衆議院補選選挙を振り返る

2016-04-25

衆院補選を振り返って…

残念ながら、衆院の北海道5区の補選で、野党共闘の候補が自民党の「世襲候補」に負けてしまいました

えっ? あの自民党の候補は「世襲」じゃないって?

確かに、今回の自民候補は「三バン」と呼ばれる、

「地盤(=後援会)・看板(=知名度=既に浸透している名前)・カバン(=選挙資金)」のうち、

「町村」という看板(=名前)だけは引き継がなかった…んだけど、あとの二つはしっかり引き継いでるし、

加えて、この人は自民党の「故町村代議士の娘婿」だったから候補になれたわけでありまして

これを「世襲」と言わずして、何を「世襲」と言うねん…というだけの話であります

(ここでまた、世襲なら故町村代議士の娘…とくるのが素直なはずなのに
 なぜ、敢えて娘婿なのか…という素朴な疑問が浮かんでくるんですが
 これも自民党の「男尊女卑」ってヤツなんでしょうか…)


ということで、今回は外形的には「新人候補の争い」だったんですけど

実質的には「故町村代議士対新人候補」という構図であったわけなので

自らも世襲だったあの町村代議士に無名の新人候補がここまで「善戦した」ということは

素直に評価すべきでありましょう

(だって、最初の段階で、野党共闘の池田候補がここまで善戦するとは、誰も予想してなかったと思うし…)


で、今回の選挙結果を受けて、メディアが「野党共闘」について変な言い方をしてますけども…
野党共闘で全く票が減っておらず、無党派票の7割を獲得しているんだから、戦術を練り直す必要は一切ないですね。

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(↑ひとさまのtweetより)
池田候補は投票した無党派層の約7割を獲得してますし、

来たる参院選においても、この調子でドンドンいきましょう…というだけの話だと思います



ぼく、今まで「政治家の世襲」については、たんびたんびに批判してきましたけど

(無名の)池田さんが今回の野党共闘の統一候補になれた…のは、

ひとえに、池田さん個人に起因する理由…であるのに対して、

自民党の人が候補になれたのは、ひとえに「故町村代議士の娘婿」だったから…という、

「個人の資質とは何の関係もない理由」に、ほぼ百パーセント依存していた…というのは、

誰も否定できない「客観的事実」であると思います


この点、民主主義というものは「封建主義」の否定を出発点として出てきたもんであるところ

世襲議員が跋扈する社会」というのは、「政治的封建制」がまかり通ってる社会と言えます

…ってことは、日本はいまだ「封建主義」を棄てきれてない…というより、

それをしっかり維持してるということになりますが

21世紀にもなって「(政治的)封建主義」をしっかり守ってる…なんてのは「市民の恥」以外の何物でもありません


そういう観点で考えると、「世襲候補」なんかが出てきたら

政治的な立場を超えて即アウト…という判断を下すことが、

日本の社会を真の民主主義に近づける第一歩であると思います




※そない言うたら、「投票するまでもないくらいに最初から結果がっわかってた」衆院京都補選では

その予想通りの結果が出たようです

で、新聞には第2位になった維新をして「惨敗」と書いてあったんですが

ぼくは維新が京都で「2万票も取った」ことに驚いてまして

京都の人も意外に冗談が好きなのね…と思った次第です


…と言いつつ、この「2万票」は、「おおさか維新の支持票」ではなく

候補を立てられなかった自民党の支持層のうち、

民進党にだけは入れたくない」という人たちが入れたもの…だと推測されますので

やっぱり、維新は「惨敗」でええような気もします…