違憲立法で引き際誤れば安倍政権は早期退陣
違憲立法で引き際誤れば安倍政権は早期退陣
植草一秀氏は、政府の態度を「詭弁に詭弁を重ねても詭弁にしかならない」と批判しています。
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違憲立法で引き際誤れば安倍政権は早期退陣
植草一秀の「知られざる真実」 2015年6月10日
ものごとを崩壊させる原因は「矛盾」である。
「矛盾」とは、「どんな盾も突き通す矛(ほこ)」と「どんな矛も防ぐ盾(たて)」を売っていた楚の男が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と問われ、返答できなかったという話に基づく故事成語である(Wikipedia)。
もし矛が盾を突き通すならば、「どんな矛も防ぐ盾」は誤り。もし突き通せなければ「どんな盾も突き通す矛」は誤り。
したがって、どちらを肯定しても男の説明は辻褄が合わない。
安倍政権が窮地に追い込まれている理由は矛盾を押し通そうとしているからである。
順風満帆(じゅんぷううまんぱん)にみえる安倍政権だが、矛盾を押し通そうとするなら、思わぬ転落に直面する可能性があるだろう。
ところが、憲法改定のハードルは高い。
簡単に憲法を改定することができないことが分かった。
ここで、矛盾のない道筋を考える者であれば、憲法改定を実現させる道をじっくりと見定める。
これを矛盾と言わずして何と表現できるだろうか。
これは「おそまつくん」である。
潔く法案を撤回する決断を示せば、その見識に対する評価を得ることができる。
「過ちて改めざる、是(これ)を過ちと謂(い)ふ」は論語にある言葉だ。
安倍政権が提案している安保法制は、日本国憲法に反している。この点が問題にされているのだ。
このことが問題にされている。
安倍首相は現状を冷静に判断して、法案を撤回するべきである。
それが、安倍首相にとってのぎりぎりの逃げ道である。
この判断を誤り、過ちに過ちを重ねれば、安倍政権は転落することになるだろう。
安倍政権は、こうした経緯があるにもかかわらず、砂川判決を引っ張り出して「集団的自衛権の行使も許される」と言い始めたのである。
これに対して憲法学者が一斉に「論理に無理がある」と批判しているわけだ。
詭弁に詭弁を重ねても詭弁にしかならない。
安倍首相がここで矛盾を押し通そうとするなら、その矛盾によって安倍政権は崩壊することになるだろう。
(以下は有料ブログのため非公開)