ヴォーリズさんを知っていますか?

昨年の朝ドラ「あさが来た」は、皆様も楽しみにご覧になったことと思います。私も母校での思い出や成瀬先生に思いを馳せ、こちらで学ばせていただけたことを改めて誇りに思えました。
さて、このドラマの後半にヴォリンガーなる外人さんが少しだけ登場したのを記憶されているでしょうか?実は、それがヴォーリズさんです。
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 ヴォーリズは、伝道を目的に米国から派遣された県立商業高校の英語教師でしたが、彼のバイブルクラス(聖書クラス)が人気となり、それに恐れをなした地域の人たちの圧力で1年後には解任されてしまいます。

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(バイブルクラスとヴォーリズ
それでも彼は近江八幡に留まり、かつて建築家を志した知識を生かし、設計の仕事をしながら伝道を続けたいと考えるのです。

教え子たちがヴォーリズの下に集まり、ヴォーリズ設計事務所からは、素晴らしい建築が1500以上も世に送り出されました。

(駒井家住宅)
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ヴォーリズ建築ファンという言葉も存在するように…彼の設計した建築は美しいだけでなく、安全にも十分配慮され、内部は、掃除のしやすさ、採光、家族の団らんなど使い手に優しい建築として愛される建物です。

教育施設も・・。(学生の憧れる関西学院大学キャンパス)
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また、彼の職場は朝全員で祈ることから始まり、
身分の上下なく異国人種が仲良く仕事をしていたこと、
従業員を大切にし、家庭や健康への配慮から残業を認めなかったことなどでも知られ、仕事の在り方も理想的でした。

仕事は、他にもメンソレータムの販売や近江サナトリアムの建設など多岐に渡るが、共通しているのはすべてが<ヴォーリズ精神>ともいわれる彼の人格的なものと<奉仕の精神>に貫かれています。
仕事とは人への奉仕が原点かと考えさせられました。

彼の人生を辿ると、苦境に負けない強い心や人を思う愛の深さに感動を覚えます。
特に、マイナスと思える逆境も後には大きな喜びに変えてしまう彼の生き方は、「失意も恵み」という美しい言葉と共に大いに励まされました。
彼を研究することが、今やライフワークとなりつつあります。
遅い出会いではありましたが、人生で彼に出会えたことに感謝して、皆様にもご紹介したく、書かせていただきました。