またも維新の裏切り「労働者派遣法案」

維新には抜かれる骨なんて最初からないと思うで

まず、この記事が今日の朝刊に載ってまして…

自民、維新と修正協議 3野党提出法案の骨抜き狙う 派遣法改正へ民主と分断も(朝日:2015年6月10日)

 民主党や維新の党などが提出した正社員と派遣社員らの賃金格差を解消する「同一労働同一賃金」推進法案をめぐり、自民党が維新に修正協議を持ちかけて急接近している。非正規雇用の待遇改善をめざすものだが、企業にとっては負担増になるため、自民は成立させる場合は「骨抜き」にして妥協したい考えだ。

 「賛同できる部分があるという与党のアプローチがあることは事実だ」。維新の柿沢未途幹事長は9日の会見で、自民と同一労働同一賃金法案の修正協議をしていると認めた。

 同法案は、野党が成立に強く反対している労働者派遣法改正案の「対案」として、維新、民主、生活が共同提案した。派遣社員の平均年収は2011年の調査で257万円。6割以上が300万円未満で、400万円超とされる正社員との差は大きい。立場も不安定な派遣社員らの待遇改善が狙いで
同じ仕事なら正社員と「均等」な処遇を求めている。現行の労働者派遣法も、派遣社員の賃金は社員との「均衡(バランス)」に配慮するよう義務づけているが、同様の処遇をより鮮明に求める内容だ。

 しかし、派遣社員の均等待遇は企業の負担増につながるため、経営側は導入に難色を示してきた。
経済界の意向を重視する自民は、法案の「職務に応じた待遇の均等の実現を図る」との表現を「職務等に応じた待遇の均等および均衡の実現を図る」に修正。措置を講ずる時期も「施行後1年以内」を「3年以内」と緩和する妥協案を提示したこれに対し維新内では「骨抜きだ」との批判があり、合意に至っていない。

 自民が、維新に近づくのは、野党各党が「生涯派遣法」と批判を強める労働者派遣法改正案の採決への協力を引き出したいからだ。維新は採決に出席して反対する方針だが、政府・与党にとっては、野党が欠席したままの強行採決という事態は回避できる。

 今国会には、同じく野党が批判する安全保障関連法案も待ち構える。二つの法案とも採決を強行すれば、政権の支持率下落につながりかねないため、自民は野党の分断も狙い、水面下で維新の取り込みを進めている。

この記事はちょっとわかりにくいので整理しますと

民主や維新が提出してる(正規・非正規を問わず、仕事が同じなら賃金も同じにするという)

同一労働同一賃金推進法案」に対して自民党が維新に「賛同できる部分がある」…とすり寄ってきた

…ということがまずありまして、それは何でか…と言うと

「生涯派遣法案」の採決を野党抜きで強行してしまうと市民ウケが悪いので

維新を採決に出席させたいから…というものです

(→つまり、自民党は維新が提出してる「同一労働同一賃金」推進法案に乗れるかもね…と甘い言葉をささやきつつ
  そのかわり、反対してもいいから「生涯派遣法案」の採決には出席してね…という取引を持ちかけたというわけです)

でも…

自民党が維新に持ちかけた「同一労働同一賃金推進法案」の修正案(妥協案)は

「職務に応じた待遇の均等の実現を図る」という表現を

「職務に応じた待遇の均等および均衡の実現を図る」

…と修正するもんだったので、これでは「同一労働同一賃金」を骨抜きにするものだ…と

維新から批判があがってる…ということでした

(「職務」を「職務等」にして、「均等」を「均等および均衡」にするだけで
 「だいたいおんなじくらいで…」という、誠に便利な解釈が可能となり
 かかる文言修正は、まさに「同一労働同一賃金」の原則を骨抜きにするものです)


この記事を読んだぼくは、維新の反発は当たり前だと思ったので

いくらなんでも、そんな修正には乗るわけないやろ…と思ってたのに

今日の夕刊にはこんな記事が出てて…↓

派遣法改正案、衆院通過へ 自民・維新が歩み寄り(朝日:2015年6月10日)

 労働者派遣法改正案が来週にも衆院を通過する見通しとなった。維新など野党3党が提出していた、正社員と派遣社員らの賃金格差を解消する「同一労働同一賃金」推進法案の修正で自民と維新が合意したためだ。民主党など他の野党は反発を強めそうだ。

 推進法案では、維新が提出した当初案の「職務に応じた待遇の均等の実現を図る」との表現を、「職務等に応じた待遇の均等および均衡の実現を図る」に修正。措置を講ずる時期も「施行後1年以内」を「3年以内」へと緩和する。

 また、「その後の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずる」との文言も盛り込まれた。企業にとって負担増につながるため、自民が「骨抜き」を図った。

 「同一労働同一賃金」推進法案はもともと、維新と民主、生活の3党が、労働者派遣法改正案の「対案」として共同で提案した。

 これに対し、自民は、労働者派遣法改正案の採決への協力を引き出すため、維新へ修正協議を打診、維新が応じた。民主党などは現在、審議への欠席を続けているが、維新は派遣法改正案の採決に出席した上で反対する方針だ。与党からすれば、全野党が欠席のなか、採決を強行するという事態が避けられる。

 野党3党が提出した「同一労働同一賃金」推進法案も同時に採決、与党の反対多数でいったんは否決される見通しだ。その後、自民・維新が修正合意した案を再提出するとみられる。~

朝刊では「維新が自民の骨抜き修正に批判」と出てたのに、なんとその日のうちに維新はあっさりと

自ら「骨抜き」と表現した自民の修正案に乗っかり、加えて、「生涯派遣法案」の採決にも出席する…と

必殺『手のひら返し』の技を炸裂させたのでした…


最初の記事では、自民党の「同一労働同一賃金推進法修正案」に対して

維新議員が「骨抜きだ」と反発してる旨の記述がありますが

顛末を見てると、これは「法案の骨が抜かれた」と言うよりも

「維新の骨が抜かれた」って話やないのか…と思ったりもしつつ

維新には最初から抜かれるような骨なんかなかったな…と、改めて感じた次第です




維新には「骨」なんかないということを物語るtweetがありましたので

紹介しておきます…

日本共産党大阪市議団の瀬戸団長に会ってまいりました。ヘイトスピーチを許さないという強い意志が伝わってくる誠実な方でした。 で、ヘイト規制条例が財政総務委員会で継続審議となった背景は、自民、公明の無理解と、言い出しっぺの維新の消極的姿勢があったとのことです。 やっぱ維新かー

え~、在特会の主張に共感を示し「存在しない在日特権があるかのように語っていた」橋下徹くん率いる大阪維新の会

真剣に「ヘイト規制」を考えるはずはないのでありまして、

ぼくは最初から徹くんのパフォーマンスに過ぎないと思ってましたわ…

(そやかて、在特会の言うてることを引き取って政治の場で主張するって言うた人でっせ、徹くんは…)