たねまきジャーナル5/30 小出先生/4号機プール 未使用燃料取り出し、搬入のリスク

5/30(水)
 永岡です。
 原発のニュース
大飯再稼動に野田総理、3大臣を集めて8時から会合で、「自治体の理解を得られた、再稼動させる。」と言っています。
福井、おおい町の判断により、最終的に野田氏が判断すると言うのです。関西広域連合は別の模様です。

 今日は、細野氏が関西広域連合に行き、大飯に副大臣を置くと提案し、鳥取での会議で、橋下氏はインターネットでの中継、再稼動の安全基準を細野氏が言い、しかし各知事は反発で、松井氏「万全ではない。」と言うと、細野氏、「安全に万全はないので再稼動する」と言うのです。常に高いレベルを目指すと細野氏は言っています。
特別な安全体制を敷き、規制庁が出来れば、再稼動の後で評価をやり直すと言うのです
関西広域連合適切な判断を求めると日本語になっていない対応です(泣)。
政府の判断は暫定的、期間を区切った再稼動ならいいと言う模様で、その期間は不明(泣)。
井戸氏、政府の判断を受け止めると、容認しているのです
橋下氏、動かしたとしても、期間限定は譲れないと言うのです=期間限定ならOKなのです。

 近藤さん、一昨年菅氏が国の責任と言うものの,菅氏に謝れても仕方ない。
その後任が責任を取ると言うものの、リスナーも責任は取れないと指摘し、前任者が責任を取ると言っても、野田氏に責任は取れない。総理大臣云々で事故は制御できない。事故の原因も調査中であり、菅氏は脱原発と言った、その中で、整合性のなさに唖然、国は何を学んだのか!

副大臣の常駐で事故は防げないそういう話でないと菅氏は認め、万全でないと分かっており、自治体も分からない
暫定的とは2,3ヶ月の稼動なのかと近藤さん突っ込み、2,3ヶ月ならいいと言う反応に国が付け込んだと近藤さんは言われました。これが落としどころかと言うのです。橋下氏、民主党は相手にしないと反応しており、河合さんが本気で言っているのではないと言うのですが、言葉がスコンと落ちないと近藤さん言われるのです。暫定的と、命がどうかと、一緒にならないのです。経済の要請と言ったら分かる、互いに責任のなすりあいと近藤さんは言われました。

 小出先生のお話 
 
 
 先生は4号機プールの使用済み燃料について、ずっと警告をされ、そういう報道がやっと各メディアで行われるようになりました。大きな余震で崩れたらおしまいです。
 
4号機、東電が保管している燃料を2体、7月前後に試験的に取り出します。
 
プール内の使用済み燃料+まだ使っていないもの1535体、これは未使用が204体、使用済み1331体、これだけで、セシウム137が広島原爆5000発!分あるのです。これまで、福島事故で大気中に広島188発分、しかし、4号機にまだ、これだけあり、未使用の分はウランの核分裂反応を起こしていないという燃料で放射能はないのです。

 未使用の燃料はプールに置かず、空気中でもOKですが、ウランはアルファ線、ガンマー線も出すので、水の中に入れたほうがいいのです。
 
どうして、こんな204体も未使用の燃料棒がここにあるかというと、「原子力発電所というのは、使い終わった燃料は取り出さなければいけないし、そのぶんはまた新しい燃料を入れなければいけない。
そのために燃料交換作業というのをやる。その作業をやるにあたっては原子炉の中と、使用済燃料プールというプールとを、同一のプールにして、そのプールの中で移動という作業が必要になる」
プールの中につけたまま移動させるということがこれまでの手順になっていました。
で、使用済み燃料を空気中に出すと、周囲の人は即死するぐらいの超危険物。未使用のものはそれほどのことはありません。
 
今回の計画は、未使用の燃料棒を取り出して、実験的に取り出して、その損傷具合を見て、これからどういうふうにしていこうかというのを決めるのですが、「簡単には出来ない。」
200kgあり、クレーンがいるのに壊れていて、大変。しかし使用済み燃料取出しよりは楽で、1年間過酷な環境にあり、表面の腐食も知りたい、テストはしたいのです。
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 テストの後、来年12月から本格的に取り出しをするのですが、「1日も早くやってほしい」が、重さ100kgを超えるキャスクという容器を入れてプールの底から引き上げられるようにするのですが、これをやるには巨大なクレーンが要り、それを支える建物もいるのです。が、そこに瓦礫が散乱し、東電は4号機の建物を撤去してそこに頑丈な建物を作る。となると、被爆する、作業員は大変です。

 
来年12月に本格的な作業なものの、使用済み燃料は空中に出せば周囲の人は死ぬ、落としたら放射能が吹き出る、精密にやらないといけないのです。

 水を張ったプールはすべての原子炉にあり、地震が起きたときの危険性は考慮していなかった。沸騰水型80気圧、加圧水型で150気圧、それより使用済みプールはましと思われていたのに、地震でこのプールが壊れたらエライことです

