政府は巨大軍艦の建造を準備中
政府は巨大軍艦の建造を準備中
まだ建造には着手していませんが、政府は国民には何もしらせないまま、既にそこまで準備を進めているわけです。年配の人たちには、海上自衛隊がアメリカから供与されたフリゲート艦で発足した頃のイメージがまだ強いかもしれませんが、いまや「大和」級の艦艇を持つに至りました。
日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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野心隠さぬ安倍政権…来年度に盛り込む「対中開戦」準備予算
日刊ゲンダイ 2015年11月27日
安倍政権が南シナ海への「野心」を隠そうともしなくなってきた。
25日は中谷防衛相が訪問先のハワイで、米太平洋軍トップのハリス司令官と会談。中国の人工島造成を受け、日米共同訓練や周辺国への軍事支援の推進を確認した。安倍首相自身、先週のオバマ米大統領との首脳会談で、南シナ海への自衛隊派遣の可能性に言及したばかり。防衛省も来年度予算で、南シナ海での対中衝突を想定しているような兵器調達を一気呵成に進めようとしている。
「海上自衛隊においては“水陸両用戦に供する艦”を建造する予定だ」
水陸両用戦に供する艦とは「強襲揚陸艦」を指す。ヘリコプターや水陸両用車など上陸作戦に使う装備と部隊を輸送する軍艦で、垂直離着陸式の戦闘機を運用できる広大な甲板を持つ。とにかくバカでかい。米軍が保有する「ワスプ級」の満載排水量は4万トンを超え、海自最大の護衛艦「いずも」の2万6000トンをはるかにしのぐ。
「自衛隊の使命が本土防衛だけなら、上陸作戦に用いる巨大艦艇を欲しがるのは不自然。尖閣防衛を想定しても規模が大き過ぎます。河野氏は海自あがりで、海自は伝統的に米艦隊を守る意識が強い。勇ましい計画を打ち出して予算を勝ち取る術にも長けています。集団的自衛権の行使が可能になった今、海自中枢が南シナ海情勢に便乗し、冒険主義的な野望を秘めているのかも知れません」(軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏)
今年度予算で強襲揚陸艦は調査費(500万円)がついただけなのに、制服組トップが「建造する」と米軍首脳に言ってのけるあたり、導入は既定路線なのだろう。「19年度の配備を目指している」(防衛省事情通)との情報もある。
過去最大の総額5兆911億円を計上した防衛省の来年度予算の概算要求をみると、オスプレイ12機(計1321億円)を一気に購入する計画を盛り込み、水陸両用車「AAV7」11両(74億円)の調達を求める。強襲揚陸艦に搭載できる兵器の配備に躍起なうえ、18年度までに米海兵隊をモデルにした「水陸機動団」を新設する計画だ。
さらには今年度に続き、イージス護衛艦1隻の建造費を計上。2隻の建造費は計3355億円に及ぶ。海自のイージス艦は現在の6隻から8隻となるが、果たして南シナ海に向け、強襲揚陸艦を中心に艦隊を編成する気なのか。
「海自は『いずも』に加え、1155億円をかけて同型護衛艦『かが』を造るほか、同型艦をもう1隻建造する予定です。強襲揚陸艦の建造費は3000億円が最低ライン。さすがに莫大な予算を捻出できるか疑問だし、何より米国は日本にこれ以上の武力強化を望んでいません。導入計画は、米国から“待った”のかかる可能性が高いと思います」(神浦元彰氏)
安倍政権の「野心」は、米国の手のひらの上で転がされている。