戦争法案関連…ぼくは誤解してますか?

戦争法案関連…ぼくは誤解してますか?

「誤解」っていう言葉をデジタル大辞泉でひくと…
ご‐かい【誤解】
 ある事実について、まちがった理解や解釈をすること。相手の言葉などの意味を取り違えること。思い違い。

…と書いてあるので、これはどない考えても、「間違った理解や解釈をする」方が悪い、すなわち、

誤解してる方に非がある…というコトになってます


ほな、やっぱり、管ちんは誤解してる国民が悪いって言うてんのか…という話がこれ↓

安保デモ「大きな誤解」=菅官房長官時事通信 8月31日)

 菅義偉官房長官は31日午前の記者会見で、安全保障関連法案に反対する大規模デモについて「一部の野党やマスコミから戦争法案だとか徴兵制の復活などの宣伝もされ、大きな誤解が生じていることは極めて残念だ。政府として、誤解を解く努力をしっかり行っていきたい」と述べた。
 同法案に関しては「国民の声に耳を傾けながら、国民の生命と平和な暮らしを守ることは、国としての責務だ」として、成立を急ぐ考えに変わりのないことを強調した。 

なんか、管ちんから「大きな誤解」なんて言い方されたら、

それは「大きな非」と言われてるようでめっちゃ気分悪いやん…


(海外に出て武力行使することをその内容とする)集団的自衛権の行使が

戦争放棄を定める憲法9条に違反する…ということは、

ぼくが言うまでもなく「憲法学会の定説(=常識)」であります

(そやかて、それが憲法9条に反しないと言うねんやったら、憲法9条は何も禁止してないってことになるので)


だから、集団的自衛権行使が合憲だ…と言うのは「憲法には9条がない」と言うてんのといっしょでありまして

それは「主義主張」の範疇を大きく超えた、単なる「ウソ」「ワガママ」「事実の否認」…です

(それでも、ぼくらが「誤解」してるんですか、管さん…)


政府が用意してる法案の内容がその通りに実現すれば、

自衛隊は海外で武力行使ができることになりますが

(→政府が具体例として挙げるホルムズ海峡の機雷掃海は「海外での武力行使」そのものです)

海外で武力行使をするのは「戦争する」ことです

(つまり、集団的自衛権行使の実体は「戦争すること」なんです)


戦争を放棄した憲法9条のもとで、なぜに海外で戦争できるというのか…

それはぼくの「誤解」なのか、はたまた、この国のほとんどすべての憲法学者の「誤解」なのか…

(この国の憲法学者は、それほど愚かなのかね、管さん…)

なんてアホな話はなくて、これは誤解も六回もない…というか、「誤解のしようがない話」でありますので

「誤解」でないことを「誤解」だと言い張るのは、もう、ええ加減にやめて下さいませ

(→それも、単なる「ウソ」「ワガママ」「事実の否認」…です)





※この点、今日の朝日新聞に、戦争法案反対デモに関する湯浅誠氏のコメントが紹介されてましたが↓
■議論が二極化するおそれも

 湯浅誠・法政大教授(元反貧困ネットワーク事務局長) デモは憲法で認められた重要な表現形態で、政権は耳を傾けるべきだ。一方で、デモの際のシンプルなスローガンは参加者の求心力を高めるために有効だが、議論が二極化するおそれもある。安全保障関連法案の賛成派は「平和を守る」、反対派は「戦争になる」と言ってかみ合わなくなると、結果的に、国会における数の力で原案通り通過してしまう。

 私たちは主権者として、この国の行方に最終責任を負い、結果責任を免れない。一連のデモは政治をより身近で切迫したものと感じさせたが、議論や対話をして民主主義の成熟につながることを望む。そうすれば投票率も向上し、より民意に近い政治が実現する。

