たねまきジャーナル打ち切りに抗議声明

毎日放送たね蒔きジャーナル」打ち切りに抗議して、すみやかな番組復活を求めます。   

 毎日放送ラジオは、多くの聴取者と全国各地の放送関係者や市民から寄せられた多くの 存続の声を顧みることなく、番組打ち切りを10月編成の記者会見で本日発表しました。

 「たね蒔きジャーナル」は、ラジオ編成・番組センターの報道記者やアナウンサーたち が独自に取材したリポートや、その日の大事なニュースを取り上げて報道してきました。
番組キャスターの水野晶子千葉猛両アナウンサーが当事者や関係者に鋭く迫り、ニュー スの真相を伝える稀有なラジオ報道番組として、ラジオ番組としては初めて坂田記念ジャ ーナリズム賞特別賞を受賞するなど、高い評価を受けてきました。

 番組の聴取率も、それまでの野球中継ではライバル局に大きく負けているのに、「たね蒔きジャーナル」が始まった途端に逆転して勝つなど、この番組を聴くために毎日放送に ダイヤルを合わせる聴取者が数多くいることを、明確に現しています。

 このように優れた人気番組を、なぜ毎日放送は打ち切るのでしょうか?

 以下、今回の番組打ち切りについての、私たちの考えを記します。

1.番組の打ち切りは、関西圏はもちろん、北海道から沖縄そして海外からもインターネット上の署名サイト「署名TV」などに寄せられた五千人以上の聴取者の声を無視した、暴挙だと言わざるを得ません。

2.ラジオの苦しい台所事情(売り上げの低迷による人件費や経費削減)を知り、番組を自分たちも支えようと、身銭を切り番組のスポンサーになろう!と申し出た数百人の熱い想いと、寄せられた一千万余のお金も軽んじた、あまりにも愚かな対応です。

3.また番組打ち切りによって、こうした放送メディアに市民が「ある種の責任」を持って参加する、新たな可能性を閉じてしまったことは、本当に残念でなりません。

4.毎日放送は「たね蒔きジャーナル」をつぶして、「平日夜の時間帯に長時間のワイド番組を編成しました。野球選手や漫才師、ミュージシャンなどが日替わりでパーソナリティーを務める予定」
しかしこの大型番組も来春ナイター中継が始まれば終わるでしょう。わずか半年の番組のために「たね蒔きジャーナル」のような素晴らし い番組をわざわざ打ち切りにする理由があったのか? 疑問でなりません。

5.午後6~9時には大型新番組を編成して、午後9時からの「たね蒔きジャーナル」を続けるという選択肢もありました。
そうしなかった理由を毎日放送には明らかにする責任があります。
たね蒔きジャーナル」をどうしても打ち切りたい特別な理由か、この番組に対する不当に低い評価があった、としか考えられません。

6.じつは全国各地でラジオの聴取率が年々下がってきている大きな理由の一つに、番組に携わる人数を減らせるワイド番組の大型化=長時間化にあるのを、毎日放送 ラジオ局幹部は御存知ないのでしょうか? 
一人のパーソナリティーの声だけを長時間聴き続けるのは、どうしても飽きてしまうからです。

7.いま聴取者が求めているラジオ番組は、「広く薄い」長時間のワイド番組ではなく、視聴率に左右されるテレビでは伝えにくい、伝えられない真実を「狭く深く」伝える「たね蒔きジャーナル」のような番組だと確信しています。         
私たちは「たね蒔きジャーナル」の打ち切りに強く抗議するとともに、すみやかな番組 の復活を要望します。そのため粘り強い努力を惜しまないことを、ここに表明します。   

 その手始めとして、どれほど多くの人たちが「たね蒔きジャーナル」を愛し、今回の打 ち切りを残念に考えているかを、放送最終日の9月28日午後9時にラジオを持って毎日 放送前に集まり、毎日放送と多くの人々に伝えたいと、考えています。              
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*9月18日午後7時現在、92人