さようなら・・・大丸心斎橋店 （涙）
報告がおそくなってすみません。1月17日、最後の見納めに行って参りました。 多くの方が最後の姿を撮ろうと、カメラを持って訪れました。
この日はすでにショーケースもなく、がらんとした空間。デパートというよりも、さながら、ホテルのロビーかホールのような美しさでした。
美しい建築を経営に活かすのでなく、爆買いを呼び込むために「壊して売り場面積を広げる」という大型スーパー並みの発想が信じられません。
遠目でも、近くで見ても美しい意匠の最後の輝きをカメラに収めました。
どうか一つ一つご覧になってください。
この美しい意匠はヴォーリズ建築事務所のメンバーで、空間建築の天才と言われた佐藤久勝氏によるものです。一つの意匠に対して、実に300枚もの設計図を描いて実現させたとのことです。この繊細なデザインは、取り壊してしまえばもう二度と復元できない労作なのです。
何としても保存の方向に持って行き、ご署名にご協力していただいた皆様には今の美しい姿のままで、いつか近い将来、ご覧になっていただきたかったのですが・・。
元大丸の親族である下村様も署名運動をなさいましたが、大丸経営陣からの、下村様への返事もそっけないものです。
以下、下村様より転載
大丸サイドからの１２月２２日付の返信には、これらの質問への回答は一切含まれておらず、「１０月３０日付で発表した通り、一部保存の上で建て替えるので、ご理解ください」とのことです。「義商」であることを社訓にしているとは到底思えない対応に、正直呆れております。「意見を異にする人たちの言いたいことは聞くふりはするが、自分たちサイドの言い分は一切変えない」という、反知性主義の某独裁主義政権を彷彿とさせる大丸サイドの対応に、会話が時間の無駄であることが非常によくわかりました・・・
悔しいですね。
大丸を経営するのは、Ｊフロントリテイリングという、東京の会社です。おそらく、関西まで足を運んでいないのではないしょうか。私たちの署名やコメントも、きちんと見てくださったのか？
意見を聞くと言いながら、初めから、結論ありきだったのではないか？
しかも、会長は「デパートなど張りぼてで良い」という考え方に賛同。文化芸術への理解や美的感性は全く皆無の経営陣です。
ヴォーリズは「建物も人を教育する」と。美しい建物は人の感性を育てます。
さらに、大丸心斎橋店は、この美しい空間の中で楽しく買い物をしてほしいという願いをこめて建てられた建築物です。
＜これはFBでのある方の意見＞
オランダでは、市民が行政庁に通報すればとりあえず解体をストップしてもらえるそうです。南アフリカでは、築70年以上の建築物の解体は禁止されています。なぜ文化財を守る法律が日本にはないのか。これが現在の日本の文化程度です。教養の無い愚かな経営陣が大企業のトップに座っていることも、経済、景気ばかり優先してきた人々の連帯責任です
撮影は17時までとなっていましたが、17時を過ぎても帰る人は少なく、全員申し合せたように、最も美しい空間であるエレベーター部分を眺めるように一列に並び、名残を惜しみました。
私も、写真を撮りながら、この宝物が壊されていくことを想像すると、悲しくて涙がこみあげてきました。
でも、まだまだあきらめきれません。何か方法はないものでしょうか・・。どうか、皆様のお知恵も拝借させてください。
今回見られなかった他の部分、大理石の階段と大丸のシンボルピーコックの写真も掲載させていただきます。階段も残してほしいところです。
ピーコックも再利用するつもりなのか？回答は何もありません。
最後になりましたが、大丸心斎橋店取り壊し反対（保存へのお願い）への署名にはたくさんの方のご協力を賜りありがとうございました。
岡田様からの感謝の言葉を掲載させていただきます。
2016.1.15時点にて2,081名の方々にご賛同のご署名をいただき、また多くのコメントをいただきました。誠にありがとうございました。心より厚くお礼申し上げます。Ｊ・フロントリテイリング株式会社の発表によると、2016年2月から取り壊しが開始される予定です。それまでに、皆様からの建て替えの見直しのご署名とコメントを、確実に同社および株式会社大丸松坂屋百貨店へ届け、建て替え(内装取り壊し)から保存・修築へと方向転換を求めていくため、いったん2016年1月15日時点の署名・コメントをもって締め切りとさせていただきます。なお、当キャンペーンのページは、当面、進捗状況をお知らせするため、継続して開設していますので、機会がございましたらまた見に来てください。ヴォーリズ建築の大丸心斎橋店を未来に引き継ぐ会は、保存・修築の運動を行っておられる他のグループの皆さまとも連携し、引き続き、保存・修築に向け、声をあげていきます。今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願い致します。岡田学
