独首相 増す存在感 「加害国の自覚」G7で唯一訪ロ

独首相 増す存在感 「加害国の自覚」G7で唯一訪ロ
 
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【モスクワ=宮本隆彦】ドイツのメルケル首相は十日、モスクワを訪問し、第二次世界大戦で戦死した旧ソ連軍兵士の遺骨を埋葬した「無名戦士の墓」に献花した。プーチン大統領との共同記者会見では「クリミア併合は欧州の平和的な秩序への脅威だ」とくぎを刺すのも忘れなかった。
 ウクライナでのロシアの行動を認めない立場から、ロシアが前日開いた対独戦勝七十周年記念式典は先進七カ国(G7)首脳とともに欠席したが、翌日の訪問で旧ソ連に大きな犠牲を強いた加害国の自覚を示した。巧みなバランス感覚を発揮するメルケル氏は、ギリシャ債務問題やウクライナ情勢など欧州で「危機」が起きるたびに影響力を強めている。
 メルケル氏はプーチン氏とクレムリン脇にある無名戦士の墓に献花し、首脳会談と共同記者会見をこなした。結果としてロシア国民が国際情勢への関心を高めるこの時期にプーチン氏と会談した唯一のG7首脳となり、存在感を示した。
 二日に発表したビデオ映像では、ウクライナ危機をめぐり「ロシアと意見は大きく異なるが、ドイツの責任で亡くなった何百万もの人たちを追悼することは重要」と訪問の必要性を強調。「政治的に重要な妥協を見いだした」(政治学者アレクサンダー・ラール氏)などと評価されている。
 メルケル氏は旧東独出身でロシア語が堪能。プーチン氏とは通訳なしで会話ができるとされる。二〇一四年二月以降のウクライナ危機では電話協議を含めてプーチン氏と頻繁に会談し、孤立するロシアと欧米とのパイプ役になっている。
 
 
殺し合いより話し合い。
「どんなに困難でも話し合いで解決する必要があるというのが、歴史の教訓だ」  byメルケル独首相
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メルケル独首相のロシア訪問―発言
“どんなに困難でも話し合いで解決が戦後の教訓だ”
2015年5月11日  孫崎享
 
●A:事実関係
1:
ドイツのメルケル首相が10日、モスクワを訪問した。
ロシアのプーチン大統領と並んで、クレムリン近くの無名戦士の墓に献花し、第2次世界大戦中のドイツと旧ソ連との戦いの犠牲者を悼んだ。
首脳会談では親ロシア派武装勢力による東部の支配が続くウクライナ情勢を話し合った。
首脳会談の冒頭、プーチン氏は
「ナチズムとの戦いで亡くなった方々を悼むために訪れたことに感謝する」と述べた。
メルケル氏は
「戦後70周年の機会に、ここに来ることが非常に重要だった」と応じた。
会談後の記者会見でプーチン氏は、メルケル氏、フランス、ウクライナ両国の大統領と2月にベラルーシでまとめたウクライナ東部の停戦合意の履行が重要だという考えを強調した。
メルケル氏は
「どんなに困難でも話し合いで解決する必要があるというのが、歴史の教訓だ」
と述べた。(11日朝日)
2:
英国ガーディアン紙
メルケル、ロシアがウクライナ反乱側(ウクライナ東部に居住のロシア人主体)に
停戦を守るよう圧力をかけるべきと求める」
 
メルケル
「停戦が実現していない。分離派の方に多くの違反がある。OSCE、国際監視団から日々何故停戦が守られないか、公平な報告がある。停戦の過程は複雑だが実現されていない」
などに言及。・メルケルは対ナチ戦勝記念に西側首脳として唯一訪問。
 
●B評価
対独戦勝70周年記念式典には西側諸国は出席しなかった。
時期をずらし、メルケルが訪問、プーチンとともに、無名戦士の墓を訪れた。
今日のウクライナ混乱は決してロシア単独で引き起こされたものではない。
クリミア住民が90%以上の支持でロシア併合したのは、ウクライナ新政権が在ウクライナのロシア人を二等国民扱いをするウクライナ化政策を進めたことと関係するし、さらに、ウクライナを混乱させることにより、欧州での軍事覚醒を図ろうという
ネオコンの動きも背景にある。この中、米国の圧力にもかかわらず、メルケルがロシアを訪問し、どんなに困難でも話し合いで解決する必要があるというのが、歴史の教訓だ」との姿勢を示したことを評価したい。
 
 
<独ロ首脳、戦没者の墓に献花 会談でウクライナ情勢協議>
朝日新聞デジタル 5月10日
ドイツのメルケル首相が10日、モスクワを訪問した。
ロシアのプーチン大統領と並んで、クレムリン近くの無名戦士の墓に献花し、第2次世界大戦中のドイツと旧ソ連との戦いの犠牲者を悼んだ。
首脳会談では親ロシア派武装勢力による東部の支配が続くウクライナ情勢を話し合った。首脳会談の冒頭、プーチン氏は
「ナチズムとの戦いで亡くなった方々を悼むために訪れたことに感謝する」
と述べた。
メルケル氏は「戦後70周年の機会に、ここに来ることが非常に重要だった」
と応じた。
会談後の記者会見でプーチン氏は、メルケル氏、フランス、ウクライナ両国の大統領と2月にベラルーシでまとめたウクライナ東部の停戦合意の履行が重要だという考えを強調した。
メルケル氏は
「どんなに困難でも話し合いで解決する必要があるというのが、歴史の教訓だ」
と述べた。
 
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