パンドラの箱をあけた維新の党の安保法制対案と落としどころ
維新の党が安倍首相の安保法制案に対する対案を正式決定し、きょう3日から自公民に提出して協議に入るという。
その対案の肝は何か。
早朝のNHKニュースが繰り返し報じてた。
「日米同盟を基軸に専守防衛に徹する」
これである。
じつは、これこそが戦後70年一貫して自民党政権が取って来た政策である。
それは、言葉の定義としては究極の矛盾だ。
しかし、その矛盾を国民にばれないように、現実のものとして、憲法学者が国会で吐露したように、「ガラス細工」のように進めて来た。
つまり日本国民をごまかしてきたのだ。
だからこそ、米国は文句を言わなかった。
しかし、維新の党は、安倍法制案の対案として、これをはっきり書いた。
これからの自公民との協議でまともに議論をすれば、パンドラの箱をあけることになる。
しかし、である。
残念ながらそうはならないだろう。
結論からいえば、もし自公民が安保法制案を成立させたいなら、本質的な議論を避けて、この維新の案に沿ってまとめるほかはない。
なにしろあの小林節名誉教授も維新の案にお墨付きを与えているのだ。
愚かにも、ガラス細工を壊した安倍首相は、にわかには受け入れ難いだろう。
メンツがあるからだ。
しかし、安倍首相は安保法制案を成立させるためには、最後は、格好をつけて譲歩するだろう。
とにかく、どのように不明でいい加減な対案であろうとも、それでまとまるのならいいのだ。
安保法制案を成立させることがすべてであるからだ。
強行して成立させたのではなく、協議の上の成立だという事にすることが最重要なのだ。
かくして安保法制案の落としどころが見えて来た。
護憲政党だけが梯子を外されることになる。
護憲議員だけが少数議員となる(了)