守田敏也さん講演録 〜まとめ。核のない平和な世界を作るために
【まとめ~一緒になって核のない平和な世界を作るために~ 】
背愛今回の旅から帰ってきて、何を思ったのかというと、一言で表せば、「やはり世世界革命が必要だな」ということに尽きます。
「革命」といっても、何とか主義革命を起こすとかそういうことではないですよ。
世界が一緒になって変わっていくことが必要だなという意味です。
日本という一国の単体ではできないことも、世界という大きな連なりの中でならできる。その際のキーワードこそが、チェルブイリとフクシマなのです。
そして考えてくれることの中に、一緒に成し遂げるべき課題がどんどん育っているのです。
ちなみにシノップの街で、美味しい魚をごちそうになったのですが、「守田さん、ここでは安心して魚を食べられますよ。日本だともう安心して食べられないでしょう。この魚は放射能入っていませんよ」と言われるのですね。
そういう思いで、私たちの痛みのことを考えてくれているわけで、その思いと、僕らがどうやって結びつくのかということがこれほど問われている時はないということを強く感じました。
最後に。測定所に、そしてみなさんに対する提案がもう一つあります。
ぜひ、英語での発信を強めてください。ぜひチャレンジして欲しい。
世界は日本の情報に飢えています。
日本からの情報は一番出にくいのですよ。
世界のほとんどの国の人々は日本語がまったく読めないのですね。日本語を使える人は、ほとんどいないと思った方が良い。
日本の情報は、例えば「
首相官邸前」と漢字で検索ソフトに入力すれば、デモの写真など、幾らでも出てきます。でもその写真にすら日本語を使えないとなかなかアクセスすることができないのです。
だから日本の民衆運動の状況が伝わりにくい。これに対して日本の中からもっと情報発信をしてくれという声がすごくありました。
例えば今回僕は、京都で行われた「
原発いらないコドモデモ」の写真をいっぱい使いました。子育て世代のお母さん、お父さんが作り上げたデモで、子どもたちも自分の意志でバナーを持って歩いている。なぜその写真を使ったのかと言うと、それを通じて、
日本で広がっている運動のことを、できるだけ具体的に世界の人々に伝えたいと思ったからです。
そうしたら本当にすごく喜んでもらえました。
特に女性たちが中心になって頑張っている写真を見せると、深い共感が得られました。ドイツのあるところの集会では、初老の男性医師が「ドイツも同じです。チェルノブイリのあと、女性たちが立ちあがって、ドイツの運動が進んだのです。今日はそのことを思い出しました」と興奮気味に語ってくださいました。
ちなみにこのコドモデモの参加者は100人にも満たなかった思います。数はけして多くないけれども、僕はベラルーシ、ドイツ、トルコの8か所でこの写真を見せました。するとどこでも本当に深く共感してくれるのですね。日本の民衆がこういうことをやっていると、そのことが人々の胸を打つのです。もちろんそれに続いて首相官邸前の10万人を越えるデモの姿も見せました。会場から驚嘆の声が上がりました。
ここから言いたいのは、10人とか20人の単位でもいいのです。もっと少なくたっていい。今、自分たちはこういうのをやっているのだということを、世界の人が見れるような形で、もっと日本中から発信していくことがすごく大事だということです。
言語は英語でいいです。英語でいいですと言われたって困るかもしれないけど(笑)。
でもかつてこんなことも言われました、「どうして日本人は情報を出してくれないんだ。下手な英語でいいんだよ。日本人はすぐにきれいな英語を書きたがるけれど、そんなの俺たちが読んでやるから何でもいいから出してくれ。とにかく知りたいんだ」と。
日本の情報がすごく取りにくいから、何でも出してくれと言うのです。
原発がどうなっているのかということはけっこう知っている人がいるのですよ。4号機がどうなのか、僕が説明するまでもなくちゃんと情報を持っている人がいました。
だけど
首相官邸前行動はあまり知らない。秘密保護法反対デモなんてもっと知られていない。だからそちらの方の発信を強化して欲しいのです。
例えば、奈良でデモを行ったら、なんらかの形で英語の説明を添えて、例えば
Facebookにあげてください。そうしたら僕もそれをキャッチしてどんどんあちこちに投げます。測定所がやっていることも、ぜひ、簡単でいいので出してほしい。
世界の人々は、日本に市民測定所が100カ所も立ち上がっていることも知りません。そこまで日本人が一所懸命にやってることも伝わってないのです。だからそれをどんどんみんなで発信して、世界につながることを考えて欲しいです。
ちなみに僕はシノップ
原発に関するウェブサイトを、日本語・
トルコ語をベースにして、可能な限り英語やドイツ語を取り入れて立ち上げるつもりです。今回、トルコの旅で通訳をしてくださった女性が全面的な協力を申し出てくれており、ドイツでも通訳をしてくださった複数の方が、協力を申し出て下さったからです。
脱原発をめぐる多言語空間を作り出すことに自分自身も挑戦しながら、世界の人々とコンタクトしていきたい。
世界全体で変わらないとこの問題は変わらないし、逆に、日本が変わることを通じて世界もまた変わっていくという、そういうダイナミックな構造の中に僕らはいるような気がしています。
だからみなさん、ぜひ、
英語での発信力をつけてください。もちろん他の言語ができる方がいたらどんどんそれを付け加えて欲しいです。
そのことで世界と結びついて、一緒になって、核のない、争いのない、本当に平和な世の中を目指していきましょう。
そのために、侵略戦争のあやまりを知っている私たち日本人が発信できることはすごく多いです。自信を持って、この奈良で行っていることを世界に向けて発信してください。
以上、そんなことを、ヨーロッパやトルコに行って感じてきました。測定所開設から一周年を経て、僕も一緒になって今後の発展を作っていきたいと思いながらお話しました。これからも頑張っていきましょう。どうもありがとうございました。
約1時間半の講演の文字起こし。
守田さんはすべてに目を通し、
全体をブラッシュアップして多くの加筆もくださいました。
一ヶ月という 相当に長い旅で、守田さんがご自分の目と 感性で、
かなり大変だった体を張って持って帰られたほとんどすべてを
分けてくださったのですね。
すごく、大切なことを知ったという実感があります。
みなさん、これを 広めましょう。
みなさんのお力が必要です。
守田さんのブログ→
長いl講演録になりましたが、最後までお読みくださった方、ブログを訪問してくださった方々に心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。