MBSたねまきジャーナル5/24小出先生 核燃料サイクル見直し 推進側にだけ原案示す もんじゅ WHO



5/24(木) 永岡です。
 
 原発のニュース、核燃料サイクルの見直しで、原子力委員会の評価の前に、推進側だけを集めた勉強会が行われ、結果を事前に公表し、推進側に有利なものに書き換えられていたということです。
再処理するか、せずに地下廃棄するか、電力、経産省のみの出席で、経済的に優位になるのはと後退する表現になり、再処理路線継続を求める声が出ており、鈴木委員長代理、報告書は公開で議論している。
藤村氏、再処理有利に書き換えられていない、事前の提出は問題と言っています。池田さん、藤村氏のいう書き換えの疑念ではなく、毎日新聞原案のペーパーを入手し、明らかに書き換えられ、推進派の官僚が秘密でやっていた、誰が信用出来るかと言われました。
核燃料サイクルは技術上も安全上もコスト上も幕引きせよと、あまりにひどいと言われました。これを異常と思わないのが麻痺しているということです。

 野田総理、大飯再稼動を早くしろとして、中長期には原発をなくすが、短期的にはやれない、再稼動への理解を求めています。真夏の判断では遅いと、近く決断するというものです。池田さん、原発の信頼性をないがしろにして、再稼動するのかと言われました。

 福島事故で出た放射能は90万テラベクレル、天文学的数字になるというのです。東電が明らかにしたもので、推計で、保安員の試算、48万テラの倍、チェルノブイリの17%になります。
 

