改憲が参院の争点というなら、その内容を明らかにしないとね

2016-01-13

改憲が参院の争点というなら、その内容を明らかにしないとね

ひとさまのtweetから…

えぇ、そら、2014年に行われた衆議院選挙の際の自民党の公約集の

「全296項目の271番目」
「国の存立を全うし、国民をまもるために切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年7月1日閣議決定)に基づき、いかなる事態に対しても国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します。
って出てましたよ…(って、普通、そんなトコまで目を通すヤツおらんやろ…)


けど、安倍ちん自身が衆院解散直後の際の記者会見で、
「本日、衆議院を解散致しました。

この解散は、アベノミクス解散であります
。」
…って言うとったし、衆院解散の大義がないとの批判に際しても

「消費増税延期について信を問う」と言うたったんやから、そんなアンタが、どの面さげて

「平和安全法制が総選挙での主要な争点の一つであったことは明らか」って言うのよ?

(アンタな、「明らか」でないものを「明らか」って言うたらアカンやん…)


この点についてもうちょっとツッコんでおくと、

上記の公約には一般的抽象的な理由をならべて安全保障関係の法整備をする旨の記述だけで

集団的自衛権」の「集」の字も出てけえへんところ、

そんなごまかしで衆院選挙を戦った後に、いきなり「憲法9条違反の戦争法」を出してきて

総選挙で有権者の支持を得ていた…と主張するのは「ない話を後からつくる」ってもんやないのか

(う~ん、安倍ちんって、「あったことをなかったことにする」のが得意やと思ってたのに
 「ない話を後からつくる」のも得意やったのね…って、そんなことばっかり得意になってどないすんねん!)


そして、ここにきて安倍ちんは、きたる参院選挙においても

このようなごまかし戦術を使おうと思ってるのか…
首相 参院選の選挙公約に憲法改正の考え(NHK:1月12日)

安倍総理大臣は衆議院予算委員会の基本的質疑で、夏の参議院選挙で憲法改正自民党の選挙公約に掲げて国民に訴える考えを示(し)~「どの条項から改正するのかというのは、国民的な議論の深まりを見ながら与党において判断し、憲法調査会の中で議論が煮詰まっていくものと期待している」と述べました。
こんなことを言い出してるんやけど、ほな、アンタたちが目指してる「憲法改定の具体的中身」って何なのよ?

…という、一番肝心なことについては、いまだにはっきりした話はしてくれへんやんか


そもそも、憲法改定の中身も明らかにしない憲法改定の公約って、

有権者からみて判断のしようがないと思うんやけど

もしかして安倍ちんたちは、もし選挙に勝ったら、その後に具体的なコトを言い出しつつ、

その改定内容に関して「有権者の信任は得ている」って後から言い出すつもりなんか?

(…って、その可能性が高いよな…)


で、安倍ちんがはっきりしたことを言うてくれへんから、こちらでいろいろ調べるしかないねんけど

現時点では、こういう「口実」で憲法改定を訴えたらやりやすいんじゃないか…と、

安倍ちん自民党は考えてるようです↓
安倍政権「災害対策名目の緊急事態条項から改憲に着手」と政権幹部。 でも現代の戒厳令は超危険! 政府が立法権を持ったり国民の権利を停止したりする権限を持つ http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/313de7d61940c9ed38e9e85821c11874 …(←ひとさまのtweetより)
(この「緊急事態条項」の新設については、リンク先の記事にその危険性が明確に指摘されてますので
 気になる方は是非、リンク先の記事を読んで予備知識を仕入れておいてくださいませ)


…と書いてきて、いや、自民党はもう少し前には「別の話」をしとったよな…と思い出したので

紹介しておきますと…
改憲、環境権創設など先行=菅官房長官 (時事:2015/01/10-12:44)

 菅義偉官房長官は10日、BS朝日の番組に出演し、憲法改正に関し「全体というよりも欠けている部分、大事なところから入っていくべきだろう」と述べた上で、「環境権」の創設などから着手したいとの考えを示した。戦争放棄を規定した9条の改正などよりも、国民の抵抗感が薄い条項の先行改正を目指す考えだ。

 菅長官は「憲法改正は国民にまだ非常に拒否反応がある」と指摘。「これだけ環境の問題があっても憲法に何も書かれていない。教育の私学助成も憲法に書いていない。そういうことからまず直していくことが大事だと思う」と語った。

これはそんなに古い話ではなくて、去年の1月の記事なんですけど、

自民党(の菅ちん)は当時憲法改定の内容について

「環境権の創設」とか「私学助成(を可能にする条項)」をその具体例として話してたんですよ


ところが、その話がいつのまにかどっかに行ってもうて、今度は「緊急事態条項」ですか

(なんか、そんなコロコロ話を変えられたら、やっぱりちゃんと判断でけへんやんけ!)


