戦争法案関連…これは「言葉の盗用」である

戦争法案関連…これは「言葉の盗用」である

ぼくは日本語のネイティブスピーカーであるので、日本語がわかるつもりでいてるんですが

自民党とか公明党の政治家の話す日本語を聞いてると

あの人たちは果たして、ぼくと共通の言語(=日本語)でしゃべってるのか…と、最近、真剣に疑ってますねん

(つまり、ぼくの話す日本語と、あの人たちの話す日本語がおなじ言語とは思えないほどに
 言葉の意味がかけ離れたものになってる…と感じてるんです)


例えば、「平和」という言葉を聞けば、それは「少なくとも戦争でない状態」であるとぼくは理解するんですけど

自民党などは、わざわざこちらから戦争(武力衝突)の場に出かけていく法案(=戦争法)のことを

「平和安全法制」と言うてるんですから、これだけ「平和」という言葉の意味が離れてしまうと

「平和」という言葉を使ってお互いの意思の疎通を図ることはできなんじゃないか…とさえ思います

(そんな人たちと「論戦」しないといけない野党の議員は、ホントに気の毒です…)


さらに安倍は「積極的平和主義」という造語をつくってもいるところ

こういう言葉を聞くと、なんだか「平和主義をいっそう積極的に進める」という意味なのかな…と

素直なぼくは一瞬考えたりするんですが、これもやっぱり

安倍の意図する意味とぼくの認識は大きく異なってて、安倍の言う「積極的平和主義」とは

「武力による平和(≒戦争による平和)の実現」という、なんとも矛盾した概念なんだそうです


また、この「積極的平和主義」という安倍の造語は、そもそも言葉の盗用とも言えるもので

これは明らかにノルウェーの平和学者が提唱した「積極的平和」のパクリです↓

積極的平和の提唱者、来日へ 「9条守ると主張を」(朝日:2015年8月19日)

 新たな安全保障法制の成立をめざす安倍晋三首相が掲げるのは、「積極的平和主義」。しかし、この言葉を提唱したノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士が定義する意味とは異なる。博士は19日に来日し、「本当の平和とは何か」を語りかける。

 ガルトゥング博士は1969年の論文で、戦争のない状態を「消極的平和」としたのに対して、貧困や差別といった構造的な暴力のない状態を「積極的平和」と定義した。~

ガルトゥング博士は「戦争がないという消極的平和」で満足するのではなく

「差別や貧困など人々を脅かす構造的暴力のない積極的平和」を実現すべき…という趣旨で

「消極的平和」とともに「積極的平和」という概念を考え出したはずです

そして、ガルトゥング博士は「積極的平和」を目指すことを「積極的平和主義」とは言わなかったけれども

もし「積極的平和主義」という言葉をつくるのであれば、そういう意味として用いないと

もともとの「積極的平和」という概念からかけ離れた言葉になってしまいます


だから、ガルトゥング博士も、安倍の造語である「積極的平和主義」の内容を聞かされると、
「私が1958年に考えだした「積極的平和(ポジティブピース)」の盗用で、本来の意味とは真逆だ

…と答えてはるんです

(ここでも、安倍の意図する意味はもともとの言葉の概念と真逆になってます)


人の考えた言葉を勝手にパクるだけでも、そらアカンやろ…と思うところ、

言葉をパクっておきながら、その概念を反転させて真逆の意味で用いる…というのは

もう、言葉の「窃盗+詐欺」みたいな話で、そんなん犯罪にしてもええくらいだ…とぼくは思います





※そして、ここにも「言葉の詐欺犯」が一人…
専守防衛は不変=「徴兵制あり得ない」-菅長官(時事:2015/08/22)

 菅義偉官房長官は22日、青森県弘前市で講演し、安全保障関連法案について「非常に誤解されている。わが国の平和国家としての歩み、非核三原則専守防衛、こうした基本方針は全く変わっていない」と述べ、理解を求めた。
 さらに菅長官は、「戦争法案だとか徴兵制復活だとか、全くありもしないことだ。そうしたことが一部野党やマスコミから宣伝されているが、日本の自衛のためであり、他国のために一緒に戦争するものではない」と説明した。
 菅長官は緊張が高まる朝鮮半島情勢にも触れ、「北朝鮮は今年何回もミサイル実験をし、核開発も進んでいる。今は韓国との間でこの数日間、緊迫状況が続いている」と述べ、関連法案成立の必要性を訴えた。

集団的自衛権とは、他国防衛、すなわち、他国を守るために武力行使する…というもんであるところ

それを「日本の自衛のため」という個別的自衛権の根拠で説明するのは

やっぱり「言葉の詐欺犯」ということでよろしいかと思います


また、「北朝鮮が~」というのは、日本の個別的自衛権の話であるし

朝鮮半島有事が~」というのは、北朝鮮が日本を攻撃しないでも

日本(にいる米軍)が北朝鮮に攻撃を加えるので、これは個別的自衛権でさえなく

「第二次朝鮮戦争自動参戦の話」になってますので、やっぱり集団的自衛権の出る幕はありません

(まぁ、もともと集団的自衛権憲法で禁止されてるので、出る幕はないんですけどね…)




※仮に、朝鮮半島北朝鮮と韓国が軍事衝突したとしても、

北朝鮮と韓国との戦い」であれば、日本の自衛権発動の理由(=武力行使の根拠)はありません

ところが、日本には米軍基地があるところ、アメリカは朝鮮半島有事の際には「韓米同盟」に従って

北朝鮮が日本に攻撃を加えなくとも」在日米軍基地から北朝鮮に向けて出撃しますので

そないなると、これは北朝鮮から見て「日本の参戦」と同じことです


つまり、在日米軍基地は朝鮮半島有事をはじめとするアメリカの戦争への

日本の「自動参戦装置」になってる…ということです

(だから、米軍基地なんか置いてちゃダメなのよ…)