原発の「新規制基準」は、安全の証明ではありません。と開き直る原子力規制委員会

2016-04-19

核発電の「新規制基準」とは…

フクイチの爆発事故が起きてから新たに策定された核発電所の「新規制基準」…

それを安倍ちんたちは「世界で一番厳しい基準」と、呪文のように繰り返しております

だから、「素直で人を疑うことを知らない人」は、

「世界で一番厳しい基準なら、もうフクイチのようなことは起きないよな」…と考えて

安心しているかも知れません


けど…

「新規制基準」に合格したら「フクイチのようなコト」は起きない…なんてことは、

「新規制基準」を策定し、その基準に基づいて核発電所を審査してる原子力規制委員会でさえ言うてないんです

この点について、原子力規制委員会のHPには
「新規制基準は原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのものです。
 しかし、これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません
…と書いてありますし、

内核発電所がこの「新規制基準」にクリアしたと発表した原子力規制委員会の委員長だって

記者の質問に対してこんなことを言うてるんです↓
「安全審査ではなくて、基準の適合性を審査したということです。
 ですから、これも再三お答えしていますけれども、基準の適合性は見ていますけれども、
 安全だということは私は申し上げません…」
「新規制基準」は「安全基準」でなく、核発電所の稼働の「適合性の基準」に過ぎないので

その審査はあくまでも「適合性の審査」であって「安全審査」ではない…

だから、「新規制基準」をクリアした…と言っても、それは「安全性の証明」にはなりません…

そない原子力規制委員会のトップが「開き直ってる」んです

(ほな、なんでこんな「審査」をしてんねん?…というコトになると思いますが
 それは「核発電所を稼働させるため」…ですわね)


ということなので、原子力規制委員会のトップの言うことを素直に受け止めると

この「新規制基準」をクリアしたから…と言っても、フクイチのような事故を防げるわけではない…

ことになるわけですので、それを前提に考えないといけない…のは、当然の帰結…であります


とすると、「新規制基準」って、フクイチのような過酷事故が起きたら…という前提でも

いろんな基準が定められてて、そのなかには「避難計画」も当然に入ってる…と、ぼくは思ってたんです

それが…

「新規制基準」は「核発電所の稼働適合性の審査」だから…という理由からなのか

なんと、その基準には「避難計画が入ってない」…(って、こんなん、信じられる!?)

つまり、「新規制基準」とは、「核発電所塀の中だけの話」であって

その外側のコト、例えば「避難計画」なんてものは知ったこっちゃない…という、

べらぼうな話になってるんです(…って、こんなん、信じられる!? って、そればっかり…)


でも、避難計画は当然、地元が…と、考えるかも知れませんけど

地元自治体は「県が…」と言うてるし、県は「最終的には国が…」なんてこと言うてて

いったい、誰が避難(計画)に責任をもつのか…さえ、決まってないんです

(まぁ、なんて呆れた話なのよ、これ…)


で、そんな「無責任体制」だから…なのか、

例えば、現在、九州大地震震源地の近くで稼働してる川内核発電所の避難計画はどないなってるのか…と言えば↓
川内原発避難計画 バス協定は有名無実 ― だまされた鹿児島県民(Hunter、2016年3月4日)
http://bit.ly/1YBmeVn
「県は、原子力災害を見越して鹿児島県バス協会と『協定』を結んだ際、別の運用細則を締結。
 それによると、バス協会への協力要請ができるのはバス

(続き)運転手が浴びると予想される放射線量が『1ミリシーベルト以下』の場合のみと定めていた。この規定に従えば、過酷事故でのバス派遣は不可能。協定自体が有名無実となり、バスが来るものと信じ込まされてきた県民は、伊藤県政にだまされた格好」「各自治体の避難計画は、バス輸送が実現すること

