「反面教師と下品社会」内山 節氏(哲学者) 東京新聞『時代を読む』より
「反面教師と下品社会」内山 節氏(哲学者) 東京新聞『時代を読む』より
(趣味人倶楽部より転載)
東京新聞が日曜に掲載する「時代を読む」欄を愛読している。執筆者は内山 節氏(哲学者)である。本日は「反面教師と下品社会」の題で寄稿。内容に全幅の賛同を覚えたので要約をお伝えしたい。
戦後の日本の平和主義は単なる戦争の放棄ではなく、あらゆる知恵を使って戦争のない世界をつくっていこうという理念もあわせて持っていた。その先頭に日本が立とうとする決意があってこその平和主義であった。
ところが戦後の政治家たちは、アメリカに基地を提供し、アメリカの軍事力によって日本を守ろうとしてきた。そして、現在、かつてのような力を維持しえなくなったアメリカを補充するかたちで、「戦う日本」をつくろうとする動きが始まっている。それは日本をくだらない三流国にしようとする策動だといってよい。
戦後の日本の平和主義は単なる戦争の放棄ではなく、あらゆる知恵を使って戦争のない世界をつくっていこうという理念もあわせて持っていた。その先頭に日本が立とうとする決意があってこその平和主義であった。
ところが戦後の政治家たちは、アメリカに基地を提供し、アメリカの軍事力によって日本を守ろうとしてきた。そして、現在、かつてのような力を維持しえなくなったアメリカを補充するかたちで、「戦う日本」をつくろうとする動きが始まっている。それは日本をくだらない三流国にしようとする策動だといってよい。
軍事力の前にひれ伏す国は出てきても、尊敬される国にはなれない。押さえ込まれた人々の恨みを買い、テロの標的にされることもある。
安保関連法案が先週衆院で強行採決されたが、安倍政権が意図した方向とは逆に、国民に対し戦後の平和主義の意義を再確認させ、若者を含む多くの人に「戦う日本」の危険性と愚かしさを認識させた。