不正の証拠続々 加計問題は初めから“ありき”のデキレース

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いつまでシラを切るのか(右上は今治市が開示した文書)/(C)日刊ゲンダイ
 安倍首相の「腹心の友」、加計孝太郎氏が理事長を務める「加計学園」(岡山市)が愛媛・今治市で進めている獣医学部新設。「総理のご意向」文書を本物と断じた前川喜平前文科次官は「行政が歪められた」と嘆いたが、やっぱり、初めから加計ありきの“デキレース”だったことがハッキリしてきた。証拠が次から次へと出てきているのだ。 

15回断られても…加計学園はなぜ獣医学部に執着したのか 

 自由党森裕子参院議員が6日の農水委員会で明らかにした文書は、いかに早い時期から“加計ありき”で計画が進められていたかを証明するものだ。 

 今治市獣医学部新設を提案する以前の2015年4月2日に市の幹部職員が首相官邸を訪問していることを示す文書である。情報公開請求に基づき今治市が公開したモノで、“出所”はハッキリしている。間違っても“怪文書”ではない。訪問目的は「獣医師養成系大学の設置に関する協議」。かなり前から、官邸を巻き込んで、今治市加計学園獣医学部を設置する話が動いていたことになる。 

 首相官邸での対応者は残念ながら黒塗りだが、安倍首相と密談していた可能性が高い。その日の「首相動静」を見ると、今治市幹部が訪問した時間に、安倍首相は、下村文科相、山中文科次官を官邸に迎えている。つまり、大学設置の用がある今治市職員と、文科行政の両トップ、そして安倍首相が同じ時間に官邸にいるのだ。 

■15年4月には今治市幹部が官邸訪問 

 同じく6日、もう一つ“加計ありき”だった証拠が見つかった。昨年11月9日の「国家戦略特区諮問会議」に対応するための「想定問答集」だ。民進党が公表した。会議に出席予定の松野文科相向けに作成された文書である。官邸に憤る文科省役人が民進党にリークしたとみられるが、驚くべき内容だ。 

 この時点では、加計学園今治市のほか、京都産業大学獣医学部新設に手を挙げていた。ところが、問答集にはこんな記述があった。 

Q<今治市獣医学部を設置することを決定することか> 

Q<今治市において獣医学部を設置する特定事業者はどのように設置されるのか> 

 新設を希望していた京産大の“き”の字も見当たらない。最初から京産大を排除するつもりだったのは明らかだ。 

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。 

「政府は法令にのっとっているというが、問題は、首相の40年来のお友達のために、きわめて不自然なプロセスで、あり得ない決定がされたということです。今回出てきた文書で、最初から加計学園ありきで動いていたことがさらにハッキリしました。官邸ぐるみの巨大なインチキです。官邸が無視しても、野党は証拠の暴露を粘り強く続けるべきです。そのうち国民も気付くはずです」 

 安倍官邸は問題を沈静化させるために、18日に国会を閉じるつもりでいる。しかし、野党は徹底的に追及しないとダメだ。