(続き)を前提とするもの。多くの県民は、川内原発で過酷事故が起きた場合、当然バスが迎えに来るものと思っているだろう。しかし、川内原発に協定書に記されている放射性物質の大量の放出』があるような重大事故が起きた場合、民間事業者のバスが緊急輸送で出動することはない。『迎え』は来ない
(↑ひとさまの一連のtweetより)
…というコトになってまして、こんなん、「避難計画がある」と言うよりも

(実質的には)「ない」と言うべきでありましょう

(でも、それは「核発電所の稼働条件」にはなってないのよね…)


そんでも、これまた冷静に物事を考えてみると…
原発地震に耐えられるか?という点も問題ですが、それ以前に、原発事故が起きた時に避難経路(新幹線、高速道路、幹線道路等)が存在することが稼働の要件なわけですから、それらが失われた時点で停止するのが筋ではないでしょうか。
(↑ひとさまのtweetより)
バス(の運転手)の心配より道路の心配が先…なんでしたわ


そんでも「問題ない」…

「核発電所の稼働にあたっては、そんなこと、問題ない」…

それが、「世界で一番厳しい基準」で核発電所を審査してくれる原子力規制委員会でありますが

そんな基準が「世界で一番厳しい基準」であるわけもなく、

そんな「デタラメな基準」をクリアしたからって、それがどないしてん?…という話であるとぼくは思います

(だって、最初から合格させるコトを目的に審査してんだから、こんなの、審査とも言えないよ…)




※フクイチの爆発事故はいまだその原因が究明されておりません

(ということは、その直接の原因が津波にあったのか…、あるいは、地震の揺れそのものにあったのか…さえ
 明らかになっていないということです)

事故原因がはっきりわかってない…のであれば、それに対処できる基準を定めることは不可能であり、

それは原子力規制委員会も認めるところです

そうであるならば、余計に「避難計画」が重要になるはず…で、それは「世界の常識」となっています↓
IAEA国際原子力機関)の基準では、原発プラント建設前に、第5層の防護として、事故時の放射性物質による放射能の影響を緩和する緊急時計画を定め、それが実行可能であることが確認されなければならないとされている。

そして、このIAEAの基準は国際社会ではスタンダードなものとされている。アメリカでも、NRC(日本の原子力規制委員会に相当する機関)が、放射性物質が放出される緊急事故時に十分な防護措置が取られうる保証があると判断しなければ、原発の建設・運転許可は認められないこととされており、十分な緊急時計画の策定が許可条件となっている。
(「「実効性のある避難計画」が策定されることなく原子力発電所を運転することに反対する決議」:九州弁護士会)より
あぁ、それなのに、それなのに…

「世界で一番厳しい基準」と安倍ちんが胸を張る「新規制基準」には

「(実効性のある)避難計画の策定」が入ってない…

これは「確信犯」でありまして、このような基準は「世界で一番デタラメな基準」と、正直に言わねばなりません

(もう、安倍ちんは、ウソばっかりつくねんから…)




※核発電所の安全性には責任を持てない…と言うてる原子力規制委員会

なぜか、地震のことになると、自信満々…になるようです↓
川内原発震源移動しても「問題ない」 規制委見解(朝日:2016年4月18日)

 熊本県を中心に相次いでいる地震を受け、原子力規制委員会は18日、臨時の会議を開き、国内で唯一稼働中の九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)など周辺の原子力施設について現段階で異常はないことを確認した。~

 委員からは、震源が南西に移動し、より川内原発の近くで地震が起きることへの心配について指摘された。これに対し、新規制基準審査では、より大きい地震でも「原子炉の安全上は問題がないと評価されている」との見解が示された。~

 田中俊一委員長は、初期の情報提供が十分でなかったのを反省しなくてはいけないとして、「まだ地震が続いているのできめ細かに情報提供をしたい」と話した。
ぼくなら、「まだ(大きな)地震が続いているので、なんとも言えない」…と言うところが

原子力規制委員会は「震源が川内核発電所に近づこうが、大丈夫」…と言うてます

(って、こんなん、単なる「言うたもん勝ち」の世界ちゃうのん?)