しか~し、これまでの経緯すら、実は自民党の本音ではなくて…↓

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20160104/20160104222510.jpg

自民党の悲願とする憲法改定の主眼は、もう最初から「憲法9条改定」で決まり…でありますので

今後、選挙前に自民党からどんな「憲法改定のアイデア(≒口実)」が出てこようと

彼らの目指す憲法改定の一丁目一番地は「憲法9条改定」である…と理解していてくださいませ


そして、こんなことはあえて書かなくても、みなさんわかってはると思いますが

憲法9条憲法前文と相まって、日本国憲法の最大原則の一つである『平和主義』を構成する条文であるところ

その9条を改定(し、あわせて前文も改定)することは、『平和主義』を棄てる…ということになりますので

その点もお忘れなく…




※付録

自民党憲法改定の「口実」に使おうとしてる「緊急事態条項」の危険性を指摘する新聞の社説を紹介しときます
<社説>改憲が争点に 緊急事態条項は許されない(琉球新報:2016年1月9日)

 民主的政体と立憲主義の存亡が懸かっている。この危機に無関心ではいられない。

 安倍晋三首相が年頭記者会見で、夏の参院選の争点として改憲を掲げる考えを示した。だが国会の代表質問で野党が「憲法のどこをどのように変えるのか」とただしたのに対し、正面から答えなかった

 「国会や国民的議論、理解の深まりの中でおのずと定まる」と述べただけだ。選挙の争点にすると言いながら自分の考えを示さないのはなぜか。
 選挙前に改憲の意思を述べておくことで、選挙の勝利をもって改憲の許可を得たことにする。その上で自分の望む部分を改憲するということだろう。改憲のフリーハンドを握り、「後はお任せを」と言うに等しい。そんな政治を民主的政体とは言えない
。権力者が勝手なことをしないよう憲法で縛りをかけるのが立憲主義だ。フリーハンドは立憲主義にも反する。

 この政権は憲法解釈も一方的に変更し、それを正当化する安全保障法制も憲法学者多数が違憲と断ずる中で成立を強行した。憲法53条に基づいて野党が臨時国会開会を求めても無視した。立憲主義軽視は顕著だ。自分たちの気に入らない憲法はないがしろにする一方、新たな憲法をつくるというのは、まさにご都合主義ではないか。

 昨年の国会で首相は緊急事態条項を憲法に創設したい考えを示しており、与党もそれを軸に改憲論議を進める構えだ。
 確かに衆院参院の任期満了選挙が災害で実施できないことがあれば、政治空白が生まれる可能性はある。だが自民党が4年前にまとめた憲法改正草案では、緊急事態宣言で内閣は法律と同じ効力を持つ政令を出せることになっている。国民の私権制限も一方的にできる。戒厳令そのものだ。そうなれば政権はまさに万能である。民主的政体も立憲主義も完全に霧消する。断じて許容できない。

 自公は既に衆院で3分の2の議席を持つ。参院では非改選で76議席あり、ことし86議席を得れば3分の2を握る。自公が3年前と同じ結果だとして、おおさか維新など改憲派があと10議席を得れば改憲を発議できる。
 衆参同日選なら自民が大勝すると取り沙汰される。参院選ないし同日選は、間違いなく日本の針路を一変させる選挙となろう。なおのこと安倍政権は改憲の条項を具体的に示し、堂々と論戦すべきだ。

え~、端的に申し上げて、自民党憲法改定の「口実」として新設をもくろむ「緊急事態条項」は

要するに「戒厳令条項」であり、ナチスが独裁体制を得るきっかけとなった、

「(政府)全権委任法」みたいなもんですので、

そんな怖い話に乗れるかい!…ということでお願いしたいと存じます