戦争法案委員会可決から、安倍晋三の支持率低下へ(兵頭正俊ブログ)より

戦争法案委員会可決から、安倍晋三の支持率低下へ


現在の戦争に向かう状況は、けっして利口者によっては作られていない。愚か者たちによって作られている。その愚か者の代表が安倍晋三である。
そして政権を与えた国民も愚かな国民である。このことは、いっておく必要がある。
この愚かさを引き出したのが、民主党であり、そのなかの野田佳彦である。この男さえ、もっと普通の常識ある政治家であったなら、あの自爆解散はなかっただろう。今日の惨状もなかっただろう。
今は政治が劣化しており、市井の賢人たちの方が、遙かに的確で賢い判断を下している。たとえば美輪明宏だ。青木理のインタビューでの、三輪の発言は、政治家と国民の心底になければならない哲学そのものだ。
美輪明宏は語っている。
(人間は)失敗を繰り返してばかりいる。安倍さんや、石破(茂)さんや、麻生(太郎)さんにしても、みなさん、言い出しっぺの責任を取っていただいて、徴兵制になるならば、まずご自分が、年齢に関係なく、鉄砲を担いで、鉄兜をかぶって、まず第一線に出ていただく。それから、お子さんも、孫も、きょうだいも、それから娘さんのボーイフレンドも、全部一緒に連れ立って第一線に、最初に出ていただく。もちろん一兵卒でね」
これなどは、多くの国民共通の思いであろう。
安倍政権ら1%は、戦争で儲けたい。しかし、そんなことをいっては99%が戦争をしてくれない。それで中国・北朝鮮の脅威の物語を作る。
安倍が、ない知恵を絞って国防を語るのは、どうしても国家という共同の観念のもとに99%を戦争に差し向けなければならないからだ。
簡単にいってしまえば、死ぬのは99%、儲けるのは1%というのが、戦争の本質なのである。
国家とは、無国籍の1%の実利、99%の国家幻想(民族幻想)の上に成り立っている。したがって、1%のように99%も国家幻想を捨てる必要がある。


しかし、自分たちのように99%に国家幻想を捨てられたら困る(戦争ビジネスができなくなる)ので、1%は法で99%を縛る。

この国の1%は無国籍の株主になり、グローバリストに深化した。99%は、食べるのに必死の貧困層で占められ、経済徴兵制の対象におとしめられている
その結果は、軍事力を安売りして宗主国に差し出し(集団的自衛権)、労働力も安売りして宗主国に差し出すこと(労働者派遣法改悪)になった。
このまま行けば、1%の虚構(国家幻想)のために、99%が死なねばならなくなっているのが、現在のわが国の状況である。

現在、米国は世界の警察の役割を、極東のおばか政権にやらせようとしている
現在の「新帝国循環」を、日本に適用して捉えると、次のような内容になる。
1 増税、日銀の金融緩和、株高、円安(円弱)・ドル高(ドル強・ドル防衛)を、宗主国が植民地に実施させる。実質的な日本破壊をやらせる。
2 植民地日本による米国債購入の金で、破壊された「日本買い」を実施する。(倒産した日本企業の買収、日本企業の株主として日本企業を支配、日本の不動産の購入など)
3 日本収奪の帝国循環を永続化するために、知識階級から批判と反抗の芽を摘む。そのため大学から文系を廃止し、帝国循環に仕える理系の日本に教育改革する。真の知識階級は宗主国だけでいいのである。
4 現在の「新帝国循環」は、植民地傭兵による、宗主国防衛にまで深化してきた。要するに、「金だけでなく、人まで出せ」である。
米国の肩替わりといえば、威張るおばかがいるので、より正確に宗主国防衛といっておく。これが、現在の日本の状況である。

もう少し美輪明宏の発言を聞いてみよう。

「私は笑ってますね。学習能力がないということでしょう。第二次大戦と同じ。歴史に学んでいないんです。日本は、実は戦争ができない国、不可能な国です。大正10(1921)年に暗殺された原敬が言っていたように、日本には何の資源もない。石油も鉄もニッケルも、何も採れない。食料自給率もいまや40%を切って、ほとんど輸入に頼っている」
とにかく知力が足りないんです。あるのはやまいだれの方の『痴力』。それと情念。それだけ
「そんなに甘く考えたら大間違いですよ。だって、アメリカ国債を世界で一番持っているのは日本だったけれど、それが追い抜かれちゃって、中国が世界一になった。最近、中国がちょっと景気減速して日本がまた抜き返したけれど、それでも中国はアメリカ国債を大量に保有しています。アメリカ経済をガタガタにしようと思ったらできる。なのになんでアメリカが日本だけの味方をしてくれます? 甘いですよ」

もうひとつ、日本は(戦争を不可能にする)抑止力を自分たちで作っちゃったんです。原発です。日本の沿岸をなぞるように50数カ所も原発を作っちゃった。今は特攻隊の時代じゃない。ミサイルや無人爆撃機の時代です。原発を狙われたら一巻の終わり

それから、それに賛成している選挙民の人たちも、ご自分が支持して選んだんだから、選挙民もまず一家を挙げて、どうぞ出征してくださいって。男の方たちは、ご自分が殺し、殺されにいきたいんでしょ。どうぞ、いらしてください。それだけですよ

「国民は経済問題ばかりに目を奪われてはいけません。実はその裏に日本の将来を揺るがしかねない重要な争点が隠されているのです。それは、『集団的自衛権』行使の問題です。(略)きっと首相は、国会で自分の都合よく安保関連法案を通すためには、この時期に選挙をしておくのが最も良いタイミングと判断したのでしょう。
(略)
ここで再び衆議院で安定多数の議席を確保しておけば、「国民からの信任を得た」と、任期の向こう4年間、首相はやりたい放題好き勝手に、きな臭い「積極的平和主義」とやらを進められると踏んだに違いありません。
(略)
いつの時代も犠牲を強いられるのは、弱い立場の人間なのです。こういう世の中で果たしていいのでしょうか。そういう流れを止めるのも、有権者みなさんの大切な1票に他なりません。よくお考えになり、投票所に足をお運び下さい。日本の未来を良くするも悪くするもあなたの責任なのですから


せめて政治家の半分でもいいから、これほどの世界認識、洞察力があったら、戦争は起こらないのである。
状況には、美輪明宏もいっているように国民の責任がある。これは、戦争が終わってからではなく、戦争の前から指摘し続けねばならない。そうすると、変わる人が必ずいるのである。不安には思っているが、テレビが政権を批判しないので、覚醒できない人も大勢いるのだ。
現在の政治家の多くは、保身と金もうけに生きているのにすぎない
2015年7月14日、野党のなかで唯一、維新の党は、自公との修正協議に臨んだ。トロイの維新の対案をのませる協議ではない。政府案の修正協議であることに注意する必要がある。
これで、トロイの維新は、最終局面で野党との修正協議までやったという、強行採決の口実を与党に与えてしまった。
維新は、とにかくみっともなかった。対案の政党と威張って、与党に擦り寄ったところ、「維新の対案を否決させて、政府案を可決させる」戦略が見破られてしまった。あわてて、今度は採決も欠席すると変節する。ドタバタ劇は、政治的な未熟さだけを、印象づけた。