ダンサー「セルゲイ・ポルーニン」

ダンスやバレエには無縁だった私ですが、
このポルーニンのバレエ?には一目で惹きつけられました。
人間の身体とその動きそのものが美しい「芸術作品」に・・。

ユーチューブで2000万回近く再生されたという彼のダンス

「神の贈り物」とも評される肉体美と完璧な技。苦悩と希望に揺さぶられる若い魂を表現したバレエ『Take Me to Church』は、YouTubeで2000万回近く再生された。バレエとしては異例だ。


彼のダンスやバレエなら、いつまでも眺めていたい。
こちらはわかりやすいバレエ。体操とは優雅さ、しなやかさが違いますね。

下記はhitomiさんの記事から・・。

芸術の役割について本質を語っています。まだ27歳なのに!!

美しき異端のダンサー、セルゲイ・ポルーニンが来日「世界に足りないものを補うことが芸術の役割」  2017年4月28日 14:00   (映画com.より)



英国ロイヤル・バレエ団史上最年少の元プリンシパルで、バレエ界きっての異端児
と言われるダンサー、セルゲイ・ポルーニンが、ドキュメンタリー「ダンサー、
京藝術大学美術学部准教授の箭内道彦氏が質問した。
芸術とは?
「美をつくり、人の心に通ずるもの。
世界には足りないものが多く、それを補うのが芸術だと思います。
戦争やテロなど悪いことが溢れているからこそ、芸術は優雅で美しいものとして存在する。芸術家は世の中を導くことが出来る存在、政治家もクリエイティブなビジョンを持つべき。どんな仕事であってもクリエイティブであれば、みなアーティストだと思うのです」
若者へのアドバイス
「勇気を持ってください。・・・安定する場所まで降りようとするのが人間の性質だと思うけれど・・安定しない高さで、高いまま必死に維持しようとする、そういうイメージを私は持つようにしています。失敗を恐れず、そうすると前進することが怖くなくなるのです。
そして、自分にとって心地のよい環境を探すこと。孤独を恐れず、静けさの中に身を置くこと。自然のエネルギーに耳を傾けると、自分しかわからない答えが見つかることがあります」
最後に、自身のゴールは?
「世界を一つにすることがアーティストの仕事だと思うのです。
地球上に人間がいて、家族があって、愛があって、国や文化が違っても基本的には同じこと
国境はいらないと思います」と穏やかな口調で語った。 
映画のストーリー&感想>

1989年、ポルーニンはウクライナの貧しい家庭に生まれる。
生まれながらの柔らかい体や運動能力を伸ばしたいと考えた家族は、彼にバレエを習わせる。父や祖母は外国で働きながら学費を稼ぎ、そんな家族の期待に応えようと彼は練習に励んだ。
英国の王立ロイヤル・バレー団に入ると、19歳で史上最年少のプリンシパルに抜擢。しかし、その2年後、人気の絶頂でロイヤルバレエ団を退団してしまう。
なぜ??
それは、彼の人気によるおごりからではないかと噂され、彼は全てを失い苦しむ。
映画では、彼の繊細で傷つきやすい心をインタビュー等を通して探り、真実の彼の姿に迫る。
自分が家族を幸せにしたいと考えていたのに、両親の離婚に傷つき、またバレエ団の仕事が薄給で家族を支えることもできないことや、自由な身分ではないことへの反発もあったようだ。
バレエの有り余る才能をもちながら、いったんリセットしてしまったポルーニンではあるが、神はその才能を放っておかれなかった。
人生の師と仰ぐゼレンスキー氏との出会いで、彼は自分の能力を再び開花させるべくダンサーとしての人生に戻ってきたのだった。

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彼には普通の楽しい子供時代はなく、親の期待に応えるために練習の毎日、親の支配下におかれたような前半の人生。類まれな美貌と能力で早くも名声と評判を手に入れたが、約束されたバレエのエリートとしての人生に乗ることはなかった。

しかし、ポルーニンがいったん自分の人生をリセットして、自分が何をやるべきかを見つめなおし、その上で「踊ることが自分の道」と、改めて自分のダンサーとしての人生を選んだことは良かったと思う。
前半が彼の天賦の才能を伸ばそうとした母親から受け継いだ人生とすれば、
リセット後は紛れもなく、彼が選び取った人生だから。
神から授かった天賦の才能は使わなければ…。
そんな宿命の下に生まれついた人のようにも思えた。

ふと、ヴォーリズを思い出した。
ヴォーリズキリスト教を広めることを目的に高校教師となって日本にやってきたが、仏教色の強い地域であえなく首に・・。
彼の人生もいったんリセットされた。
しかし、ヴォーリズは、ここで自分が本当にやりたかった建築の仕事に戻り、それを通して、本格的に宣教活動を広げた。
高校教師でいた時よりも、 幅広く豊かな活動によって、建築、メンソレータムの事業、病院、学校と彼の仕事はさらに大きな実を結んだ。

ポルーニンも、バレエ団は離れたが、自分の能力をダンサーとして使いながら、「バレエ団の踊り手」だけにとどまらない幅広い芸術活動で、彼の能力を更に豊かに開花させることを願いたい。できれば、これからの人生は、家族に恵まれ、人並みな幸福も味わってほしい
ドキュメンタリー映画「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン」の予告です。