内部被曝防止 意外なところにリスクがある

2013年05月29日

内部被曝防止 意外なところにリスクがある

福島はもちろんのこと、関東でも日々放射性物質が降り続いている。場所によっては、これに核関連研究施設などからの放射性物質の放出が加わる。JーPARCはβ線源を大量に放出したから、ガンマ線計測器では捕捉できない。

沖縄ソバの汚染問題、釜焼きピザの汚染問題もあった。これからは、加工過程で汚染が加わることも増えてくるだろう。

1. 木灰を使用するもの
木灰を水に溶かした上澄み液が中華麺などのかんすいとして使われることがある。こんにゃく製造でも、凝固剤として灰汁が使われていた。今は、水酸化カルシウムや炭酸ソーダのような工業製品が使われることが多いようだ。

2. 木の幹や芽、葉を利用するもの
キノコ、茶、タラの芽、タケノコ、月桂樹、肉桂の根、葉など。特用林産物

シイタケのホダギには楢などの広葉樹が使われるが、雑菌が少なく生産性がよいのは福島産だという。九州では地元産のホダギもあると聞くが、東日本ではほとんどすべて汚染されてしまった。おがくずに加工して作る菌床栽培も材料は同じ。

3. 木の実
チェルノブイリ事故の後、欧州、中東産のナッツ類が強く汚染された。日本の栗、クルミギンナン、産地によっては汚染がある。

4. 炭、薪を使用するもの
炭火焼はリスクがある。釜で薪をたいて直接煙や炎が当るものも同じ。西日本のウバメガシを使った備長炭は汚染度が低いはずだが、データが見当たらない。

5. 魚粉を餌に使用するもの
魚類養殖、養鶏。
日本の魚粉の消費量は、2009年で養魚飼料の原料として18万5千トン、養魚飼料を除く配合・混合飼料の原料として14万8千トンの合計33万3千トン。自国生産の20万5千トンと輸入27万9千トンによってまかなわれているとの
レポートがある。

6. 米ぬか、ふすま
養鶏、養豚の餌に使われることがある。肥料に使われる場合もある。 千葉の落花生栽培農家は、自家栽培の小麦を肥料として畑に撒くこともある。

7. 米、小麦、大豆加工品
米菓の、せんべいはうるち米、あられはもち米を使う。どちらも粉末にしてから使うので砕米、くず米が使われることが多い。主食用に出荷できず安価な米は加工用に回っていると見られる。

関東産の小麦はしばしば汚染が検出されている。手打ちうどんは地元産の小麦が多い。大豆も汚染が見られ。そのような原料から作れた豆乳は当然汚染されている。

味噌は米、麦、大豆が原料でリスクがある。醤油も同じ。福島第一原発事故化学物質過敏症になり九州へ避難された方が、JAの販売する豆乳加工品、地元企業の米菓を食べたら体の関節があちこち痛み出し、心臓や首筋がズキズキ痛んだと書いている。
 
8. 屋外で乾燥したもの
大根の漬物、切り干し大根、干し柿、いたのり、魚の干物

9. し尿汚泥から製造した有機肥料を使った農産物
セシウムのリサイクルだが、このような肥料の無償配布を行っている自治体の日曜農園、自家菜園の産物は忌避すべきだ。

10. 河口付近の定着性魚類、貝類
念頭にあるのはアサリ。東京湾のアナゴやウナギも汚染度が高い。

東京都葛飾区で自営業女性が2013/3/9に147.5Bq/kgのセシウムを持つウナギを釣った場所は河口からは少しさかのぼったところだが、近辺には名だたる濃厚汚染スポットが連なる。こんなところで食用目的で釣りをすることは不可解だが、調査目的では大変大きな効果があった。

11. 2011/3に使われていた起毛の長いコート、絨毯など
郡山市の中学生のジャージのズボンが300Bq/kg超のセシウム汚染。ドライクリーニングではセシウムは落ちないはずだ。外見はきれいでも注意。

家の猫はいつもベランダで転がっている。私のひざの上に乗るたびに、こらあ、あっち行け! と思う。

12. 中古の什器家具
我孫子市の不燃物ゴミのセシウム濃度が依然として高い。福島第一原発の近傍から持ち出されたものも出回っている。中古自動車も含め、起源の分からないものには特に注意。出所の分かる古いものはむしろ安全。拭き掃除で汚染は軽減できる。化学物質も少なくなっている。

13. 排気が出ないと言う掃除機
空気を吸い込んでおいて排気が出ないなどということはありえない。こっそり目立たないように排気を出している。部屋を閉め切ってこういう掃除機をかけても吸い込んだ放射性物質がまた室内に排出される。フィルター方式のほうがまだマシではないか。排気を屋外に出す方式がベスト。