すべてはあのウソから始まったんだから、驚くことでもないかも知れない

すべてはあのウソから始まったんだから、驚くことでもないかも知れない

五輪エンブレムの採用が撤回されましたね

ぼく、(あの「化石クラブ」のような)組織委員会がこのまま突っ走るかも…と思ってましたけど、

ここまでいろいろ出てきたら、さすがにそれは無理…だったようです


現在の日本の「愛国メディア状況」を考えると、もしネットがなかったら、

五輪エンブレムをはじめとする数々の類似デザインの存在がこれほど広く認知されることはなかったでしょう

だから今回の出来事は、インターネットの力がとっても大きかったと思います


今回のエンブレム撤回の決め手になったのは、

エンブレムをデザインした佐野研二郎氏が審査の応募資料として提出した画像について、

「インターネット上に掲載されていたものを無断で使用したという指摘が出てから」

佐野氏がそれを認めた…ことにあったようです

これをほとんどのメディアは「画像の転用」と表現していますが、あのNHKでさえ、

「資料を作成する際に、~事前に権利者の承諾を得たりすることは、
 どこのデザイン事務所でも当たり前にやっていることだ。~
 ずさんなやり方というしかなく著作権侵害に当たるだろう

との専門家のコメントをニュースで紹介してましたので、

これは「転用」ではなく「盗用」と言うべきでありましょう

(ちなみに、佐野氏が用いた他人の一部画像にはちゃんと「copyright」という著作権の明示があったのに
 資料ではそれが消えていましたので、これは佐野氏が意図して消した…と思われます)


ちなみに、サントリーの景品でのデザイン盗用は「スタッフがトレースしたもの」として

自らの関与を否定していた佐野氏でしたが、五輪エンブレムは「個人(の資格)で応募」したものでしたので

今回の疑惑については、自らの責任を回避することはできなかったようです


そもそも、後から聞かされた今回のエンブレムの選考過程にはいろんな疑問がありました

その第一は、応募作品が「たったの104点」だったこと…です

(なぜ応募作品がこれほど少ないのか、不思議やないですか?)

そして、第二の疑問点は、佐野氏の(元々の)応募作品が既存デザインと酷似していた…

にもかかわらず、その時点で他のデザインを採用しようとせずに、わざわざ似ないように修正をさせたこと…です

(でも、似ないように修正した結果、また他のデザインに似てしまった…というのは、
 なんとも言いようがありません…)

また、選考過程ではありませんが、デザインの類似性が指摘された後に佐野氏が記者会見で「(デザインは)全く似ていない」と言ったこともぼくには驚きでした

(主観的に盗用の意図がない…という主張と、客観的にデザインが似ているか否かはまったく別問題であるところ
 素人目で見て、あれほど似ているデザインを「全く似ていない」と言うのは、ぼくには納得できません)


佐野氏はその際、「日本人としての誇りを持って作った」…とも言うてはったんですけども

「日本人の誇りをもってデザインした」という主観的問題と

「デザインが似ているか否かという客観的問題」は、これまた、まったく関係のない話
ですので

ぼくには、佐野氏の言うてること(訴えたいこと)が、いちいちよくわかりませんでした

(なんか「日本人の誇り」という言葉を使ったら、
 どこかの誰かにアピールできる…とでも思ったんでしょうかね)



振り返れば、2020年東京オリンピックは、あの「コントロールとブロック」…

「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」
「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」

…との安倍の(ウソの)招致演説から始まった話でした

物事の始まりがいい加減だったんだから、

新国立競技場も五輪エンブレムも、そして、オリンピック組織委員会もいい加減…になるのは仕方がないのかも知れません






※今回のエンブレム撤回に関して、つまらない話を少々…


その1

エンブレム撤回の記者会見に佐野氏は姿を現しませんでしたが

そこで記者会見をしたのは、武藤敏郎オリンピック組織委員会事務総長でありました

その話をぼくはほんの数分聞いておりましたが、焦点をぼかした話に終始し

何を言ってるのかさっぱりわかりませんでした

(さすがは、元財務官僚、人が聞きたいことをはぐらかす話術には長けてはります…)

また、佐野氏やその家族に誹謗中傷があることに言及して、

そのために佐野氏がデザインの取下げを申し出たかのような解説までしてはりましたけども,  それは「話のすり替え」でっせ、武藤はん…


武藤氏は元財務事務次官で、総裁含みで日銀副総裁に送り込まれたものの、参院で同意が得られず

副総裁のまま退任、その後は「株式会社大和総研理事長」「学校法人開成学園学園長」

「学校法人開成学園理事長」「東京大学先端科学技術研究センター客員教授」…と

天下り人生を謳歌されております

そこまでええ目したんやったら、もうええやんか…と、ぼくは思いますが

またぞろ、オリンピック組織委員会事務総長という「日の当たる場所」が与えられ

今回、記者会見にまで登場して、その地位を満喫されてるようです

(こういう人たちって、死ぬまでおいしい地位にしがみつくんでしょうかね…)



その2

今回のエンブレム撤回に関して、東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗会長は、

報道陣からの「残念な結果になってしまいましたが?」との問いかけに対し、

不機嫌そうに「何が残念なんだ」と答えました

…ってことは、森さんは今回の極めて異例なエンブレム決定後の撤回を

「残念なこと」だと思ってないようですね

(ぼくはそんな態度と応答をするアナタが「極めて残念」だと思っとります…)



その3

今回の件に関して、経済同友会の小林代表幹事は

「なんとなく、たるんでるんじゃないかな、社会全体が」…と、コメントしてましたが

なんで「組織委員会とデザイナーの問題」が「社会全体の問題」になんねん?…と

ぼくは強くツッコんでおきましょう

(なんとなく、たるんでるんじゃないかな、アナタが…)


BBCは「ぶざま」と報じる

47NEWS(2015年9月2日)
BBC(2015年9月1日)
Yahoo! JAPAN

エンブレムの使用中止が決まった

Yahoo!ニュース(2015年9月1日)

新しいエンブレムを公募へ

TBS系(JNN)(2015年9月2日)