TPPの恐怖の一つ…

2016-01-14

TPPの恐怖の一つ…

今日、ずいぶん昔のTPPの記事を紹介するめっちゃ長いエントリーを書いたんですけど

書き忘れてたネタ…それも、めっちゃ怖い話があったのでまた書いておきます…

(ひとさまのtweetから…↓)

堤未果さん

「お金がある人は医療保険に入る。しかし元々700~800万の(盲腸の)治療費で

 7割保険会社が払ってくれても210万自己負担

 だから毎年90万人が医療破産している。1年間病気なしの3人家族で保険代月15万円

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え~、「アメリカの医療費の高さ」はご存じの通り、多分、「世界一」でありましょうが

なんであっても「世界一」が好きな人が多いアメリカは、そのことについて特に疑問を持つことなく

日本のような「国民皆保険制度」をいつまでたっても採用しようとはしません

(まぁ、そんでもこれはどこまでいってもアメリカの国内問題であり、
 主権者たるアメリカの市民が判断することですので、ぼくがとやかく言うコトでもないとは思いますけど…)


この点、アメリカの「世界一高い医療費」で儲けてるのはお医者さんと保険会社…でありまして

特に医療保険を扱う会社のボロもうけは、すごいもんがあります

そして、保険会社がボロもうけできるのは、保険契約者である市民がボロ損(…ってそんな言葉ないけど)を

してるから…なんですけど、やっぱりその点に関しても、アメリカの人々は「自己責任」ということで

なんだか納得してはるみたいです

(でも、tweetに出てくるような話=「バカ高い自己負担による医療破産」を聞いてたら
 これでよくみんな辛抱…というか、納得してるよな…と、なんか違う意味で感心してしまいます)


で、この話とTPPといったい何の関係があんねん? …と言いますと

TPPで俎上にのってる医療関係の話で言えば、あの「先行医薬品の特許期間の延長」があって

それは「ジェネリック医薬品の開発販売の遅れ」をもたらすものとして

アメリカ以外の国からかなり警戒されてますよね


ほな、医療関係でTPPの影響を受けそうなコトはそれだけか?…とゆうたら、そんなことはなくて

アメリカで暴利をむさぼってる巨大な医療保険会社…そしてそれは巨大であるがゆえに、

アメリカ政府を動かす力を持ってることになりますけど

その巨大保険会社がTPPを黙って見過ごすわけがないのであります


では、アメリカ政府を動かすほどの力をもつ巨大保険会社はどのような働きかけを行うだろうか…

ということを想像してみると、それは特に難しい予測ではありません

(今のところアメリカは「各国の医療保険制度」に関しては口を挟まない…ということに
 表向きはしてるみたいですけども、そうすると、
 アメリカの巨大保険会社がTPPによって海外で儲ける道が閉ざされることになるので
 そんなことを彼らが黙ってるわけはありませんので)


この点、日本の国民皆保険を維持したまま、アメリカの巨大医療保険会社が日本で儲ける方法は何か…と考えると

皆保険でカバーできる医療行為(投薬行為を含めて)を狭めていけば、

つまり、保険診療でカバーできる医療行為の範囲を狭めつつ

公的医療保険が適用されない、いわゆる「自由診療」の範囲を広げていけば

日本の市民も不安になって…というか、リスクに備えて「公的医療保険の他に」

多分、アメリカの保険会社が日本で売るであろう「私的医療保険」を買わされる(=契約を迫られる)ことになるでしょう

その手法として、TPPにもられた毒薬条項と言われているISDS条項を使って

「日本の国民皆保険制度による保険診療の範囲は不当に広すぎて、アメリカの医療保険の販売機会を阻害している」

…なんてことを言って揺さぶりをかけることが考えられますが、そういう脅しに弱い…というか

アメリカからの脅しにはめっぽう弱い日本政府がその脅しに負けて

公的医療保険でカバーできる医療行為を狭める一方、「自由診療」の範囲を広げれば広げるほど、

アメリカの巨大医療保険会社が日本の市場でボロ儲け…のおいしい構図ができあがるわけでして

それは既に今でも「(公的医療保険ではまかなえない)先進医療に備えるがん保険」などに

応用されてますので、この傾向は進むことはあっても後退すること

(=公的医療保険でカバーできる医療行為の範囲が逆に拡大していくこと)は

TPP成立後には、ほぼあり得ないだろうと、ぼくは予測しております

…って、こんなん、踏んだり蹴ったりの話やんけ!…と思いませんか?

(だから、TPPって怖いのよ…)