悪魔のモンサントその2

 
TPP参加に歩を進めることによって、日本にもモンサントの野菜や種子が大量に入ってくる可能性が濃厚になりました。
東海アマさんのブログで、参考になる記事を見つけましたので転載させていただきます。
 
悪魔のモンサントその1:
【インドで農作物が壊滅的な不作に陥ったため、生活に苦しんだ1500名の農民たちが集団自殺を行うといういたましい事件が起こった。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090416_1500_farmers_mass_suicide/

 インドのチャッティスガル州ではほとんど雨が降らず、どこの水位かは明らかにされていませんが、基準値よりも250フィート(約76メートル)も水位が下がり作物が全く収穫できなかったそうです。過去40フィート(約12メートル)ほど水位が下がったことはあったようですが、ここまで水位が下がったことはないとのこと。今回の干ばつによって農作物は壊滅状態。ほとんどの農民は収入が無くなり、どうすることもできなくなった結果、集団自殺を行った。
 また、集団自殺が行われたチャッティスガル州に住む農民のほとんどが借金しており、今回の凶作で収入が無くなり、返済金が払えない上に生活することができない農民が増えて、今回の集団自殺につながってしまったとも考えられているとのこと。】

 今年、四月中旬に流れたこのニュースでは、自殺の原因が干魃にあるかのように書かれているが、実はそうではない。農民たちが集団自殺に追い込まれた本当の理由はモンサント社にあった。
 しかも、それは1500名どころではなく、すでに2006年のレポートで、借金に追い立てられた綿花栽培農民の自殺が実に10万名に達するというのが真実である。
 インドでは、モンサントが政府官僚を買収し、自社の特許に基づいたF1種綿花が強力に奨励されてきた。遺伝子組み換え綿花種子(GM綿→BTコットン)が進出したとき、これを「白い金塊」と呼びはやし、必ず高収益が得られるとインド政府とともに大宣伝したのである。

 農民には選択肢がなかった。市場には政府の指導によってBTコットンの種子しか売られなくなった。しかも、BTコットン種子の価格は、在来種の4倍もする。綿花栽培農家は、借金して、それを購入するしかなかった。しかもモンサント系列の苛酷な貸金業者が資金を貸し付けることになった。

 しかし、GM綿花の栽培には、高価な農薬が大量に必要だった。在来種と比べて農薬経費が20倍になった地域もあった。
 さらに遺伝子組換え綿花は、その大げさな宣伝と反対に、実は特定の害虫には効果があるが、他の害虫に抵抗性がまったくないため、各地で壊滅的被害が出ている。おまけにBTコットンに新種の病害が出て在来種にまで伝染し、大変な損失が出るようになった。
追い打ちをかけるように、世界市場で綿花価格が下がると、耕作経費を回収することさえできなった。
 このため、借金に追いつめられたインド農民は自殺以外の選択肢がなくなってしまった。2005~2006年の一年間で、600人が自殺した。自殺者は一日に3人出ることもある。その後の半年では、自殺者の数は680人にも及んでいる。
 2008年には、年間2万人を超える農民が自殺するようになってしまった。累計では20万人をはるかに超える。

 これに対して、インドの農学者たちは、これはモンサントによる農民ジェノサイドであると激しく糾弾している。
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/asia/news/06050901.htm

 インドネシアでは、農民に種子と農薬を買う資金を貸したのがモンサント社の系列会社だったので、借金を返せなくなった農民がモンサント社との契約に縛られ、さらに悪い条件で労働を強いられた。
 インドの農民は、多国籍企業による侵略戦争の犠牲者であり、インドネシアの農民は、企業の奴隷にされたと言われた。
 
http://www5.plala.or.jp/nijiya231-9288/HATAKE/idennsi/hatake_0512_idennsi.htm#a03

 モンサントバイオ種(F1)を栽培すると、年ごとに種子を買わなければならない。使う農薬も「ラウンドアップ」(根こそぎの意味)をはじめ、モンサント社製だけを指定される。それ以外を使おうとすると特許や契約によって法外な違約金を要求される。
 収穫された遺伝子組換え大豆を買い上げて販売するのも多国籍企業であり、完全な市場を独占に成功し、価格をモンサントの意のままに設定することができる仕組みである。

 おまけにインドにおけるBTコットンは、アメリカの気象に合わせて設計されたものであり、降水量の不安定なインドでは収量が少なくなる。近年、地球環境の劇的悪化のなかで、内陸部の干魃化が進行しており、綿花栽培地帯がまともに影響を受けている。
 モンサントは、BTコットンを使えば、在来種よりも二倍の収益を得ることができると大宣伝した。しかし、農学者がアメリカでの実例を調査したところ、モンサントの見積もりの8分の1しか収量がなく、在来種は、それまで通りの収穫があった。
 インドでも在来種栽培農家は、これまで通りの収益を確保できていたのに対し、GM種、BTコットンを借金して栽培した農家は、ほとんど絶望的な収量しかなかった。
 おまけに、GM種は種が取れないので、毎年新たに種と農薬を契約に基づいて買わされることになり、インドの農民たちは、どうすることもできず、自殺以外の手段がなくなってしまい、一度に1500名という抗議自殺をする運命に至ったのである。

