震災時の養生と放射線から身を守る薬膳の心得

連載1~ 震災時の養生と放射線から身を守る薬膳の心得2011.05.31

2011年3月11日、午後2時46分に発生した東日本大震災により、多数の死者、行方不明者を出し、また、福島県原子力発電所の事故や放射能の流出など重なる災害に多くの日本人がかつて経験したことが無い悲しみ、不安、恐怖のどん底に落とされました。この非常事態では体力勝負ですので、積極的な養生法を薬膳的立場からお知らせします。

■基礎体力が第一です!
放射線は肝腎、肺にダメージを与えます。免疫力を高めることを第一に。

■身体的疲労軽減の対策・効率的な睡眠方法
夕食は就寝3時間前までに済ませて、午後11時には熟睡できるように。

■避難袋の用意を!
保存食品やお気に入りのサプリや漢方薬
などを備えるとグーです!
放射線の被害を軽減する補気と温法の生薬:棗(なつめ)、黄耆、生姜のパウダーなど。
代謝を高め、ストレス軽減の生薬:ウコギ、朝鮮人参。避難生活で不足する栄養素:葉緑素、ビタミンC、毒消しの梅干などの保存食。

■被曝とは?
被曝には急性被曝(即死)と慢性被曝(体内被曝)があります。

■精神的疲労に対しての対策
1:不安神経症パニック発作、余震恐怖症(船酔に似た症状など)
2:脱力感、不安からくるだるさ、動悸、睡眠障害などの気虚(気分 が落ち込む)の症状が考えられます。
燃えた灰が皮膚から入るのを防ぐには:肌を露出しない、雨に当たらない、マスクは必需品。汚染された食品は、洗い、茹・水で晒すなどしましょう。浄水器は活性炭のついているものが良いです。
体内被曝では、白血球の減少、リンパ球の増加、白血病、骨肉腫、甲状腺ガンなどの症状のほか免疫力の低下傾向となります。対策は、自然塩、味噌、梅干などで塩気をタップリ入れて腎臓を強化して生命力を高め、造血作用を強化します。(にがりを含んだ自然塩は心臓病や高血圧への影響は心配ない)白砂糖系の甘いお菓子などは、造血の反対方向の細胞の破壊に導きますので、非常時には絶対に禁止です。(とるならミネラルを含んだ黒砂糖を)

放射線から体を守るおすすめの漢方薬
補中益気湯、人参湯など。(漢方薬店で入手可能)

放射線の被害を軽減するための食品
海草、緑豆を食べましょう!緑豆は、もやしや春雨の原料の小粒の緑の豆、草根木皮。農薬、重金属などの解毒が出来ます。

■肺と腎を補う気功
迎香(両鼻の脇)、膻中(胸の中央)のツボのマッサージ!

放射線に強い食べ物、肝、腎、肺(大腸)を強化するたべもの
抗酸化作用のある色の濃い食品が良いです。抗酸化、ファイトケミカル(ドライフルーツなども良い)ヨードの多いもの:海藻類:わかめ、昆布、根昆布、あさくさのり、トロロ昆布など。自然発酵の味噌:腸内細菌を活性化して造血作用を促進。 
衣類:ニットは避ける(付着しやすい)、表面がツルツルの繊維のものが良いです。・肺には白い色の食品(大根、蓮根など)腎には黒い食品(黒米、木耳、黒煎り玄米粉など)

■まとめ
放射線は非常に陰性なので、体を冷やし、細胞を弛める白砂糖系の甘味、果物の多食、血液を汚す動物性食品、加工食品の多食を避け、主食は玄米、雑穀など未精白の穀物、副食は海草、緑黄色野菜など、調味料は味噌を重点に、五味(酸味、苦味、甘味、辛味、塩気)を満遍なくとることが大切。身近な薬草のどくだみ、ヨモギ、スギナなどをお茶にして水分の補給をしましょう。 


監修/加藤ゐくこ先生
国際中医薬膳指導師
★ Family62★、原宿家庭薬膳クラブ主宰。
身近で自然な食材を使った、日本人にあう家庭薬膳料理を提案。
加藤先生のホームページ
http://www.geocities.jp/sansho08/index.html
 





加藤ゐくこの「ベジタ薬膳」
まどか出版 定価1,260円
e-mail:
sansho@seaple.ne.jp
tel・fax 047-472-1014まで