どっちもどっち」が「客観的で公平」な視点だと思ってるなら、それは美しき誤解である
2017-05-21
「どっちもどっち」が「客観的で公平」な視点だと思ってるなら、それは美しき誤解である
一般的に、「公平である」ことは、とっても肯定的に受け止められます
(だって、「公平であること」と「公平でないこと」を比較すれば、前者がいいに決まってる…って話なので)
だから、「公平でありたい」と思うのは人情…というもんであり
たいていの人は、「この人は公平だ」という評価を欲しがるもんです
だからなのか、具体的な課題について、(主に左右の立場からの賛成反対の)対立があると
人は「公平でありたい」と考えるが故に、そのどちらの立場にも与せず
賛成反対双方の立場(左右双方の立場)を「均等に」批判してお終い…にする場合がとっても多いんです
こういう立場は「左右どちらでもない中道」の立場を取ってるようでいて
実際は「自分の立場を明らかにしていないだけ」の場合が多く
結局のところ、具体的な課題についての「立場を鮮明にしないことが公平である」と錯覚してるだけ…
(あるいは、賛成反対双方を均等に批判することが「公平な立場」だと錯覚してるだけ…)です
また、現実的に考えてみると、具体的な課題について
「左右の立場からの賛成反対が拮抗している」なんてことはあんまりなく
「右(≒政府)の立場からの主張が優勢」である場合がほとんどでありまして
その構図は、この国の政府が右であることからくる「当然の帰結」と言っても過言ではありません
とすると、左右の立場を均等に批判してお終い…にしてしまうと、
それは、具体的な課題について「右(=政府)優勢」の状況を受け入れてるだけ」…になるので
これは「公平な立場」というよりは、「右優勢の現状で構いません」と言うてるに等しいわけでありまして
そんな立場が「中道」なわけありません
さらに、具体的な課題について自分が何らかの立場に立つと、
それは途端にその課題に対して「公平な立場でなくなる」と考えるのも麗しい誤解でして
「公平な立場」とは、「特定の立場に立たないこと」ではなくて
「事実(あるいは状況)を公平な目で見(て何らかの判断をす)る立場」のはずです
(つまり、「ウソを前提に判断しない」あるいは「自分の都合のいいように事実を解釈しない」なんていう、
ごく当たり前の姿勢でいることが「公平な立場」であると思います)
この点、一般人なら特に「公平な立場」に立たなければならない義務があるわけではありませんが
報道に携わる人たちには「不偏不党」という「公平な立場」に立たなければならない…という職業倫理があって
それはまぁ、一つの職業倫理観ではある…と思うところですが
「公平な立場」(≒事実(あるいは状況)を公平な目で見(て何らかの判断をす)る立場)で具体的な課題を考え
その結果、報道人(あるいは報道機関)が(賛成反対の)いずれかの立場に立った…としても
ぼくは、それで「公平でなくなった」とは思わないのです
(なぜなら「公平」とは「立場の中立」ではなく、「判断(基準)の公平」だと思うからで
それは報道機関でもおなじだろうと思います)
でも、この国の報道機関(を自任する会社)では、いまだに「立場の中立」が「公平」だと錯覚してるようで
いまだにこんな「公平な記事」を書いてます…↓
(だって、「公平であること」と「公平でないこと」を比較すれば、前者がいいに決まってる…って話なので)
だから、「公平でありたい」と思うのは人情…というもんであり
たいていの人は、「この人は公平だ」という評価を欲しがるもんです
だからなのか、具体的な課題について、(主に左右の立場からの賛成反対の)対立があると
人は「公平でありたい」と考えるが故に、そのどちらの立場にも与せず
賛成反対双方の立場(左右双方の立場)を「均等に」批判してお終い…にする場合がとっても多いんです
こういう立場は「左右どちらでもない中道」の立場を取ってるようでいて
実際は「自分の立場を明らかにしていないだけ」の場合が多く
結局のところ、具体的な課題についての「立場を鮮明にしないことが公平である」と錯覚してるだけ…
(あるいは、賛成反対双方を均等に批判することが「公平な立場」だと錯覚してるだけ…)です
また、現実的に考えてみると、具体的な課題について
「左右の立場からの賛成反対が拮抗している」なんてことはあんまりなく
「右(≒政府)の立場からの主張が優勢」である場合がほとんどでありまして
その構図は、この国の政府が右であることからくる「当然の帰結」と言っても過言ではありません
とすると、左右の立場を均等に批判してお終い…にしてしまうと、
それは、具体的な課題について「右(=政府)優勢」の状況を受け入れてるだけ」…になるので
これは「公平な立場」というよりは、「右優勢の現状で構いません」と言うてるに等しいわけでありまして
そんな立場が「中道」なわけありません
さらに、具体的な課題について自分が何らかの立場に立つと、
それは途端にその課題に対して「公平な立場でなくなる」と考えるのも麗しい誤解でして
