「再批判 自民党改憲案」(8)政府への批判許さず
「再批判 自民党改憲案」(8)政府への批判許さず
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しんぶん赤旗 2016年5月14日
高市早苗総務相が、放送法4条が定める政治的中立を守らない放送局の電波を止めることは可能だと発言(1月)したことに対し、マスコミ・放送関係者らから厳しい批判が続いています。昨夏の安保法制=戦争法案の審議中には、安倍晋三首相に近い自民党若手議員の会合で、法案に批判的なマスコミを「懲らしめろ」とか「沖縄の二つの新聞をつぶせ」という発言が飛び出しました。
言論の自由制限
何が「公の秩序」かを判断するのはまず政府です。「公の秩序」を害する「目的」の表現や結社は認めないというなら、政府に都合の悪い言論、結社、ひいては社会的連帯までが憲法で保障されないことになりかねません。「国防軍」創設とセットで軍事機密保護が憲法上の要請となり、知る権利や報道の自由に優越します。
「目的」で表現・結社を制限すれば、内心そのものに重大な圧迫をもたらすことになります。
表現の自由は、国民主権および「知る権利」と直結し、民主政治を支える最も重要な人権です。自由な言論プロセスが機能している限り、権力の乱用も是正される保証があります。表現の自由は、「自由の体系を維持する基本的条件」「すべての自由の母体」として、その規制を厳しく限定するのが現代憲法論の重要な到達点です。