奈良市民放射能測定室便り<無料測定祭り>

2月12日日曜日は、奈良市放射能測定室の「無料測定祭り」でした。気になる食べ物から土壌まで無料で測定いたします。
  
測定祭りなので、無農薬お野菜やお米、お茶の販売もあります。
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測定を待つ間のお茶タイムは「瑠璃カフェ」で。
材料にこだわった手作りスイーツとオーガニック珈琲付きで300円。
このお金は測定所の運営に使われます。
私はお菓子当番で、今回はブラウニーを作りました。
(材料北海道小清水町の小麦粉、有精卵、四葉バター、種子島産キビ砂糖 クーベルチュールチョコレート、クルミ、オーガニックレ-ズンなど

その間、福島の原発事故を取り上げたテレビの録画やチェルノブイリのDVDなど見ながら、スタッフとお話タイムです。
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さて、昨日の測定は・・
① インスタントラーメン   1096g×2100秒
       測定値   下限   計数率
Cs137    ND    1.2    0.04 
Cs134    ND    1.1    0.00
K40      ND   13.7    0.00
★ 茹でた後のラーメンを測定しましたがセシウム、カリとも不検出でした。セシウム137だけ僅かに計数率がカウントされていますが、存在するとしても微量だと思われます。

②福島産白米 991g×1800秒
Cs137    ND    1.4    0.00 
Cs134    ND    1.4    0.00
K40    24.1±21.5  16.2  0.06
★ 福島県産の2016年の白米ですが、両セシウムとも不検出で計数率もゼロでした。我々の最近の測定では国内産の白米からセシウムが検出されることはありませんね。

③福島産味噌  961g × 1799秒
Cs137    ND    1.5   0.00 
Cs134    ND    1.5   0.02
K40    95.3±39.9  16.8  0.25
★ 福島県産の味噌ですが、セシウムは両方とも不検出でした。セシウム134だけ計数率が0.02とカウントされていますが、セシウム137がゼロなのでこれはセシウム134ではなく、おそらくカリウム40による影響であろうと考えます。

④なすび  798g × 2100秒
Cs137    ND    1.7   0.05 
Cs134    ND    1.6   0.03
K40    57.6±32.3  18.9  0.12
★ 高知県産のなすびを刻んで測定しました。 セシウムの判定は不検出ですが、スペクトル図を詳細に見ると661kevのセシウム137該当の位置に極く小さなピークらしきものが認められました。もっと詳しく調べるため再測定を予定しています。

⑤ 土壌  1296g× 1800秒
Cs137   17.2±6.15   2.4  0.88
Cs134   18.8±5.97   1.8  0.91
K40    711±177     13.9  2.48
大阪市都島区の公園の土です。
セシウムが両方とも検出されていますが、その比が理論からずれており、真にセシウム由来のものか不明です。他核種の誤検出でしょう。

以前のものですが、注意した方が良いものは
▼土壌からの放射能の移行係数の高いさつまいも(千葉産、茨城産)

ヨーロッパ産の果実ジャム
以前ドイツのブルーベリージャムが高度に汚染されていましたが、
ポーランド産ブルーベリージャムも未だにチェルノブイリの汚染が確認されています。
*カナダ産は大丈夫そうです。

検体4 №1435 ブルーベリージャム(果実はカナダ原産)438g  5400秒測定
 コメント:この検体はブルーベリー原料で、東ヨーロッパ原産のものは、いまだにチェルノブイリ原発事故の影響が残り、半減期30年のセシウム137のピークが単独でそびえ立つようなチャートが得られることもあるが、カナダ産のこの場合はセシウム汚染の可能性はほとんどなく、まずは安心して食することができる。この場合にもわずかなセシウム137の計数率が出ているが、やはりなりすましの小ピークがセシウム137の該当波長の両側にある形となっているので、この計数を検出したものだろうと想像がつく。

▼土壌の汚染
横浜からの避難者が実家に帰って庭の土を持ってきてくれました。
検体1 №1447 住宅(裏庭)の土と苔(横浜市南区) 89g 7200秒測定 V-7容器測定
       
