チェルノブイリの晩発性障害に取り組むジトーミルの3医師~広島の被爆者・食養家の平賀佐和子先生との対話(1992年7月)~

(而立書房刊『ジュノーさんのように』第2巻「チェルノブイリからきた医師と子どもたち」p.165~166より)


チェルノブイリ救援・中部」の招きで来日された、ウクライナ共和国ジトーミル州の3人の医師の方々が7/3~9の間広島に来られました。(注:1992年7月のことです。念のため。)
 原対協・健康管理増進センターでの見学研修、被爆者の方との対談など、ヒロシマをできるだけ多面的に伝えたいという思いで取り組ませて頂きました。(中略)
 
 3人の医師の方々は――
 グリシュチェンコ・ヴラジーミル・ミハイロヴィチ(通称・ヴァロージャ先生 38歳)
    ジトーミル州バラノフカ村の病院院長。 
    ガンの専門家。
 ヴェロシツキー・アレクサンダー・ニコライヴィチ(通称・サーシャ先生 37歳)
    放射線治療の専門家、東洋医学に興味を持つ。コーラステン地区ガン治療責任者。
 チュムト・リュドミーラ・オレゴヴナ(通称・リュドミーラ先生 31歳)
    ジトーミル州子ども病院勤務。
    小児科医・血液学(特に白血病)の専門家。

 7月3日午後12時40分、ジトーミルのお医者さんたちがジュノーの会事務局スタッフ4名の待ち受ける広島駅に降り立った。(中略)一行を、まずはお好み村に御招待。(中略)
 お好み焼きはたいそう気に入って頂けたようで、一路ホテルへ。わずかの間でしたが休憩を取り、アジア文化会館(ABK)での平賀佐和子先生のお話に備えました。

 ジトーミルの医師たちとわれわれがABKに到着した時には、平賀先生は御夫妻で既に到着されており、ターニャさん、そして御両親(ヴァロージャさん、ヴァーリャさん)も含めた席でお話が始まりました。

 平賀佐和子先生は9才の時2キロ地点で被爆、黒い雨の中びしょ濡れになりながら避難された。火傷のため体中が水ぶくれになり、顔が3倍ほどに腫れ上がり、泣きあかす日々だったそうだ。1週間後に山口へ引っ越されたが、その後も火傷の跡がケロイドになったり、髪の毛が抜けたり、下を向くだけで鼻血がしきりに出る状態が続く。原爆特別手帳が交付され、診察を受けるたびに肝臓障害でひっかかる。それまで田舎にいたので原爆症というのを知らずにいたが、広島に出てきて初めて、同じ症状の人がいたことを知る。そして比治山女子高校教師時代の23歳の時、桜沢如一先生との出会いがあり、玄米正食に取り組まれることになった。

 初めて桜沢先生の話を聞かれた時、「一度に理論を理解することは難しいが、血液をきれいにすると健康になれる」と思われた。あくる日から「玄米、ごま塩」を実践。1カ月で体重が10㎏減り、体に変化が生じているのに気づく。異常な出血が起き、「たいへんだ」と思ったが頑張る。体の大改造が起こったようだった。すると次第に身軽になり、調子がよくなる、ニキビだらけの顔もすっかりきれいになった。
 玄米正食を学ぶうちに、被爆直後梅干を絶えず食べ続けたのは奇跡的とも思えるほどよいことだったと気づく。放射能は陰性(体を広げる)のもので、陽性(体を縮める)の食べ物、例えば塩分を取ることは非常に良いことであるそうだ。長崎の秋月辰一郎医師によると、砂糖を取った人たちは死んで行ったが、砂糖を取らなかった人たちは爆心地に近かったにもかかわらず、死ななかったとか。その他にも玄米正食の効用、考え方をいろいろ教えて下さった。
 ジトーミルの3人の医師たちには、東洋的な内容の理解はかなり困難だったのではないかと思われましたが、熱心にメモを取りながら耳を傾けられ、次のようなやり取りがありました。
(つづく)