「公平な立場」とは、「特定の立場に立たないこと」ではなくて
「事実(あるいは状況)を公平な目で見(て何らかの判断をす)る立場」のはずです
(つまり、「ウソを前提に判断しない」あるいは「自分の都合のいいように事実を解釈しない」なんていう、
ごく当たり前の姿勢でいることが「公平な立場」であると思います)
この点、一般人なら特に「公平な立場」に立たなければならない義務があるわけではありませんが
報道に携わる人たちには「不偏不党」という「公平な立場」に立たなければならない…という職業倫理があって
それはまぁ、一つの職業倫理観ではある…と思うところですが
「公平な立場」(≒事実(あるいは状況)を公平な目で見(て何らかの判断をす)る立場)で具体的な課題を考え
その結果、報道人(あるいは報道機関)が(賛成反対の)いずれかの立場に立った…としても
ぼくは、それで「公平でなくなった」とは思わないのです
(なぜなら「公平」とは「立場の中立」ではなく、「判断(基準)の公平」だと思うからで
それは報道機関でもおなじだろうと思います)
でも、この国の報道機関(を自任する会社)では、いまだに「立場の中立」が「公平」だと錯覚してるようで
いまだにこんな「公平な記事」を書いてます…↓
<共謀罪>野党、法相狙い揺さぶり 世論の反対広がり欠く(毎日新聞 5/19)
…(野党)4党は答弁が不安定な金田勝年法相に引き続き照準を定める戦略だが、改正案への世論の反対は思うように広がらず、攻勢の糸口がつかめていない。このため学校法人「加計学園」の問題で予算委員会の集中審議を要求するなど、安倍政権に揺さぶりをかけようと懸命…
…野党は鈴木淳司衆院法務委員長の解任決議案と金田氏の不信任決議案を提出して抵抗したが、特定秘密保護法や安保法制の審議のような国民的な批判が「共謀罪」法案に広がっているとは言えない。金田氏と質疑がかみあわず、野党議員が同じ質問を繰り返して与党に審議時間を稼がせるという皮肉な結果も招いている…
…与党は19日、当初予定した首相の同委への出席を取りやめる余裕も見せ、採決を強行…
…与党と法案の修正協議で合意した日本維新の会は、この日の質疑の際に採決を自ら要求した。民進党の山井和則国対委員長は「与党と維新は一体化している」と批判。維新の馬場伸幸幹事長は「民進党は反対のための反対だ」と反論し、野党内の足並みの乱れも広がっている…
…と一部転載してみましたが、この記事は「左右(≒与野党)均等に批判してお終い」…というよりも
「野党を批判して(揶揄して)お終い」…の記事なので、
「公平な立場を錯覚している例」としてはまったく不適当でした(…って、なんやねん、それ…)
しか~し、転んでもただでは起きられない…と言うべきか、失敗からも何か得るものがあるはず…と言うべきか
この「提灯記事」の問題点(=明らかに政府寄りの視点に立って記事を書いてるトコ)をあげげてみますと、
まず、「改正案への世論の反対は思うように広がらず」…なのは、
報道機関が共謀罪のことを共謀罪だと言わずに
「共謀罪の構成要件を厳しくした」(あるいは「共謀罪の構成要件を改めた」)テロ等準備罪…なんていうアナウンスで
政府の言い分をそのまんま垂れ流してきた結果でもあるので、
報道機関の振る舞いそれ自体が「公平でない」と思います
次に、「(野党が)学校法人「加計学園」の問題で…安倍政権に揺さぶりをかけようと懸命」…
という表現について言いますと、こんな書き方は「加計事件」が(野党の)政局の道具になってる…とゆうてるに等しく
これまた露骨な政府目線…です
(そやかて、「森友事件」にしろ「加計事件」にしろ、
これを取り上げないで何を取り上げんねん!…というネタやないですか)
そして、「金田氏と質疑がかみあわず、野党議員が同じ質問を繰り返して
与党に審議時間を稼がせるという皮肉な結果も招いている」…という記述に至っては
野党の質問にマトモに答えられない法務大臣と、ちゃんと質問をしている野党議員を「同列に扱う」ものであり
典型的な「どっちもどっち論調」であるとともに、「質疑がかみあわない」原因が法務大臣にある…という、
最も大事な点を隠している点で、まさに「事実をありのままに見ないで記事を書いてる」という、
「公平でない立場」がミエミエ…(って、そんなんで報道人が務まんのか!)
また、「首相の同委への出席を取りやめる余裕も見せ」…という記述は明らかな誤りで、
これは先日のエントリーで書いたように、「首相が法務委員会に出席するとNHKが中継することになる」ところ
強行採決を生中継されるのはマズい…と政府が悪知恵を働かせただけ…なので
与党が「余裕を見せた」わけではありません
さらに、政府提出の重要法案にことごとく賛成する(事実上の)「閣外協力与党」維新の会を
いつまでたっても「野党扱い」しつつ「野党内の足並みの乱れも広がっている」と書くのは
これまた「事実をありのままに見ない不公平な立場」…(って、要するに毎日はそういう新聞なのか!?)
