「私たち」の民主主義(兵頭正俊ブログより)
「私たち」の民主主義 http://m-hyodo.com/
安倍晋三の日本破壊が続いている。
7月18日『朝日新聞』の「声」に、「安保法案の阻止が私の民主主義」という19歳の主張が載っていて、評判になっている。
「アルバイト 塔嶌麦太(東京都 19)私は安全保障関連法案の成立を止めるため、国家前の抗議行動に参加する。デモにも行く。友達にも呼びかける。こうやって投書も書く。できることは全てやる。
「デモに行っても無駄」と多くの人は言うだろう。でも、私は法案成立を止められるからデモに行くのではない。止めなければならないからデモに行く。無駄かどうかは結果論だ。私は間もなく選挙権を手にする。この国の主催者の一人として、また「不断の努力」によって自由と権利を保持していく誇り高き責務を負った立憲主義国家の一員として、この法案に反対し、この法案を止める。声を上げるのは簡単だ。むしろ声を上げないことの方が私にとって難しい。なぜなら、私はこの国の自由と民主主義の当事者だからだ。戦争が起きてこの国が民主主義でなくなり、この国が自由を失ったとき、やはり私はその当事者だからだ。何度でも言う。私は当事者の責任において、この法案を止める。それが私の民主主義だ。この投書を読んだあなたが、もしも声を上げてくれたならば、それは「私たち」の民主主義になる」
高校生や大学生でも、この程度の文章を書ける若者はいる。名文くさくなってしまうのが、若さだが、塔嶌麦太には、今後もどんどん投稿してほしいものだ。
「戦争が起きてこの国が民主主義でなくなり、この国が自由を失ったとき、やはり私はその当事者だからだ」という声は切ない。そんな邪悪な政治家に政権を与えたのは、わたしたちだからだ。
大量に排出される核のゴミをどう処分するのか。その見通しもないのだ。世界最大の地震国である日本に、そのような空間が存在しないことにも目を覆う。ただ、米国様の指図通り、再稼働し、保身を図っているだけだ。
政権によって操作された嘘だらけの情報空間も、首相との飯ともによって若者たちを待ち構えている。
極め付きは、TPP参加による完全な植民地化である。国立大学の文系破壊後に、劣化した技術だけの「知識人」たちが、植民地に親和性をもって生きていく。
それをわたしたち大人が作った。それでも飽き足らず戦争へと若者を追い込む。これはあまりにも酷すぎるではないか。
これらの悪政はさらなる少子化へとこの国を追い込む。経済的に子供を作れないのである。
想田和弘がこんなツイートをしていた。
「選挙で勝った政党が法案を採決したのに、なぜそれが「民主主義の破壊」になるんだ?という批判を見かけるが、民主主義=多数決と思い込んでる人の典型的な誤り。選挙で勝っても憲法違反の法案を通す権限は誰にも与えられていない。今回の採決は完全かつ重大で深刻な反則。レッドカード」
日本の現実とは、上位法として不可視の「密約法体系」がある。続いて安保法体系が存在している。その後に下位法として憲法が存在している。だから、戦争法案(安保法制)の衆議院可決に前後して、米連邦最高裁のジョン・ロバーツ長官が来日する。上位法としての、不可視の「密約法体系」の遵守を監視したのである。
米国は、すでに日本の集団的自衛権行使容認を前提に予算を考えている。米国の財政赤字削減のために、米陸軍は、今後2年間で兵士4万人(民間人1万7000人)を削減する。2017年には陸軍の兵力を45万人に削減する。その肩替わりに自衛隊が傭兵として米国に差し出されるのである。
このために中国脅威論はでっち上げられたのである。
それをやった安倍晋三にはふたつの顔がある。
このふたつ目の顔が安倍のほんとうの顔だ。
この、矛盾するふたつの概念が、日本では親和性が高いのである。おそらく安倍晋三は、自分にふたつの顔があることに、まったく気付いていないにちがいない。異様なことに、かれのなかでは一緒なのである。
現在のわが国の状況は、TPPで国を売り、戦争法案(安保法制)で金もうけに走るトップが、極右であり、軍国主義者であると批判されている。それでいて、安倍の売国奴としての正体が米国批判につながることから、ふたつ目の顔は、あまり正面切って論じられていない。