川内原発を何故止めないのか
2016年4月18日月曜日
川内原発を何故止めないのか
日本には地震予知連絡会というものがあります。できてから47年になりますが、ただの一度も予知できた試しがありません。要するに地震がいつどこで、どれだけの規模で起きるかの予知は、全くできないということです。
現実に16日深夜に生じた熊本地方のM7.3の本震も、その直前においてすら予知はできませんでした。今後地盤の割れが進む方向についても、一時は東北東方向(伊方原発方面)に進むと見られましたが、今は南西方向(川内原発方面)に向かっているという見方がされています。
もしも川内原発を熊本大地震に匹敵する地震が襲ったとしたら、福島原発事故の二の舞になることはもう明らかです。川内原発の耐震限度は620ガルなのに対して、熊本大地震の震度は1580ガルの加速度を持っていたからです。まったくひとたまりもありません。
それにもかかわらず政府=規制委は川内原発を止めようとはしません。此度の地震で現実に加わった震度が、設計基準の620ガルに比べてはるかに小さかったというのがその理由ですが、それは遠いところで起きたのでそうだったというだけのことで、川内原発の近くでは起きないという保証があるわけではありません。
その規制委は面子を考えたのでしょう、動かしても大丈夫ということだったようです。
いまは、万が一原発事故が起これば避難の手段となるべき新幹線や高速速道路が使えない状況です。つまり住民が避難できない状況にあるのだから、そういう緊急事態の場合には、少なくともその状況が復旧するまでは止めるというのが、正当な対応の筈です。
まして電力需要が逼迫しているわけでもないのに、何故そんな危険なことをするのか不可解です。
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「川内」運転 住民ら不安 政府、地震域拡大でも静観
東京新聞 2016年4月17日
熊本地震発生後も、新規制基準の審査に適合とされた原発として全国で唯一稼働中の九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)は運転を続けている。政府は「止める必要はない」と静観の構えだが、地震活動が広がり、周辺の住民からは不安の声も上がる。
九電などによると、通常は原発の半径五十キロ以内で震度4以上の揺れが観測された場合、国に状況を報告。原子力規制庁が原発に関する情報発信を強化した十五日以降は、距離にかかわらず震度5弱以上の全ての地震が報告対象となり、川内原発でも運転員が原子炉の状態をその都度確認し、現場パトロールも実施しながら運転を続けている。
地震が拡大した大分県と豊後水道を挟んで四国電力伊方原発(愛媛県)がある。県と四国電は十六日未明、県庁で記者会見を開き、伊方1~3号機に異常はないと説明。四国電担当者は、再稼働前の最終的な手続きである3号機の使用前検査に「影響は出ないと思う」と強調、七月下旬の再稼働を目指す姿勢を変えていない。
熊本地震でも原発の地元や周辺には動揺が広がる。川内原発のある鹿児島県薩摩川内市で飲食店を営む女性(71)は「運転は続けてほしいが、予測の付かない地震がこれだけ起こると心配がないわけではない」と話す。川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は「川内原発周辺にも活断層があり、いつ南九州で大きな地震があるか分からない。とにかく運転を止めてもらわなければ」と語気を強めた。
◆「異常あってからでは…」即時停止を 文化人6人要請
18- <原発事故>除染賃金未払いなお横行
東京電力福島第1原発事故の除染作業をめぐり、福島県労連労働相談センターは、2015年に除染作業員から寄せられた相談内容をまとめた。賃金不払いや労働協約なしの経費天引きなど、悪質な事例が後を絶たない除染現場の実態が改めて浮き彫りになった。
センターは15年1~12月、前年より20人多い144人から電話や面接で相談を受けた。内容は「賃金や残業代の未払い」(77件)、「解雇・雇い止め」(15件)などのほか、「賃金明細をもらえない」「放射線管理手帳を返してくれない」といった訴えが多かった。
飯舘村の現場で昨年10~12月に働いた男性は、ホテルなどを転々とさせられた上、勝手に経費を差し引かれ、1カ月分の給料として支払われたのは1万2000円だけだった。郡山市の現場で4次下請けだった作業員が、賃金未払いに対し苦情を言ったところ「今日で来なくていい」と解雇されたケースもあった。
センターの小川英雄副所長は「除染はもうけが出るとブローカーが入り込んでいる。ピンハネなどの手口が悪質化している印象がある」と話した。