福島第1原発の爆発についてのわかりやすい説明(3月13日早朝)《転載》

ブログお休み中ですが、メールに入っていた情報を共有していただきたいので転載します。

 ネットワーク『地球村』代表 高木善之

官房長官の会見、とても評判悪いですが、
昨日の事故についての政府(官房長官)の説明も、
原子力安全保安院の説明も、一生懸命の説明はわかりますが、
肝心なことが伝わらないのでよくわからない説明になっています。

事実は次の通りです。

きのうの爆発は、
最悪の事態である炉芯格納容器の爆発ではなく、
炉心格納容器の建屋の爆発だった。
それによってかなりの放射性物質が放出された。

時間経過で説明すると
地震と同時に原発は緊急停止
 緊急停止とは制御棒が挿入され核反応を停止する。
 しかし、核反応がゼロになるのではなく3%程度は残る。
 温度は上がるので、冷却水の供給を続けなければならない。

②停電により冷却水の供給もストップ
 停電時に緊急用電源で冷却水を供給することになっていたが、
 ディーゼル発電機が全部(13台)動かなかった。

③炉心容器の水位が下がり炉芯が露出
 温度が上がり炉芯熔融が起こった。
 炉芯熔融が起こると炉芯容器の温度と圧力が上がり、
 炉芯容器の爆発の可能性が高まる。
 炉心容器が爆発すると最悪の事態(チェルノブイリ級の事故)となる。

④炉心容器の爆発を避けるために内部のガスを放出(ベント)
 これによって放射性物質が放出された。
 1,000マイクロシーベル(←安全基準の約10000倍)が確認された。

⑤建屋の中の水素ガスが水素爆発
 炉心容器内の水素ガスが建屋内にたまり、
 空気と反応して水素爆発し建屋が吹っ飛んだ。
 炉心容器内の水素爆発ではなかったから最悪の爆発ではなかった。

⑥炉心容器内に海水の注入
 最悪の事態を避けるために炉心容器に海水を注入。
 海水の注入は最後の手段(廃炉の可能性あり)なので判断が遅れた。

⑦炉心の温度が下がった
 炉心容器のガス抜き(ベント)が終わったことで、
 放射線量は70マイクロシーベルに下がった(安全基準の70倍)。

★これまでの問題点
①停電によって冷却水が循環しなくなったこと。
②非常用のディーゼル発電機が動かなかったこと。
③代わりの電源車も動かなかったこと。
④その後、手配した電源車も動かなかったこと。
⑤そうした事実を発表しなかったこと。
⑥ベントについても、その危険性を発表しなかったこと。
⑦危険性を知らせないまま、非難や屋内待機を指示したこと。
⑧水素爆発の時点でも、なにも発表しなかったこと。
という一連の判断ミスが目立った。

★現在の問題点  
①このような状態(冷却水の停止)が他の原発でも起こっている。
 福島第一原発(6基)と福島第二原発(4基)の複数で起きている。
②冷却水の水位が低下すると炉心が露出し、炉心溶融の可能性がある。
③それを避けるためにベントをすれば、放射性物質が放出される。
④水素爆発の可能性がある。
炉心溶融や水素爆発によって、
 炉心容器が爆発すると最悪の事態(チェルノブイリ級の事故)

政府(官房長官)の発表も、
原子力安全保安院の発表も、あてにならない。
原子力資料室の情報や、一般市民の現場の情報の方がリアルで信頼できる。