 アルゼンチンで、遺伝子組み換え作物がもたらしたもの(畑の便りHP、より引用)

 アルゼンチンは「世界の穀物倉」と呼ばれるほどの農業大国で、90年代に遺伝子組換え作物の栽培が本格的に始まると、わずか10年足らずのうちに、遺伝子組換え作物の産出国としてはアメリカに次いで世界第2位となった。
 このことでアルゼンチンは豊かになったのか? 起きた事態は正反対だった。

 モンサントの持ち込んだバイオ品種のために食糧難が深刻化し、人びとは饑餓に苦しむようになった。専門家によると、全人口3800万人のうち2000万人が貧困ライン以下の収入しか得られず、600万人が極度の飢えに苦しんでいる。経済が下降し始めた90年から03年のまでに、45万人が十分な食料を得られないことが原因で死亡した。
 しかし、アルゼンチンは依然として年7000万トンの穀物を産出する農業大国である。
それなのになぜ食糧難に苦しまなければならないのか? 遺伝子組換え作物の栽培によって農業が輸出専門の巨大産業に変わり、伝統的な国民全体に奉仕する農業システムが失われてしまったからである。

 全農耕地の54%にあたる1400万ヘクタールで大豆が栽培されている。04年には、3400万トンを超える収穫があった。その99%が遺伝子組換え大豆だ。アルゼンチンの遺伝子組換え大豆は、ほとんどが家畜飼料としてヨーロッパの先進諸国や中国へ輸出される。国民が食べることはできない。
 遺伝子組換え大豆を開発したモンサント社は、大農場と提携して遺伝子組換え大豆を広めていった。つづいて周辺の中小農場も、遺伝子組換え大豆が高収入を上げるというモンサント社のPRに引かれて、在来種の大豆から遺伝子組換え大豆へと切り替え、あるいは他の作物をすべて刈り取ってまで遺伝子組換え大豆を栽培した。

 大量販売のコストダウン競争となった大豆栽培では、中小農場は大農場との競争に勝てなかった。モンサントにパテント使用料を払い、高価な除草剤を買うために借金を重ね、それが返済できなくなると土地は競売にかけられていった。
 その土地を買い取った大農場はさらに巨大化してゆく。地元の警察を獲り入れた大農場主が傭兵を使い、小農民を暴力で脅し、村落を襲撃して追い出した上で、土地を奪うということさえ行われた。

 こうして地方の小農民たちが土地を追われて流浪民に転落した。地域の食料となる作物のほとんどを生産してきたのがこの小農民たちであり、アルゼンチン農業の伝統を受け継ぎ、数多くの作物を育て、さまざまな品種の種子を保っていたのもこの人びとであった。
 こうして、アルゼンチン農業は地域社会との連携を失い、ほとんどの畑が大農場のものとなって、巨大な輸出工業農業と変わった。
 野菜工場で産み出される食品は地域社会を潤すことはない。それは産業商品なのである。このため地域社会は農業と切り離され、飢え始め、地上でもっとも豊かな農業の楽園と称されたアルゼンチンに饑餓が満ちることになった。
 今、アルゼンチンの農村社会では、金網で囲まれた豊かなトウモロコシの実りの外側で餓死者の遺体が散乱している。これがモンサント社の真の成果であった。

 モンサントは、種子で世界中の全ての農家、食物を思いのままに操ろうとしている。これは食料の根幹に関わる問題である。
 1995~2000年、モンサントは、世界の50余りの種子企業を買収した。種子は、大豆だけではない。トウモロコシ、綿花、小麦、大豆、トマト、ジャガイモといった野菜全ての種子を含んでいる。モンサントは、全ての作物を遺伝子組み換え品種にしようとしている。
 
 急激な経済成長を遂げているインドでは、バイオテクノロジーの技術が欠かせないと考えられていた。インド政府は、中国と同じように、経済成長と金儲けの虜になってしまっているのだ。
 

 インドにおいてモンサントを告発する「自殺の種子」の著者、ヴァンダナ・シヴァ博士は、もう一つのノーベル賞と呼ばれる「ライト・ライブリフッド」を受賞した物理学者だ。シヴァ博士は、伝統的な種子を守る組織である「ナブターニャ」の代表を務めている。

「以前にも、このような緑の革命がありました。しかし違う点は、公共セクターではなく民間の会社が起したことです。そして、目的があくまでも食料の安全保障であった以前とは、全く逆であるというです。モンサントは収益を増やすことだけを目的をしています。」遺伝子組み換え種子は、オクラ、ナス、米、カリフラワーなどもある。「モンサントは、種子を支配しようとしています。種子を支配するということは、爆弾や銃砲よりも強力です。世界を支配するのに、これ以上の方法はありません。」
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