          測定結果通り、フクイチ由来の放射性セシウムの検出は明瞭である
横浜で、この数値、土壌の汚染は消えていません。

検体1 №1446  土壌(埼玉県加須市135g  7200秒測定
  
コメント:賑やかに放射能濃度の実現値が掲載され、すべてピーク検出もプラスである。
関東地方の土壌はまだ原子力規制庁がいうところのクリアランスレベル(100Bq/kg以下)にすら到達しないほど汚染されていることを意味している。こんなところでオリンピックでもないと思うのだが・・・。

 培養土(奈良県内ホームセンターにて購入)792g  1800秒測定
 
   コメント:これも土壌検体であり、測定チャート上での特徴はほぼ前記の検体と類似している。
        ただし異なるところは、「培養土」というだけあって、このシンチレーションカウンターにほとんど不活性の成分である「有機物(炭素化合物群)」が前記の土壌検体よりかなり多いであろうと推測されるところであり、根拠はカリウム40放射能濃度、ひいてはそこから計算されるカリウム元素濃度も約半量の濃度(1.2%)となっている。
        結論的には前記検体と同様、微量なセシウム汚染の存在まで否定できないが、汚染の可能性は低いというものである
 
④肥料
肥料データ
群馬県で採取した肥料です。セシウム137が検出されていますので、詳細確認のため、
Ge半導体型測定器による再測定を予定しています。
 

<その他最近の測定記録より>
①湯通しワカメ(岩手県産)  871g × 5400秒

          測定値  測定下限Bq/kg  計数率cps   
 Cs-137    ND       1.0       0.01
 Cs-134    ND       1.0       0.00
 K-40      ND      11.7       0.00

 ★上記3核種とも不検出結果でした。

①埼玉県産白ネギ  (725g× 10800秒)
       測定値Bq/kg  下限値Bq/kg  計数率cps
 Cs-137  ND       0.9        0.01 
 Cs-134  ND       0.9        0.00
 K-40  58.5±23.7  11.1       0.11

★ 3時間測定でセシウム137の計数率が0.01(100秒間で平均で約1回のカウント)であり、  ほぼ存在しないと見做せます。


②千葉県人参  (732g× 7200秒)
        測定値Bq/kg  下限値Bq/kg  計数率cps
 Cs-137  ND       1.2        0.01 
 Cs-134  ND       1.1        0.02
 K-40   76.7±29.6  12.7      0.15

★ セシウム137,134とも不検出判定ですが、計数率が僅かにカウントされており、極く微量の存在は否定できないですが、実質的には無いとみてよいと思われます。
③小麦粉
小麦粉データ
セシウム137、セシウム134、カリウム40が全て不検出でした。スペクトルを見ても両セシウム
該当エネルギー位置はバックグラウンドの赤線とほぼ重なっており、実質的にゼロに近いと
思われます。

④検体1 №1444 白米(山形県産) 971g 3600秒測定
        
          
       コメント:測定結果通り放射性セシウムは不検出と判断する。Cs-137134に該当するエネルギーの所にはピークはないし、ピーク判定もないからである。Cs-137134ともに計数率が0.00なので、ゼロに近い不検出であると思われる。
 
⑤検体:宮城県栗原市産玄米
 
玄米データ
 
☆ 2016年の宮城県産玄米ですが、セシウムは両方とも不検出でした。スペクトルでも該当エネルギー位置にはピークは認められませんでした。計数率が少しカウントされているので、これが本当にセシウムに由来するのか断定はできませんが、仮にセシウムだとしても僅量でしょう

 
 
✿東北関東の野菜や米であっても、測定してみると放射能の汚染の無いものもたくさんあります。栗原市の玄米は私の叔父が送ってくれたもので、不検出なので安心していただいています^^。
きちんと測定して汚染がない場合は安心して食べられますし、買って応援もしたい・・。でも、測らずして「風評被害」という言い方はおかしいですね。
✿スタッフですので、気になる食品などありましたら、ご相談受付いたします。送っていただければ無料測定もいたします。測定用マリネリ容器いっぱい分の容量が必要です。