TPPの経済効果が10年で3兆円なのに、対策に3兆円を税金から出す
TPPの経済効果が10年で3兆円なのに、対策に3兆円を税金から出す
TPP 交渉差止・違憲訴訟の会の弁護団共同代表の山田正彦氏がアトランタのTPP閣僚会合で見たものは、日本はアメリカの手先となってアジアの各国に対してひたすら妥結に向かうようにと恫喝するだけで、その一方で肝心のアメリカに対しては日本の国益を守る姿勢は見られずに譲歩するだけであったということです。
それはこれまでの経過から見て大いにうなずけるものです。
政府やメディアはTPPのマイナス面には一切触れることなく、TPPが発効すれば、農産品や牛・豚肉、その他の酪農品が安く手に入るようになりバラ色の状況になるかのような宣伝を始めました。しかしそうした経済面に限定して見た場合でも実態はどうなのでしょうか。
ブログEveryone says I love you! がその概要を語っています。
そしてTPPはGDPで3.2兆円を押し上げるということなのですが、同時に農業・酪農従事者などTPPに伴う国内産業保護のために3兆円規模の補正予算を組まなくてはいけないということです。勿論国民の税金を使ってです。
結局何もかもが「マイナス」というのがTPPの真実です。
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TPPの経済効果が10年で3兆円なのに、TPP対策に3兆円税金から出すって、なんじゃそれ?!
Everyone says I love you ! 2015年10月11日
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「TPP参加」効果の政府試算
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G D P
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3.2兆円(0.66%) 増加
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消費
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3.0兆円 増加
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(安価な輸入品流入↓)
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投資
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0.5兆円 増加
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2.9兆円 減少
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輸出
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2.6兆円 増加
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農 業 生 産 額
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3.0兆円 減少
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損するんだか得するんだかもわかんない。
安倍政権は、2014年度で約490兆円のGDP(国内総生産)を2020年に600兆円にすると言っているのですが(言うのは勝手ですから)、TPP=環太平洋戦略的経済連携協定参加を「成長戦略」の大きな柱として位置づけています。
年平均でいえば、2700億円程度で、1年間のGDPの2000分の1ですから、ほとんど何の役にも立たないレベルと言っていいでしょう。
ちなみに、安倍政権になると、その一年半後の2013年3月、TPPへの参加に伴う経済効果について、実質GDPを0・66%(3兆2000億円程度)押し上げるとの試算を公表したのですが、なぜ、効果が10倍以上になったのか全然わかりません。
しかも、いつそのような状態になれるかについては、中長期かかるというだけで、はっきり言わないのです。
それにしても、GDPの押し上げ効果は年500兆円の1%未満にすぎないというわけです。
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TPPの農業への影響(農林水産省試算)
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農 業 生 産
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4.1兆円
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減
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食 料 自 給 率
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40%⇒14%
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低下
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農業の多面的機能
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3.7兆円
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喪失
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実 質 G D P
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7.9兆円
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減
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雇 用
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340万人
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減
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(即時関税撤廃を前提)
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このようにTPPを積極的に推進しようとした野田政権や安倍政権が出した数字ですから本当にそうなるかは怪しいのに、それでもTPPの経済効果はさほどではないと自白しているわけです。
10年で3兆円の「売り上げ」のために、3兆円とか6兆円とか税金を使うだなんておかしくないですか?
それでなくても輸入品に対する関税を下げるので税収は少なくなるんですよ。
輸入品が安くなって消費者として得したようでも、関税のマイナス分と国内産業に投じる税金分を納税者として余計にとられたら、なにをしていることかわけがわかりません。
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TPP参加交渉からの即時撤退を求める大学
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教員の会による試算と政府統一私案との比較
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政府統一見解
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大学教員の会の試算
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農林水産物生産減少額
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約3.0兆円 減
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約3.5兆円 減
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