MBSたねまきジャーナル/海の放射能汚染と40年間闘っている東京海洋大学の水口憲哉(けんや)さんのお話

海の放射能汚染に関して、40年間闘っている東京海洋大学水口憲哉(けんや)さんのお話がありました。今日は小出先生のお話はお休みで、来週月曜にも水口さんとのお話があります。

 原発のニュース、高知、土佐沖で獲れた魚からセシウム検出(2ベクレル)です。

 事故の野田総理の終息宣言、冷温停止状態で、不測の事態でも低い線量になり、事故は収束したと発表し、しかし融けた核燃料のことは不明で、避難した人の帰還も不明です。


正常な炉心で100℃以下になることを冷温停止と言い、今回は通常の定義は当てはまらず、圧力容器の底が100℃以下、放射能の放出が低下したとしてこの発表です。
 
しかし、汚染水の問題もあり、近藤さん、冷温停止「状態」であり、本当の冷温停止でもない、事故の収束、影響については野田氏言っておらず、良かったと思う人は少ない。メルトダウンしているのに、どこまで言えるのか、焦りを感じると言うことで、水野さん、余計に信頼が下がると言われました。
水口さんのお話
「海の中はどないなっとるねん」で、高知の土佐湾のカツオでセシウム検出について、リスナーより驚きがあり、高知の汚染に愕然との話で、水口さん、ある程度予想されたことで、2ベクレルなら、もともとそれくらいある(カツオは赤道近辺で、日本の周りに来て、その時は低いが、2ベクレル程度なら汚れる、北から戻っており、10ベクレル以上のものも出てくるのです)。
高知沖で、もっと高いのも出る可能性もある。
 
 海藻に出ると言う話があり、事故直後はヨウ素131が大量に出て、海草のヨードに似て高い値になる、実際高く、グリーンピースが測り高かった、その後水産庁があわてて測ったのです。なぜ水産庁が測らなかったかは怖かった(出ると分かっていたから)、茨城~千葉沖の海藻は食べてはいけないと水口さんいい、どこもその話を取り上げず、その後、グリーンピースの測定値が出たのです。
 今はヨウ素131は消えているものの、福島、茨城にはセシウムが出ており、南、西では、利根川の流出、黒潮で、房総以南には放射能はあまり行かない、神奈川より南は心配はいらないのですが、回遊するブリ、カツオは大きくその流れではなく、汚染されているのです。
事故の後、水口さん、30km以上の避難が要ると言い、実際は10→20→30となり、初めから事故を小さく見せたい、電力会社も含めてそうで、水口さんの疑うことが起こり、マスコミも無視し、チェルノブイリを知っている人は30km避難といい、アメリカが80km避難と言ったのも正しかったのです。事故を小さく見せようと、政府が一番パニックになっていたのです。

 放射能汚染が海洋で続くこと、日本は、アメリカでは汚染したマグロが来ると警戒しており、水口さん、世界の9月号にマグロと放射能を書いています。
アメリカ西海岸に牡蠣の筏が行き、つまり放射能も一緒に行っているのです。
ロンドン条約もあるものの、事故は仕方ない、大気圏の放射能は地球を何週もして、アメリカ、ヨーロッパは日本より警戒しているのです。


日本は原発推進の呪縛にとらわれて、ドイツは厳しい勧告を出して、日本はその100倍甘いのです

 リスナーより、回転すし、魚は大切であり、魚の汚染で、海の水で薄まると言われるものの、それは、最初は政府も言っていたものの、水産庁、調査結果を見て、マダラは9か月後に汚染のピークが来て、福島のマダラは12月に高止まり、新聞は報じないが、都道府県の調査はHPに載っているのです。
膨大なデータ(4745件)があり、事故直後のコウナゴの検出はあるものの、その後魚、海洋への警戒感は薄まりましたが、東日本のお母さんは子供に放射能汚染の魚を食べさせず、水口さんも魚の選び方を書いて売り切れ、どういうものが大丈夫か、安心な魚もあると書いて、日本には安心なものもあるのです。
日本海側、瀬戸内はOK、ブリ、カツオは要警戒です。水産庁のQ&Aは信用しない方がいい(古い)のです。

 濃縮の話、生体濃縮、海水の放射能プランクトン→小魚→大きめの魚、となるうちに食物連鎖で濃くなり、濃縮係数は20~100、魚は海の100倍になるわけです。何十~何百倍に濃くなるのです。

 ストロンチウムも出て、セシウムが最多で、ストロンチウムは骨にたまり(魚、人間共に)危険である、どれくらいどの生物にあるかは、調査に手間がかかり、しかし、セシウムが大変で、ストロンチウムセシウムより少ない、まずはセシウムを調べないといけないのです。内部被曝を考えたら、小さいな子供には10ベクレル/kg以下でないとだめなのです(暫定規制値の1/50、ドイツでは何と5ベクレル!だからドイツは脱原発になった、チェルノブイリバイエルンは大変なことになった、東京も大変なもの、パニックになるので言わないだけなのです)。
海のホットスポット、海流でたまりやすい場所はある、海の調査は大変で分かりにくい、魚種ごとに調べないといけないのです。
 
で、来週の月曜、小出先生と一緒にお話があります。今日は、水口さんのお話をお届けしました。
 
さらに詳しく知りたい方は,海のホットスポットをご覧下さい。
URL: http://blogs.yahoo.co.jp/social_corner/2153645.html
 
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『海辺の対話』  by 水口 憲哉