安保法案15日強行採決 3連休デモ封じ?反対の声大きくなる前に

安保法案15日強行採決 3連休デモ封じ?反対の声大きくなる前に

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/07/15/jpeg/G20150715010739270_thum.jpg
首相官邸に入る安倍首相
Photo By 共同 
 与党は14日の衆院平和安全法制特別委員会理事会で、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を15日に採決する日程を決めた。民主、共産両党は反対。与党は、16日の衆院通過をにらみ単独での採決も辞さない構えだ。国民の多くが反対する中での強行採決
党内は、18日からの3連休中に各地で大規模反対デモが行われるのを警戒しており、党内からは「その前に決めてしまいたい」との声も上がっている。

 国民不在の強行採決だ。特別委の野党筆頭理事を務める民主党長妻昭代表代行は、両党欠席での審議について、国会内で記者団に「採決前提の委員会運営だ。厳重に抗議する」と非難した。同党の細野豪志政調会長も「15日採決は断じて許せない。政府案を通すわけにはいかない」と対決姿勢を強めた。

 自民党谷垣禎一幹事長は党役員連絡会で、委員会審議の最終段階で行う締めくくり質疑をきょう15日に実施したいとの意向を重ねて示した。菅義偉官房長官は採決時期について「いつまでもダラダラやるべきでない」と会見で強調した。

 審議時間が100時間を超え、十分な論議を尽くしたというのが与党の主張。ただ、永田町内には、海の日を含む18日からの3連休を意識しているとの指摘もある。ある永田町関係者は「このままでは、3連休中に各地で反対デモが起きる可能性もある。このままでは反対の声が大きくなるだけ」と話す。

 国会では6月、党の呼んだ憲法学者3人全員が安保法案を「憲法違反」と表明。報道各社のアンケートでも、憲法学者のほとんどが「違憲」とする結果が出ている。

 専門家ばかりではない。国民も「NO」を突きつけている。共同通信が6月に全国で行ったアンケートでは、安保法制に反対するのは58・7%で、前月に比べ11・1ポイント増という結果が出た。

 強行採決には、反対の声が少しでも小さいうちに…という安倍内閣の思惑が見え隠れする。安倍晋三首相は「決めるべき時には決めるということではないか」と発言しているが、国民が納得していない中での採決が“その時”なのか。
[ 2015年7月15日 05:30 ]
Webtools & Bookmarks