 近藤さん、4号機だけで5000発なら、日本そのものの存続に関ると言われて、
小出先生、原発はトイレのないマンション、たまったものを使用済みプールに移して、それでも処置なし。再処理しても消えない。課題を先送りした始末の果てです。

 政府は再稼動させると言い、責任を感じていないのです。

 4号機の詳細をお知らせいたしました(キーボードを叩く指が震えています(泣))。


続いて、大飯再稼動問題
 
もうひとつの住民説明会を上田崇順(たかゆき)アナウンサーが取材し、報告がありました。これは住民の開いた説明会で、重要な話なのです。

 リスナーより意見が殺到し、政治家たちは期間限定なら天災は来ないと思っているのか?指摘がありました。
 
この説明会、4月は国が説明し、今回は再稼動で本当に安全なのかと、140人参加。(4月は546人)、こういうところに住民が来るのは今までなく、勇気を出して来たのです。
住民の質問に、京大の小林圭二先生(熊取6人衆の一人、小出先生の先輩)が答えるのです。小林先生、緊急時のタンクの質問を受けて、大飯は平らなところが少なく、免震棟を作るのにどこにすべきか決まっていない、タンクの設置は困難。
小林先生、関電に問い合わせると、作る場所が見つかっていない。加圧水型は事故で挙動が複雑で作業員の判断ミスあり(スリーマイルの前科あり)、事故があったらどうか、福島の人の話もありました。

 大阪の人も参加していて、大飯の人が別の方策がいると言われ、大阪の人は、大飯が再稼動したら全国で続いてしまう。
立地の人は生活がある・・と、経済か命かではないと言うのです。
大飯の人、保安院が大丈夫と言うならいい、再稼動しないと生活が成り立たないと言うのです。大飯でも再稼動は問題で、なかなか録音させてくれない。作業員、事務、原発なしでどうやって食べるのかと言うのです。

 上田さん、大飯町の人に聞いて、下請けは仕事がなく切られる。再稼動で大飯町はやっていける、タクシーの運転手は、原発なしで仕事にならない、安全にこしたことはないが動いてもらわないと言い、また反対と言う人は勝手で、立地地域の経済をこれからでは困る、声もあるのです。原発なしで雇用はないという。直接の仕事のある人はこうなのです。

 しかし、小浜町の主婦の方は、小浜の町が寂れて、原発を動かしてもどうにもならない原発で小浜町が良くなるわけではない。工業団地があればいいが、と言うのです。地場産業として原発に関する企業がないと、潤わないのです。関連する企業は都市にあり、根付いた企業がないのです。大きな企業が来ないとダメなのです。会社を起こす補助がないとダメで、原発があっても小浜市は衰退しているのです。

 経済面について、関学の朴さんが原発なしでどうするかを語り、福井商工会議所の人は、40年間福井に原子力産業は育たず、孫受けばかり(全体で6割、製造業はわずか4%)。原発産業が地場産業にならず、地元が育っていないのです原発なしで仕事がなくなる。
 
ではどうすればいいか、朴さん、「廃炉ビジネス」に仕事があり、これを中継ぎに(アメリカ、ドイツ、フランスで70基解体されている)、東海1号は廃炉2020年、930億円の事業になり、ふげんは750億円の廃炉事業があり、お金が動くのです。これを地場産業でやればと朴さんは言われるのです。

 近藤さん、なるほどと言われ、それなしで生活できない人が地元にいると思っていたが、地場の人が自力で儲かるものはないのです。廃炉ビジネスを国がやるとなると、当面大丈夫であり、今まで交付金ハコモノばかりで、維持管理費が地方財政を苦しめて、ホテルの稼働率も3割と苦しく、廃炉ビジネスで次の産業に移行し、自然エネルギーを朴さん提案です。

 上田さん、こういう話をすることが大きい原発賛成としか言えなかった)、経済、原発なしでの生活の道(方法)を出さないと話にならないわけです。
それを国はやっていないのです。

 なお、九州の川内原発差し止め訴訟が起きています。活断層があり、今後の稼動停止+慰謝料を求めています。

 リスナーより再稼動問題に意見があり、地元に目を向けず政府は再稼動と言い、近藤さんも、基地経済と似ている、原発なしで立ち行かないのではない、政府の関与ひとつで答えは変わり福島原発は東京の問題(東京が潤う)、この中で再稼動は考えられたと言われました。安全の保障なしで再稼動に驚きで反核の新藤監督が亡くなられ、女は生きる状況を選ぶと言われたと水野さん紹介されました。
 上田さんのお話、興味深いものでした。