小出先生のお話 http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65807204.html

 千葉「え…まず最初の質問なんですけれども。
さっきニュースでお伝えしましたが。核燃料サイクル政策の今後のあり方を検討している、内閣府原子力委員会の小委員会というところが、使用済み核燃料の処理方法を議論する中で、全量再処理など3つの選択肢を作ったんですけれども。それが電力会社など核燃料サイクルの推進側に有利になるように選択肢の案の総合評価を書き換えていた事がわかったということなんですね。
小委員会に提出する前に実は核燃料サイクルの推進側だけで、事前に非公開で集まって勉強会と称して資料を検討していたらしいんですけれども。」
千葉「小出さん、政府の会議というものはこういうもんなんですかねえ」
小出まあ昔からそういうものでした…し、まあ、未だにやってるんだなあというのが     私の正直な感想です。」
池田「まさに原子力村の談合(苦笑)…ですよね、これ」
小出「そうですね。まったく変わっていないのですね
池田「変わってないですね。結論ありきと思われても仕方ないなあという感じ…がす   るんですけれども」
小出「はい」
千葉「そんな中ですね。高速増殖炉原型炉「もんじゅ」について、文部科学省廃炉を含めた、4つの選択肢を示したというニュースも入っております。」
千葉「で、その中の1つにですね、実用化を断念し、国際的な増殖炉研究施設として活用、という選択肢があるんですけれども。これよく読んでみると実用化できない高速増殖炉をこれから研究する意義っていうのはあるんでしょうか。」
小出「不思議ですね(苦笑)。はい。どういう日本語なのか私には理解できませんでした。」
千葉「ははい(苦笑)ね。で、あのもう1つの選択肢としましてですね、廃炉にして基礎研究のみ継続というものもあるんですけども、ま、研究し続ける限りは施設はあり続けるということかなあと思うんですが」
小出「しかし廃炉にしたらばもう動かないじゃないですか(苦笑)。それもどうするんですかね(苦笑)」
千葉「ですよね!」
小出「はい(苦笑)。」
千葉「ね、だからこの選択肢としての日本語自体が…なんかよくわからないというか適切でないという感じですよねえ」
小出「はい」
池田「なんかあの、さっきのあの核燃料サイクルの? 推進の話、勉強会と同じようになんかこうそういう推進派の当事者が、自分たちの利害のために残してる文言としか思えないですよね、これ」
小出「(苦笑)、はいまあ池田さんが、読み取られたとおりに私も思いますし。本当にあの困った人達だし、全然変わらないんですね、彼らは」
千葉「はあい。ここで、リスナーの方から小出さんに質問が来てます。
まず最初は…福島第一原発では汚染された冷却水の処理をながーいパイプを張り巡らせて行なっているんですが。処理された放射性物質を入れた塔がすでに無数に置かれていました。」
千葉「この塔が壊れたら致死量が漏れますよねということなんですが・・。
あの、こちらが調べたところ鉄とコンクリートでできている塔のようなものが沢山あるようなんですが。これ、雨ざらしでは鉄とコンクリートでできてるといっても長持ちするもんではないですよねえ。」
小出「長くは持ちません。その中には汚染した水の中に含まれているセシウムという、放射性物質を」
千葉「はい」
小出「え…吸着させたゼオライトであるとか、」
千葉「ええ」
小出「あるいはまあ水処理してできた沈殿であるとかいうものが詰めてあるのだと私は思い、ます」
千葉「はい」
小出「んで、猛烈なその放射能濃度になっているはずですので。」
千葉「ええ」
小出「むき出しにはおいておけない。ですからコンクリートや、まあ鉄の容器のようなものに入れて、遮蔽をしながらとにかく置いてあるということだと思いますが。」
千葉「ええ」
小出「いずれにしても長くは持ちません。これからそれをどうするか、地面に埋めるのか、あるいは…もうどうするのかなあ、ほんとに私もどうしていいのかよくわかりませんが。もっと別の専用の置き場をですね、新たにしっかりしたものを作ってそこに移すとか。何がしかのことを近い将来のうちにやらなければいけなくなります。」
千葉「近い将来ってのはやっぱここをそれこそ、何年かのうちには、やっておかなきゃいけないですねえ」
小出「数年のうちにはやらなければいけません
千葉「ですよねえ。でもあの使用済み核燃料ですら、捨てる場所ってのがないのに
小出「そうです」
千葉「こんなゴミどこに置いといたら、ということですよねえ」
小出「まあもとから、原子力発電所の出てくるゴミはどうしたらいいかわからないままここまで来ているわけですから」
千葉「はあい」
小出「その、その一部がまあにわかに、え……問題になって私の前に立ち現れてきたということですね」
千葉「ええ。これまた同じようにこの冷却水の処理をなが~いパイプを張り巡らせて、…し続ける限りこのゴミは増え続けるということですもんねえ」
小出「どんどん増えてきます。」
千葉「・・まあどうなっていくのかと、どういう感じですけれども。もう1つですね」
小出「はい」
千葉「核廃棄物の処理についての質問ですが。
私が学生の頃、30年前の原子力討論会では、そんなものロケットに大量に積んで遠くに捨てればいいさで意見が一致していました。という話なんですが(苦笑)。
コスト的な問題、技術的な問題はあると思いますが。基本的に宇宙に捨てるという考え方は批判されるものでしょうか、という質問で。」
小出「宇宙に捨てるという方策は、考えられたことがあります。」
千葉「え、ほんとに、ほんとに、それが論議されたことがあるんですか」
小出「はい。あります。宇宙処分という名前で私達はそれを呼んでいましたが。」
  …議論されて、されたことがありました。」
千葉「ええ!」
小出「しかし、ですがみなさん、お分かりいただけると思いますが。ロケットというものは、時々失敗して落ちてくるのですスペースシャトルだって打ち上げた途端に、みんなが見ている眼の前でバラバラになって落ちてきたりした」
千葉「ええ」
小出「・・わけですから。もし、失敗したら取り返しがつかない。ということで、これはもう技術的にやはりできないということになって。え…選択肢からもうすでに外れてしまっています。」
千葉「ああ、いや、でも私達が普通に考えても、それはまあ無理じゃないかなあと思うような話なんですけれども」
小出「はい」
千葉「それが専門家の間で、きちんと論議されたことがあったということなんですね」
小出「はい。ようするに、放射性物質を消す力を持っていませんので
私達のいる世界からどこか別の世界に持っていくか、あるいはどこかに隔離するか。もうそれしか選択肢がないのです
まあですから苦し紛れに、あれこれと考えては来たのですけれども。
どれも現実的な選択肢になりえないで、今は地面にとにかく埋めようというのが、唯一残ってる選択肢になってしまっています。」
千葉「はあーーー……。そんな中、放射性廃棄物は増え続けている状況が続いているということですね」
小出「そうです。これからもし再稼動というようなことになれば、またそれを、どんどん作ってしまうという、その選択をするということなのです」
池田「もうあの、私たちのその、生き方の問題ですよね」
小出「そう」
池田「こうなってくるとね」
小出「そうですよね。自分で始末のできないようなゴミを作るか?という、そういうことだと思います。」
千葉「はい。え…続いてはですね、また、ニュースに関する質問なんですけれども。福島原発事故による外部・内部被曝の推計値というのをですね、WHO世界保健機関がまとめました。」
千葉「え…それによりますと全身の被ばく線量は原発周辺の浪江町などの住民の全身被曝が10ミリシーベルトから50ミリシーベルト。千葉県や茨城県などは0.1ミリシーベルトから10ミリシーベルト。そして大阪府などは0.1ミリシーベルトから1ミリシーベルトとなっていまして
日本政府はこの数字は現実より明らかに高いというふうに言ってるんですけれども。小出さんは、高いと思いますか」
小出「高いかどうかは私にはわかりません。え…大阪等、などはですね、1ミリシーベルトにならないというのは多分そうだと思いますけれども。
…事故直後の政府の対応が大変混乱したがために、放射能の雲に巻き込まれてしまった人たちが、いたりしたわけで・・・・。そういう人達の被曝量というものを、どうやったら正確に評価できるのかと、いうことが未だによくわからないという状態になっているのです。…考えていただければこれもいいと思うのですが、本来、ちゃんとしたデータが有るのであれば、日本政府がやればいいのです。」
千葉「そうですよね」
小出「はい。やって、こうだったと言って報告すればいいのですが、日本の国内でそれをやることが出来なかったがために、WHOに、やってもらったというような、まあそういう言ってみれば恥ずかしい形になっている、のです。」
千葉「そうですねえ。あの、WHOはですね、食品による内部被曝量の推計では、全食品が検査されてるわけではなくて、規制値を超えた食品が、流通した可能性は否定出来ないというスタンスで、規制値超えの食品も少量食べたという前提で推計をしてるんですけれども。この計算方法についてはどう思われます?」
小出「当然そうだろうと思いますし。現地の人達はむしろ、そんな測定もしないまま自分で作ってるものを食べてる方々もやはりいらっしゃるだろうと思うし。
え……単純に計算ができるような、ことではないと私は思います。」
千葉「え…小出さんどうもありがとうございました」
小出「はい。ありがとうございました」
池田「ありがとうございました。