畜産保護策を止めろと安倍首相にねじ込んでいたオバマ大統領

畜産保護策を止めろと安倍首相にねじ込んでいたオバマ大統領

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 きのう12月9日の鹿児島の地方紙「南日本新聞」が一面トップで大きく書いていた。

 フィリピンで開かれたTPP首脳会合の直後に行われた安倍首相とオバマ大統領との首脳会談(11月19日)で、なんとオバマ大統領が安倍首相に注文をつけていたというのだ。

 つまりTPP合意によって被害を受ける畜産農家に対し収入補てんなどの保護策を講じ、これをTPP対策大綱に盛り込んだ安倍首相であったが、これが米国畜産農家の怒りと失望を買ったというのだ。

 それを見たオバマ大統領が安倍首相に対し、畜産農家保護は止めろ、それは非関税障壁だ、TPP合意違反だ、とねじ込んだというのだ。

 日米関係筋が8日に明らかにしたという。

 これは特大級のスクープだ。

 かつて行われたちゃぶ台返しが再び行われていたのだ。
 TPP合意など、あっさりと米国の圧力団体の一声でひっくり返されるのだ。

 報道によれば安倍首相は予想外のオバマの発言に怪訝そうな表情をうかべながら耳を傾けていたという。

 日本の政府筋は「大統領が一度決まった事を蒸し返すなんて前代未聞だ。内政干渉も甚だしい」と怒りをあらわにしたという。

 しかし、いくら怪訝な顔をしてごまかそうとしても、そして前代未聞と怒って見ても、米国の業界団体が怒ればどうにもならない。

 日本が譲歩するか、さもなければTPPは米国議会の承認を得られずに潰れるか、どちらかだ。

 おそらく通信社の配信に基づいたスクープだろう。

 鹿児島の地方紙以外にも多くの地方紙が書いていることだろう。

 ところが大手新聞は一切報じない。

 こんなことが日本国民に知れ渡れば、TPP大筋合意は砂上の楼閣のようなものだとバレルことになる。

 厳しく追及すれば、甘利大臣の引責辞任につながりかねない醜態だ。

 だから絶対に報じないのだ。

 それにしても大手メディアの情報隠しは、もはや絶望的だ。

 しかし、すでに地方紙が報じた。

 隠しきれるものではない。

 このちゃぶ台返しは、TPPの日本語訳が存在しない事とあいまって、TPPの合意そのもの正統性を根底から覆しかねない「不都合な真実」である。

 TPPの日本語翻訳がないという事とあいまって、このちゃぶ台返しは大問題だ。
 はたしてダメ野党はこの千載一遇の敵失を厳しく追及できるだろうか