アメリカの最低賃金のお話

アメリカの最低賃金のお話

おいおい、アメリカ(のニューヨーク州)は、最低賃金を「1800円」にするって言うてんぞ!

最賃15ドル 正式承認 米NY州 ファストフード業界(しんぶん赤旗:2015年9月12日)

 米ニューヨーク州のクオモ知事は10日、同州のファストフード労働者の最低賃金を時給15ドル(約1811円)へ引き上げるとした諮問委員会の決定について、州労働当局が正式に承認したと明らかにしました。ニューヨーク市内で開かれた集会で語りました。

 米メディアによると、ファストフード業界に限定しているとはいえ、米国で州の最低賃金を15ドルに定めるのは同州が初めてです。

 クオモ氏は「フルタイムで働く人が貧困の中で暮らしてはならない。富裕層がますます豊かになり、貧困層がますます貧しくなる経済は間違っている」と語りました。

 また「ニューヨーク州で働くすべての労働者は時給15ドルの最低賃金を受け取るにふさわしい。それが実現するまで、われわれは止まらない」と述べ、全業種で最賃の引き上げを図る意欲を示しました。

 集会にはバイデン副大統領や最賃引き上げを求める運動を広げてきたサービス業国際労組(SEIU)の幹部も出席しました。

 同州の現在の最賃時給額は8・75ドル(約1056円)。知事が任命した諮問委員会は7月、ファストフード労働者の最賃時給額を2021年半ばまでに現行の約7割増の15ドルへ段階的に引き上げることを決め、正式承認を待っていました。

2021年半ばって言うたかて、もうあと5年でアメリカ(のニューヨーク州)は

(ファストフードで働く労働者の賃金に代表される)最低賃金を、なんと約1800円にするって言うてんねんで~

ニューヨーク州は今でもすでに最低賃金が約1000円やし…)

あの、弱肉強食の「剥き出しの資本主義」の国のアメリカがやで~

何でもかんでも自己責任のアメリカがやで~

自由主義経済万歳のアメリカがやで~(…って、くどいねん!)


それにひきかえ、日本はどないやねん?…ということを考えると

実質賃金の引き下げに邁進して、財界の人件費を軽減することばっかり考えてる自民党政権のもとでは

とてもやないけど、アメリカみたいな話は実現するわけないよな…とぼくは思うし、

できれば、自民党を支持するアナタも、そない感じてもらえたら…と思います



※ちなみに、現在の日本の最低賃金は…
最低賃金、18円引き上げ平均798円に 厚労省審議会(朝日:2015年7月29日)

最低賃金の現状は、全国で最も高い888円の東京でも厳しい。東京都北区で4歳の娘を育てるシングルマザーの女性(41)は、書籍の取次問屋でバイトとして働く。時給は最低賃金すれすれの890円。子育てで休むこともあるため月18日ほどの勤務で、雇用保険などを除くと手取りは月7万~8万円だ。元夫からの養育費や児童扶養手当がなければ「生活できない」~
文字通りの「最低な賃金」であるところ、工業化達成国の最低賃金はどんなもんや?…と言うと
 先進国の最低賃金は、英国が時給6・50ポンド(約1250円)、フランスが9・61ユーロ(約1300円)、ドイツが8・5ユーロ(約1150円)で、軒並み1千円を超えている。米国も連邦最低賃金は7・25ドル(約900円)だが、さらに上げようとする動きもある。(同)
…と、軒並み日本より高い…

ほな、最低な賃金が最低賃金になってる日本は…と言うと、
日本でも…政府、労働界、経済界代表が「20年までに全国最低800円、全国平均1千円」をめざすことを決めた。(同)
…と、この「低すぎる目標が達成されるかも知れない20年」時点でも、

他の工業化達成国との差は開くばっかり…になることは確実であります


ここで、「いや、日本の最低賃金が他の工業化達成国と比較して低くなってるのは円安のためや」…なんていう、

小理屈を振り回す人のために念のために紹介しときますけど、

各国の為替レートなど関係なしに、手っ取り早くその国や地域の最低賃金を比較できる方法がありまして、

それはこれで確認できます…↓

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20160118/20160118214624.gif
(「日本の最低賃金、国際的には高い?低い?」(THE PAGE 2013年12月2日)から)

日本の最低賃金がなぜ文字通り、「最低な賃金」であるのか…は

それが、賃金の中央値よりもめっちゃ低く抑えられてるから…でありまして

そこに為替レートの話を持ち出す必要はないんです


でも、「最低賃金を上げたら、人件費が高くなってナントアカントカ…」と、

まるで経営者にでもなったかのような心配をする労働者も少なくないので、この点についても言うときますと

既に「30年前からファストフードの労働者の時給…ではなくて、

最低時給が1500円を超えてるオーストラリアは、

その人件費負担に押しつぶされてどないかなったのか…と言えば、そんなこともない↓

(→「マクドナルドの時給1500円で日本は滅ぶ? すでに30年実施のオーストラリアは滅んでませんが?」参照)

…ということで、最低賃金憲法に保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できる水準に達せず、

文字通りの「最低な賃金」になってて、それでいったい誰が得して誰が困ってんねん…と言えば

経営者が得して労働者が困ってる…だけの話でありますので

少なくとも、アナタが労働者であるならば、自分が一方的に損してる「最低賃金」に憤りを感じてほしいと思います

(でないと、いつまでたっても「最低賃金」は「最低な賃金」のままですよ…)