ぼくは湯浅氏の「なんとも生ぬるい」「左右均等に叩いて問題点を隠す便法」には、たいへん失望しています

そもそも、ぼくは「自分の立場を明示しない『解説的コメント』」には、ほとんど意義を感じておりません

だからぼくは、湯浅氏が戦争法案をどのように考えるのか…という一番肝心な点を

すっ飛ばしてることに強烈な誤魔化しを感じるし、「明らかに違憲なものを合憲」と言い張る、つまり

「ウソ」を言い続けている人たちと、いったいどのような「議論や対話」が成り立つのか…とも思います


「議論がかみ合わない」という表現は「ケンカ両成敗」…というか、「どっちもどっち」という意味でしかなく

物事の本質を素通りしたとっても陳腐でいい加減で誤魔化しの言葉です

戦争法案に関して、議論をしようとしない(そもそも議論にならないウソを繰り返している)のは誰か…

ということを抜きにしてこの問題を語るのは、ぼくには「逃げ」としか思えません


また、湯浅氏の「私たちは主権者として、この国の行方に最終責任を負い、結果責任を免れない」という言葉も

形式的にはその通りではありますが、日本はずっと「民意が正確に反映すらされていない」歪な選挙制度の上で

歪んだ民主主義(≒not民主主義)が運営されている…なんてことを考えると

いきなり「結果責任」に言及されるのは、かなり乱暴な結論ではないかと思います


加えて、デモという場で「相手方と議論」なんかできるわけもなし、

その場で叫ばれることが「シンプルな内容」になることはデモの性質上、不可避だとも思いますが

そんなことまでイチャモンつけてどないしますねん、湯浅はん…

(ぼく、湯浅氏の最近の言動には、どうも合点がゆきません…というか、はっきり、この人は「要注意」だと思ってます)





※同じく、昨日の国会前大規模デモに関して、朝日新聞に以下の記事もでてましたけど…↓

■首相周辺「若者は現実を知らない」

 一連のデモの広がりを政権や政党はどう受け止めているのか。

 政権側はおおむね否定的だ。菅義偉官房長官は28日の記者会見で「デモのなかで『戦争法案』『徴兵制復活』と宣伝され、大きな誤解を受けていることは極めて残念だ」と語った。首相周辺の一人も「デモに参加する若者は理想や建前に走り、現実を知らない世界では戦争が起きている。日本が何もしないわけにはいかない」。報道各社の世論調査内閣支持率が40%前後あることもあって「国民的なうねりにはなっていない」(首相周辺)とみる。

憲法を知らない(あるいは、知らないフリをしてる)人(=首相周辺)」に「(若者は)現実を知らない」と言われても

ぼくには返す言葉がありません

(まずは、そない言うてるアンタが「憲法という『現実』」を知らないとね…)


そういえば、この人のようにしたり顔で「(現実には)世界で戦争が起きている」という客観語りをする人がよういてますけど

正確に言うと、戦争とは(自然災害のように)「起きるもの」ではなく、人為的に「起こすもの」であるところ

戦争を起こしてばかりいる国って、実は「世界で稀な存在」なんです

(つまり、「戦争を起こす国がいつまでも戦争ばっかりしてる」から「世界から戦争がなくならない」わけです)


(平和のために)「日本が何もしないわけにはいかない」のはその通りだと思いますが

日本がすべきことは、そういう「戦争常習国」に戦争を止めるよう働きかけること…であるはずで

集団的自衛権行使という憲法違反をしてまで戦争常習国と協力して武力行使すること…であるはずがありません

(そんなん、当たり前の話ですがな…)


そうそう、なんだか、あの「過去他人事安倍談話」を評価!?して

安倍内閣を見直す人がチラホラ出てきてるせいで、安倍内閣支持率が反転してるようですが

デモが重要な対抗手段であるのと同様に、「内閣支持率」も重要な対抗手段でありますので

あのような「ごまかし談話」に騙されないで(…というか、戦争法案に集中してもらって)

安倍内閣を支持することのないよう、お願い申し上げます