野呂美加さん講演会 その1 「チェルノブイリと同じ涙を流さないために」

チェルノブイリから学んだ放射能対策」          チェルノブイリへのかけはし」代表、野呂美加さんの講演

12月12日(月)
10時~12時  講演   12時半~14時  質問会
生駒市コミュニティセンター会議室にて
 
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野呂美加さんのプロフィール
チェルノブイリ事故で被曝した子ども達に「放射能のない日本で夏休みを過ごしてもらおう」
という,日本での里親運動を1992年より19年続けている。68人の子ども達を保養させてきた。
ヶ月の保養を終えると、子ども達は見違えるように元気になる
(今年は日本で原発事故が起こり,この活動は休止。)
2005年、世界市民賞受賞。        全国をかけまわって初めて奈良へ。
 
関東(横浜や東京など)から,関西に避難されたお母さんと子ども達もたくさん参加.
関東にいた時の子どもの心配な症状を訴え、これからどうしたらいいのか?などのお母さんの質問にも、
美加さんはとても丁寧に答えてくださった。これは次回に・・・
 
とても,良いお話しでしたので、数回に分けて少しずつアップします。
 
 
チェルノブイリのかけはし」DVDより・・

チェルノブイリで被曝したヤドチェンコ・カーチャさん
転地療養1ヶ月で、身体の放射能は半分に・・・・

被曝後、原因不明の熱や、たびたびの頭痛で体調が悪く、9歳の時、北海道で療養する。NPOの山本さんが世話することで、1ヶ月で腹痛も治まり明るくなり、気持ちも前向きになった。
帰国すると・・・親戚や友人が白血病や癌で苦しんでいるのを見て、医師を目指す。
北海道に来て2週間もすると,避難してきた子ども達の体内の放射能が半分になる。しかし、また戻らねばならないが、生きる希望を与えたい。
カーチャさんと子ども達は、受け入れてくれた日本に感謝している。
 
「かけはし」は、放射能汚染の子ども達を守る活動。
3月11日から9ヶ月が過ぎた。昨年と同じクリスマスや正月は迎えられない。
朝のニュースで、「今年は暗かった。ボーナスは自分のために使う」という人がテレビに出ていた。でも、自分たちはそういう世界には生きていけない。
福島の人のことを考えたら、そうは思えない。

チェルノブイリでは強制避難。しかし日本は・・・・

チェルノブイリ事故から7年後・・・180キロ離れたところだが、皆,病気になり、村人全員移住させられた。放射能はみんなばらばらで発症する。この村では、たまたま子どもが黒板の字が見えなくなり、政府がやってきて廃村になった。0,412シーベルトだった。
年間被曝量は1ミリシーベルト5ミリを超えるとチェルノブイリでは強制移住になる。年間1ミリとすると、もう、関東ではほとんど超えている。大阪でも0,8に近づいている
月27日の福島郡山市役所 8,788マイクロシーベルト
あまりにも高くて,走って逃げた。チェルノブイリでは1,00を超えるところの人は住んでいない。それほど怖い数値が郡山で出た。入り口ですらこの数値、森の奥など怖くて行けなかった。
3/11以降、そんな高い数値のところに人を放置して、無駄な被曝をさせていたことになる。
 
事故を5分間でまとめる
炉心の温度が上昇して,燃料が溶け、事故から1時間後には原子炉の容器を出てしまう。コンクリート床面に落下。落下した燃料からガスを放出し、温度と圧力が高くなり、漏洩が始まる。今回は最悪の事例。これが3月11日~3月15日に起こったことだが、テレビでは全く違うストーリーだった。誰が作ったストーリーなのか?
今、福島関東で起こっていることは大変なこと。子ども達の寿命が関西とは違ってくる医師も政府から抑えられ、教師も抑えられ、動いていない。
あの中を動くなら,重装備をしないといけない。その中を二ヶ月以上無防備にさせられた。
今年、マイコプラズマ肺炎が流行っている。それも、放射能が原因の一つ。
20日も経っていないうちから、事故は収まったと思われていた。ヨウ素剤も配られず、原発の爆発も知らなかった。これは政府の責任。
児玉先生が、文科省に通報したが,全く取り上げられなかった。
 
炉心溶融に入っている。それを冷やすものもルートもないのに、何を冷やすのか?
冷却水を海に流し、今後、何十年も周辺の魚が食べられない・・。しかし、それを隠している。
釧路でも、汚染されたものが学校給食で食べさせられた。子どもたちが犠牲になる。そして、汚染食物は関心のないところ,西側に流れていく。
 

汚染ガレキの問題について

ベラルーシでは,25年間手をつけられなかった土地をやっと埋め立てて、宅地にしようとしている。無関心な人達をここに住まわせようと・・・。
ガレキを埋め立てると、地下水に入っていく。秋田でも埋め立てられている
 
燃やすのも問題。0,05マイクロが0,5マイクロまで上がってしまう。
「燃やすのを止めて!」と言っても、「もう少し、我慢しろ」と言われ、そこに住んでいられなくなる。北海道でももう事故は終わったという感覚。
国では8000ベクレルまでは埋めて良いとされている。沖縄でホームセンターで売っている土をはかったら すごい数値が出て販売中止になった。しかし、いくつかは売れて、土地にまかれてしまった
このように、関心のないところに、放射能はまわっていく。
(関心を持って、ガレキの拡散などに反対の声を!)
 
東京でも,安全と言われる公園の落ち葉で0,09が出たりする。子どもはもう自然の中で遊ばせられなくなった。安全な自然はなくなり、前の世界には戻れない
室内育児に切り替えないといけない。しかしそれが報道されていない。
チェルノブイリは関東と同じレベル。ロシアのペチカの灰が高濃度になり、それが舞い上がって広がった。福島の数値は人が住めるものではない。
がれきを片付けるよりも、人の命、避難が先です!
 
・・・・・その2に続きます。