣>
 大事の前には、多少の譲歩は仕方ない、そんな昨日6月21日の日韓外相会談だった。本日、双方の大使館主催の50周年レセプションにトップも出席するのだという。
 ワシントンの水面下の圧力が功を奏した。
 だからといって、なにか具体的成果が決定したわけではない。公表できない。安倍政権の背後の極右・日本会議への説得もあろう。侵略や従軍慰安婦を拒否する安倍である。おいそれと妥協は出来ない。
<一歩後退2歩前進の官邸戦略>
 ともあれ、ここはワシントンの顔を立てて一歩後退である。日韓の軋轢も弱める必要もある。双方とも支持率が落下している。経済も厳しい。戦いに当たっては、一歩後退も戦術のうちであろう。そんな日韓関係である。
 次は2歩前進すればいい。日本会議の野望の前進である。それは安倍の「戦後レジームからの脱却」だ。
<恐怖!日本会議の意思を自民党の公式な意思へ格上げ>
 安倍は、一番信頼できる自民党の稲田政調会長を操って、自民党の組織として、戦後レジームを脱却させる活動を開始させた。
 そのための正式機関を立ち上げる。なんともすさまじい。国連を冒涜するだけではない。戦勝国の5大国への挑戦なのだ。歴史の反省などない。
 ワシントンへの敵対行動である。「自衛隊を差し出すのだから、アメリカはじっとしてもらいたい」が安倍の本心であろうが、果たしてどうなるのか。東京のCIAがどう出るか?
自民党占領政策憲法制定・東京裁判にメス>
 ともかく国粋主義のやることがすごい。露骨なのだ。分かりやすいのはいいが、これは世界を敵に回そうというのである。カルト・狂気としかいいようがない。戦争法もしかりだが。
 アジア解放戦争・自衛戦争靖国派の立場である。この一線を死守する日本会議なのだ。
 アメリカの占領政策にメスをいれる、が新組織の使命だ。「日本国憲法は数人の専門家がたかだか1週間でつくった作文」と、嘘を垂れ流す安倍である。堂々と国会で発言している。関係者は皆亡くなっていない。死人に口はない、嘘も100回いえば真実になる。無知な18歳はそれを信じてくれる、という発想が、安倍にはあるようだ。
 祖父も戦争責任者である。巣鴨プリズンに拘留された。政治工作で運よく外の空気を吸うと、一転してワシントンの奴隷になって、60年安保を強行した祖父である。この屈辱に耐えた奴隷爺さんに「私はならない」という決意のほども、筆者の目には見えてくるようだ。
 アメリカの黒人大統領を小馬鹿にしている。国粋主義者の特徴であろう。憲法制定過程にメスを入れる、東京裁判にも、という安倍が、とうとう怖いもの知らずの、忠実な側近女性に指示して、戦後レジームを解体してやる、というのである。
<先祖がえりに執着する極右・日本会議
 かつて国家主義者の中曽根康弘について、リベラルな宏池会ブレーンの安田さんが「中曽根は戦前の郷愁に浸っている」と語ってくれた。宏池会と中曽根派は、思想的には水と油だ。しかし、政権獲得の場面で手を握ることがある。そこで彼は、酔った中曽根から本心を聞き出し、それを教えてくれたものだ。
 中曽根は海軍主計中尉、岸信介は東條内閣商工大臣である。天皇崇拝者でもあった。彼らの思いを安倍も共有、無知な側近にも信じ込ませたのだろうか。
<全女性よ、戦争法阻止に決起せよ!>
 戦争ほど怖いものはない。戦争ほど残虐なものはない、悲惨なことはない。このことについて女性は敏感である。孫のことや子供のことをいつも心配している。
 93歳の瀬戸内さんも国会デモに参加してマイクを握った。越谷の遠藤弁護士は亡くなる寸前まで、やくざに殺害された木更津の戦争遺児も、女性として戦争を憎んでいた。全ての女性が戦争を反対している。
 戦争で殺され、レイプされるのは、決まって女性である。南京や盧溝橋を案内して、そこで立ちすくんで泣いた仲間は、みな女性だった。この場で戦争遺児は「南京大屠殺」という表現に腰を抜かした。
 虫けらのように殺される女子供である。女性の最大の敵は、個人的にはレイプ犯、全体的には戦争である。
 その日本女性が遂に決起した。覚醒したのである。信濃町の女性らも決起するだろう。女性の力で国家・国粋主義の野望を粉砕する、いまがその時である。
2015年6月22日記(日本記者クラブ会員・武漢大学客員教授
http://www.asyura2.com/15/senkyo187/msg/195.html
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52108319.html