いかなる理由であれ、国が「戦争への参加を個人に強制すること」は許されない

戦争法案関連…たとえ自衛戦争でも強制できないと思う

世の中、あんまり馬鹿馬鹿しい話にはいちいち反応するのも大人げない…というか、

他に書きたいこともたくさんあるし…ということで、

最近は「誰が考えてもこんなんアウトやろ…」というコトはもう無視してたんですけど

自民党という政党が21世紀の世界とは相容れない(…ってことは、21世紀の日本でも相容れない)ということを

再認識して頂くために、ある「困ったちゃん」のことを取り上げたいと思います


ではまず、その「困ったちゃん」のtweetから…

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ぼくは国会議員の立場でこういう発言ができる…ということが、非常に残念…を通り越して呆れた話なんですが

この人(をはじめとして自民党の政治家)たちは、どない考えても「戦後教育」を敵視してますわね


「戦後教育」っていうのは、「教え子を再び戦場に送らない」ということから出発したもんで

それは平和憲法の精神と合致するものであったんです

だから、戦後教育が気に入らん…というてる人って、要するに「平和憲法が気に入らん」というてるのと一緒で

さすがは自民党の国会議員、「平和憲法敵視」ですね…ということですわ


しかし、「教え子を戦場に送ってしまった反省」から始まった戦後の教育が

利己的個人主義(→利己主義のことか?)を蔓延させた…というのは単なる言いがかり…というか作り話に過ぎません

(それにしても自民党は、「ない話をつくる」のが得意やな…
 それに加えて、「あったことをなかったことにする」のも得意やけどね…)


そもそも「個人主義」には「利己的」というコトとはまったく関係のない概念で

「人は『個人として』尊重されるんだ」(=国家の構成員として、その限りで尊重されるんじゃないんだ)

…ということを高らかに宣言するものです


だから「個人主義」には否定的な意味合いはないのに、

この「困ったちゃん」は「利己的」という否定的な修飾語を個人主義とくっつけて

個人主義自体に否定的な意味合いを持たせようとしてるんですが、これは単なる言葉詐欺です

自民党って、言葉詐欺もうまいのよね…だって「戦争法案」を「平和安全法制」って言うてるし…)


この短い文章の内容は支離滅裂で、いったいどこからツッコんでええのか、わからんほどですけど

なんとか整理してみますと…

・「戦争に行きたくない」というのは「利己的だ」

・利己主義を蔓延させたのは戦後教育のせいだ

…と主張したいんだと思います


で、後者は単なる「作り話」でウソ…ということでお終いなんですが

前者はどないか…と考えてみると、「戦争に行きたくない」のがもし利己的(≒わがまま)なら

戦争に行くことは義務だろ…と、この「困ったちゃん」は言うてることになると思います


では、ホントに「戦争に行くことは市民の義務」なんでしょうか…

この点、戦争を侵略戦争自衛戦争に分けて、

前者への参加は義務じゃないけど後者への参加は義務といえるだろ…なんてことを考える人もいるかも知れません


けれども、戦争への参加はどないしたって「市民の義務」(個人の義務)にはならないとぼくは考えてるんです

つまり、いかなる理由であれ、国が「戦争への参加を個人に強制すること」は許されないと思ってるんです

(これはたとえ自衛戦争であってもおなじです)


自分の命を守ることは、どこまでいっても個人の権利です

そして、自分の命を守ることを超えて「国を守ること」を強制される理由はない…

ぼくはそない考えてるんです

だからたとえ自衛戦争であったとしても、戦争に参加するかどうかは

「国が決める」んじゃなくて「個人が決める」もんで

その選択に対して他者から「利己的だ」と言われる筋合いはない、ましてや

国から「非国民」なんてコトを言われる筋合いもない…と思います


さらに、日本がいったいいつ「自衛戦争」をしたのか…という現実的歴史的事実を鑑みれば

自衛戦争なら…」という前提それ自体が怪しい話で、このような分類をすること自体が

ぼくにはまやかしのように感じられます


…と、なんだか話がずいぶん横路にそれてしまったので

ここでまた「困ったちゃん」の話に戻りますと、なんとこの「困ったちゃん」は

戦後教育(≒憲法の平和主義)のみならず、日本国憲法の三大原則にまでイチャモンをつけてた…という

あ然とする話がこれです↓

尾木ママ “辞職勧告”「国会議員 即刻おやめいただきたい!」(デイリースポーツ 8月5日)

 自民党の武藤貴也衆院議員が反戦デモを行った学生集団に対し「だって戦争に行きたくないじゃん、という自分中心、極端な利己的考え」というツイートを「撤回する考えはない」と発言した問題で、教育評論家の尾木直樹氏が5日、ブログで「だったら国会議員 即刻お辞めいただきたい!!」と“辞職勧告”した。

 武藤議員が日本憲法の三大原則についても「三つとも日本精神をはかいするものであり、大きな問題を孕んだ思想」とも書き込んでいた。それだけに尾木氏も怒り心頭。「憲法3原則 全て完全否定敵視する若手の国会議員がいるとは?!」と激しく批判した。

 さらに「・憲法守るのは国会議員の責務です…守る意思ない人は国会議員になってはいけないこと憲法で書かれています」「・学校現場ではこの憲法の3原則は必ず教えます。高校入試なんかの基礎知識です」と反論した。

 また教育評論家らしく「これ否定敵視されたのでは教育の大前提崩れる」と子供たちへの影響を危惧していた。

日本国憲法の三大原則とは「人権・民主・平和」…すなわち

基本的人権の尊重(→「個人主義の原則」を含む)

・民主主義

・平和主義

…であるところ、この3つの原則は戦前の大日本帝国憲法にはなかったもんです

(戦前の憲法には人権規定がありましたが、「法律の範囲内で」という大きな限界があったので、
 これは憲法規定としての効力を自ら否定するものでした)


とすると、この「困ったちゃん」は、かかる三原則が「日本精神」を破壊するもの…ってことは

「日本精神」には「人権・民主・平和」なんかないんじゃ!…ということを強く訴えてはるんです

(まぁ、それはこの人だけじゃなくて、自民党全体もそない考えてはりますけどね…)


この国で、市民の3割が漫然と?支持してる自由民主党という政党は

「人権・民主・平和」なんか日本精神とちゃう…と言うてるんです

自民党って、そういう政党なんです

それでもまだ支持するんですか?

あなたの「人権」も国の「平和」も軽視する政党を支持し続けるんですか


これは「野党がだらしないから」…とか、そういうレベルの話と違うんです

「人権・民主・平和」は21世紀の世界が共有すべき価値観やないですか

その普遍的価値観を敵視軽視する政党を支持し続けたから、

明らかに憲法違反の法案まで国会に出てきてるんやないですか

(ぼくは、自民党公明党を漫然と?支持してる人たちはもう、
 後から「騙された」なんて言う資格はないと思てます)



では最後に、「この顔にピンと来たら110番」…の意味で、

「困ったちゃん」の写真も貼っときますので、みなさん、よ~く覚えておいて下さいませ↓

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