法律学者が安倍自民党の改憲案の最大の問題点を指摘

坂本龍一から
政治家のみなさんへ

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福島を忘れないでください。
原発のない日本を作ってください。
脱原発を目指す政治家は協力してください。
日本の未来である子供たちを守ってください。

たきもと しげこ(法律学者)
皆さんは、憲法が、その生死を確認し、死せるものは蘇生させなければいけない、いわば「生き物」であることをご存知でしょうか。
その昔、ドイツで社会権について初めて規定した先進的なワイマール憲法が、突然殺され、無効化されたのです。1933323日のことです。

その理由は、合法的な選挙によって政権を握ったナチスによって、全権委任法が制定されたことにあります。
これは緊急事態の宣言さえすれば、国会での議論を経ることなく、内閣が単独で自由に立法権を行使できるという法律でした。
その後、ドイツ国内では様々な非人道的な所業が合法化され、さらには全世界を巻き込んだ前世紀の最終戦争へと発展していったのです。
 
 
今現在、自民党憲法「改正」と称する案を公表しました。
その「改正」案99条には次のような文言がみられます。

緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる(後略)」

これはまさに、全権委任法と同じ効果を持つ、恐るべき案です。

この憲法「改正」案の理念のもと、自由権は「公の秩序」という名目で制限され、自由を守るための統治機構ではなく、統治機構に奉仕する自由へと、私たちの人権は変質されていくでしょう。
 
戦争を知らない私たちは、一見平和と見える「戦前」に生きているかも知れない。
政治家の皆さん、今一度、政治を志された初心に立ち返り、党利党略を越えた高い理想を掲げ直してください。
有権者の皆さん、ご自分が選ぼうとしている政党や候補者の掲げる政策を、もう一度しっかりと吟味し直してください。
私たちが解決しなければならない問題は山積しています。
しかしそれは、世界平和と調和の中で、必ずや解決できるはずのものなのです。