(そやかて「閣外協力与党」と「野党」の足並みが揃わないのは当たり前やんけ…)
ちなみに、この記事にはその他にも「明らかな事実の誤認」があるので、それを指摘しますと…
「野党を批判して(揶揄して)お終い」…の記事なので、
「公平な立場を錯覚している例」としてはまったく不適当でした(…って、なんやねん、それ…)
しか~し、転んでもただでは起きられない…と言うべきか、失敗からも何か得るものがあるはず…と言うべきか
この「提灯記事」の問題点(=明らかに政府寄りの視点に立って記事を書いてるトコ)をあげげてみますと、
まず、「改正案への世論の反対は思うように広がらず」…なのは、
報道機関が共謀罪のことを共謀罪だと言わずに
「共謀罪の構成要件を厳しくした」(あるいは「共謀罪の構成要件を改めた」)テロ等準備罪…なんていうアナウンスで
政府の言い分をそのまんま垂れ流してきた結果でもあるので、
報道機関の振る舞いそれ自体が「公平でない」と思います
次に、「(野党が)学校法人「加計学園」の問題で…安倍政権に揺さぶりをかけようと懸命」…
という表現について言いますと、こんな書き方は「加計事件」が(野党の)政局の道具になってる…とゆうてるに等しく
これまた露骨な政府目線…です
(そやかて、「森友事件」にしろ「加計事件」にしろ、
これを取り上げないで何を取り上げんねん!…というネタやないですか)
そして、「金田氏と質疑がかみあわず、野党議員が同じ質問を繰り返して
与党に審議時間を稼がせるという皮肉な結果も招いている」…という記述に至っては
野党の質問にマトモに答えられない法務大臣と、ちゃんと質問をしている野党議員を「同列に扱う」ものであり
典型的な「どっちもどっち論調」であるとともに、「質疑がかみあわない」原因が法務大臣にある…という、
最も大事な点を隠している点で、まさに「事実をありのままに見ないで記事を書いてる」という、
「公平でない立場」がミエミエ…(って、そんなんで報道人が務まんのか!)
また、「首相の同委への出席を取りやめる余裕も見せ」…という記述は明らかな誤りで、
これは先日のエントリーで書いたように、「首相が法務委員会に出席するとNHKが中継することになる」ところ
強行採決を生中継されるのはマズい…と政府が悪知恵を働かせただけ…なので
与党が「余裕を見せた」わけではありません
さらに、政府提出の重要法案にことごとく賛成する(事実上の)「閣外協力与党」維新の会を
いつまでたっても「野党扱い」しつつ「野党内の足並みの乱れも広がっている」と書くのは
これまた「事実をありのままに見ない不公平な立場」…(って、要するに毎日はそういう新聞なのか!?)
(そやかて「閣外協力与党」と「野党」の足並みが揃わないのは当たり前やんけ…)
ちなみに、この記事にはその他にも「明らかな事実の誤認」があるので、それを指摘しますと…
Q「国民の理解は得られているのか?」
菅「世論調査では、共謀罪の必要性を訴える方が多くなってきていると思っている。」
しかし、各社世論調査の結果は真逆。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20170520/20170520125806.jpg
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20170520/20170520125807.jpg
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20170520/20170520125808.jpg
(↑ひとさまのtweetより)
政府に「テロ等準備罪」と言われて、一瞬騙されそうになった市民も
4月になってようやく「テロ等準備罪」が「共謀罪」そのもの…であることに気づき始めて
反対が賛成を逆転した…のですから、この記事の「改正案への世論の反対は思うように広がらず」…
という記述は「明らかな誤り」であり、こんな誤りは「故意でなければ書けないくらいのデタラメ」です…
(う~ん、この記事を書いた人は「公平でない」というレベルを遥かに超えて「デタラメを書く人」だったのね…)
ちなみに、菅ちんのこのデタラメ記者会見発言を受けても
居並ぶ官邸記者クラブの記者たちは「それは間違いです!」と誰も突っ込まず
ただ黙って菅ちんの「全く当たらない(=ウソ)発言」をそのまんま聞いてただけ…というんだから
彼らにはもう、「公平な立場」(≒事実をありのままに受け取って判断する立場)に立たないといけない…という、
職業倫理さえないようです
※付録…各(自称)報道機関は、共謀罪の法務委員会強行採決をどのように伝えたか…朝日→強行採決
毎日→強行採決
読売→可決 採決に野党反発
産経→可決 野党猛抗議
東京→可決強行
日経→強行採決
時事→採決強行
共同→採決強行
NHK→修正で可決
フジ グッデイ→強行採決※採決踏み切る
TBS ゴゴスマ→賛成多数で可決
日テレ ミヤネ屋→高須
(↑ひとさまのtweetより)(それにしても「賛成多数で可決」って、アンタ、反対多数やったら可決せえへんねんから、そんなん当たり前やんか…)
紙面の写真つきのtweetも紹介しとこ…怒りの6紙同時買い。
「強行」と書いたのは朝日、毎日、東京。
「#共謀罪 」と書いたのはその3紙に加えて日経。
強行と書かず共謀罪も書かない読売、産経はキモい。
いずれにしても#平成の治安維持法 は許せない。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20170520/20170520224420.jpg(日経は、衆院法務委員会での可決だけで「共謀罪法案 今国会成立へ」と書くのね…)