梅ドみ 3/28~7/27(水)
 福島市NPO法人シャロームと連携して、フクシマの被災者の方々にお届けしています。
 ≪ここに挙げるのは、購入分のみです。多くの方々が、自家製味噌、自家製梅干し(多量集まりました)、乾燥ドクダミ、無農薬玄米などを現物で提供してくださいました(現在も継続中)。特に乾燥ドクダミは、刈って、きれいに洗って、充分に陰干しをして、適度な大きさに切って、ビニール袋に小分けして詰めるのですが、ここまで結構、時間も労力もかかります。頭の下がる思いのすることもあります。また、購入分につきましては、府中味噌組合3社、ひろしま全農、マルシマ食品等、広島県内の製造・販売元の方々が、利益抜きの奉仕価格で特別に提供してくださっています。≫

残高 -525,780円   収入(梅ドみ募金)2,003,066円   支出(購入分)2,528,846円   
(内訳)味噌 2,940kg 857,000円; 梅干・醤油 564,035円; 十穀 24,549円; 無農薬(無化学肥料)玄米 60kg 25,800円; 無農薬(化学肥料半減)玄米 120kg 45,200円; ドクダミ(茶)、青のり、黒ごま、自然塩(天日塩)、ウーロン茶、ほうじ茶、かき葉、はぶ茶、ワカメ、昆布、ニンジンなど 599,426円; 漢方入浴剤・貼薬材料 83,937円;濾紙、ペットボトル16,124円;段ボール、フリーザーバッグ、粘着テープ、はかり、やかん、容器、アルコール、ハサミ、ピンセット、コットン、ペットボトルなど 79,065円;運送費 233,710円(80回分)

(7/26・火)第80便(クール便1箱):ジュノーの会入浴剤(非売品)43本、わけぎ3束、キュウリ12~3本 

  みなさん、ジュノーの会・「梅ドみ募金」に力を貸してください。「梅ドみ」とは「梅干し・ドクダミ茶・味噌」のことです。ヒロシマナガサキを生き抜いた人びとの代表的な養生法を紹介しています。
  毎日1個の梅干し昔ながらの、天日塩とシソだけの)、毎日1杯のドクダミ(ウーロン茶とのブレンドで2~3杯)、毎日1杯の(昆布ダシ、ワカメの)味噌汁――これが基本ラインの目安です。これを毎日続けること。(ドクダミ茶については、①飲みすぎに注意してください。おいしいと感じることが目安です。②
妊娠中、授乳中の方は医師か薬剤師にご相談ください。)
  砂糖は摂らないようにしてください。黒ゴマ、自然塩(天日塩)、柿の葉、ニンジン、ハブソウ、ほうじ茶(緑茶は避けたほうがいいのです)などを摂るとよいのです。プレーン・ヨーグルトにも排毒の作用があります。あと、免疫力を高める強力な作用のあるのが「青のり」。青のりを天日塩でうすい塩味にして、ふりかけのようにして食してください。 
 ヒロシマ被爆時には、人びとは藁をもつかむようにして、ある人はドクダミを飲み、ある人はナスの味噌漬けを食べ、ある人はカワラヨモギを食べました。今はいろんな食品で排毒する知恵が見つかっていますので、一つ一つの食品については、過度に食する必要はありません。ドクダミ茶や昆布などは、摂りすぎに注意したほうがよいくらいです。
  たくさんのフクシマ放射能被災者の方々が「梅ドみ」「解毒」を求めておられます。国や県、行政の支援は望めません。待っているわけにはいかないのです。ただちに「解毒」を! 遅れれば遅れるだけ危険が増します。
  どうか、全国の非被災地のみなさんの力で、より多くのフクシマの人々に、「梅ドみ」に代表される「ヒロシマの知恵」を届けてあげてください。そして、ご自分でも、「梅ドみ」を入り口にして、「健康」を求める生活を始めてください。

 いま、私たちは何をすべきか。 
 大筋だけをズバリと言わせていただく。
 まず、初期の医療空白の時代には、呆然と待っていたりせずに、ヒロシマナガサキチェルノブイリで効果があったと伝えられる療法を可能な限り試みることである。
 次に、政治方面の努力を急いでもらって、一日も早く「全科無料定期検診制度」と「全科無料治療制度」を確立すること、そしてそれを守り抜くことである。そのとき、初めて、現代医学は力を発揮するのである。
 (「ジュノーさんのように」第116号より)

ジュノーの会

ヒロシマ・ジュノーの会のチェルノブイリ被災者支援、フクシマ被災者支援の情報提供のためのブログより